木走日記

場末の時事評論

出所の大半が税金であることを隠し、離党者に活動費返還を要求する民主党

 民主党ってつくづく救いようがない組織だと思いました。

 今さら感がありますが24日付け読売新聞記事から。

離党し他党で出馬、活動費返還を…民主・安住氏

 民主党安住淳幹事長代行は23日、来月4日公示の衆院選に同党を離党して他党から立候補する前衆院議員に対し、9月下旬の現執行部発足以降に党から受け取った活動費全額の返還を求める考えを明らかにした。

 週明けに文書で要求するという。10月下旬以降に離党を表明し、11月21日付で除籍とされた前衆院議員13人が主な対象とみられる。

 安住氏は大分市で記者団に、「別の政党に行って、民主党の党員やサポーターから受け取ったお金を使って選挙運動することはあってはならない」としたうえで、「改革とか言っているが、それ以前の問題で人間性が問われる」と批判した。

 安住氏ら現執行部は10月に300万円の活動費を同党の前衆院議員らに支給した。党幹部によると、除籍された13人の前衆院議員からは、活動費が返還されていないという。党総支部の口座に残っていた資金についても、党に返還するよう求める。

(2012年11月24日04時35分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2012/news1/20121123-OYT1T00688.htm?from=popin

 うーん、「別の政党に行って、民主党の党員やサポーターから受け取ったお金を使って選挙運動することはあってはならない」「改革とか言っているが、それ以前の問題で人間性が問われる」ですか。

 で、該当する13名は以下の通り。 

■表1:安住氏に「人間性が問われる」と痛罵された13名の先生方

氏名 (選挙区、当選回数) 転居先
熊田篤嗣 (大阪1区、当選1回) 減税日本
水野智彦 (比例南関東、同1回) 減税日本
富岡芳忠 (比例北関東、同1回) みんなの党
中川治 (大阪18区、同2回) 国民の生活が第一
山崎誠 (比例南関東、同1回) みどりの風
初鹿明博 (東京16区、同1回) みどりの風
橋本勉 (比例東海、同1回) 減税日本
川口浩 (比例北関東、同1回) 日本維新の会
長尾敬 (大阪14区、同1回) 自民党
福田衣里子 (長崎2区、同1回) みどりの風
小沢鋭仁 (山梨1区、同6回) 日本維新の会
阪口直人 (和歌山2区、同1回) 日本維新の会
山田正彦 (長崎3区、同5回) 減税日本

 なんでしょうか、13人の「転居先」が、減税日本みんなの党国民の生活が第一みどりの風自民党日本維新の会と6党にも渡っていてバラバラ感がすごいのですが、それはともかく、この300万円の活動費返還という民主党の「せこい」要求に関して、私見を少し述べたいのです。

 まず、安住氏に「人間性が問われる」と痛罵された13名の先生方、この民主党の要求は言うまでもなく大人気ない「嫌がらせ」の類です、どのような法的根拠に基き「週明けに文書で要求する」のか見ものですが、安住氏の発言自体が根拠薄弱ですから、余り気にしないほうが良いと思います。

 安住氏は活動費を「民主党の党員やサポーターから受け取ったお金」と断じていますが、これは嘘です、少なくとも政党助成金という国民が納税した税金が大半のはずです、断言できます、多くの離党者を出しながらも離党して新党を作った人たちに民主党は巨額の政党助成金を分けることは一切していませんので、今回選挙資金で一番余裕があるのは民主党であることは有名な話であります。

 政党助成金の額に比べれば「民主党の党員やサポーターから受け取ったお金」など雀の涙なのは周知の事実なのに安住氏は嘘吐きなのか、無知なのか。

 今年だって助成金165億430万円ももらっているじゃないですか。

2012年4月6日確定(総額約320億円)

政党 交付金金額
民主党 165億430万円
自民党 101億5400万円
公明党 22億7917万円
みんなの党 11億1830万円
社民党 7億6370万円
国民新党 4億4254万円
新党きづな 2億759万円
たちあがれ日本 1億7378万円
新党日本 1億3602万円
新党改革 1億1961万円
新党大地・真民主 1億1533万円

 このせこい民主党の嫌がらせなど取り上げるのもどうかと思ったのですが、国民の血税を無視してあたかも自分たちで集めた金だと言うように嘘をつき、離党者に「人間性が問われる」と嫌がらせするこの「体質」のほうが、よほど「人間性が問われる」のです。

 このような低次元のせこいトラブルを見ると、もう民主党には政党助成金は必要ないのではと思ってしまいます。



(木走まさみず)