極めて異例、中国外務省が日本支援に「感動」表明〜「救護品、韓国のほうが多く送ったのに」と愚痴る韓国メディア
以前のエントリーでも触れましたが、今回の新型コロナウイルスの件で、日本から中国へのマスクなどの支援が、中国ネット民の高評価を得ているわけです。
(関連エントリー)
新型コロナウイルス対策:韓国の対応が日本よりすべて一歩遅れてしまう悲しき理由
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/03/161706中国ネットでマスクを巡り日本と台湾の評価が真っ二つ
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/01/28/101554
さて極めて異例のことですが、中国外務省報道官が公式に日本の支援に「感動」を表明します。
中国外務省の華春瑩報道局長は4日定例記者会見で「感染が広がってから、日本政府や社会の各層は中国に多大な同情と理解、支持を寄せてくれている」と日本国民に謝意を表明します。
日本の「特別扱い」が鮮明になっています。
華氏は「私も関連の報道を見て非常に感動した」と応じ「日本政府だけでなく多くの地方企業がマスクやゴーグル、防護服など中国が緊急に必要とする防疫物資を自発的に寄贈してくれた」と日本の対応を絶賛します。
華氏は日本に関する質問に答える際、わざわざ音声送信に切り替え、肉声で謝意を伝えています。
この極めて異例の中国外務省の日本感謝発言に日本メディアも驚きます。
日本経済新聞は「中国外務省報道官、日本の支援に「感動」」とのタイトルで報じます。
(関連記事)
中国外務省報道官、日本の支援に「感動」 新型肺炎
2020/2/4 18:44
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55242770U0A200C2FF1000/
新型コロナウイルスによる感染拡大に対し、日本では企業や自治体が中国に向けてマスクなどを贈る動きが相次ぎ、「中国がんばれ」、「武漢がんばれ」などと書かれたプラカードを店頭に掲げたドラッグストアもありました。
こうした動きに対して中国外交部の華春瑩報道官は4日、非常に感動したと述べつつ、「日本政府や日本の社会の支持と支援に心から感謝する」と発言し、「疫病は一時的なものだが、友情は長きにわたって続くものである」と述べました。
中国メディアの新浪は5日、華春瑩報道官の発言を紹介しつつ、中国が公式に日本をこれだけ称賛し、報道官が「感動した」と発言するのは「前例のないこと」とまでは言えなくとも、「非常に稀なこと」と指摘し、中国は日本に対して最大限の謝意を示したと論じる記事を掲載しました。
記事は、「外交に関わる人物は非常に理性的」であり、その理性的であるはずの外交部の報道官が4日の定例会見で「感動した」という言葉まで使って日本を高く評価したことは「ほとんど記憶にない」ことであると主張。そして、新型コロナウイルスによる感染が確認されて以降、日本は実際の行動を通じて様々な支援を提供してくれたと伝え、日本の行動は称賛されてしかるべきものだったと論じます。
記事には、中国人ネットユーザーから非常に多くのコメントが寄せられており、「中国が公に日本をこれだけ称賛するなんて、確かに見たことがない」といった声のほか、「中日友好、万歳」など、日本に対して感謝を示すコメントが非常に多く寄せられていました。
(関連記事)
ほとんど記憶にない! 我が政府が公式に「こんなに日本を称賛するなんて!」=中国
http://news.searchina.net/id/1686593?page=1
おそらく、困難な状況にある中国に「日本として何が支援できるか?」を純粋に考えただけでありましょう。
災害国日本はいざという時の備えがありました、それを送っただけであり、日本国内がマスク不足になったのは少し想定外でしたが現地の困窮を考えれば、その困難を一日も早く克服する事が、なによりも優先順位が高い大切なことであるとの認識が、我が日本にはあったのでありましょう。
別に感謝されることを求めての行動ではありませんでした。
今回の日本の対応は災害多発国として当然の支援でしたが、結果として中国市民ならびに政府の対日観
が大きく改善したとすれば、それはそれでよいことです、日中両国にとって今後に良い外交上の効果を生むことでしょう。
さてこの中国政府の日本への「感謝」公式表明に不満をもった国家があります。
韓国の中央日報は「救護品、韓国のほうが多く送ったのに」と不満の記事を掲載します。
救護品、韓国のほうが多く送ったのに…中国、日本だけに「感動」と言った理由
https://japanese.joins.com/JArticle/262247
記事は中国報道官の発言から始まります、
「私は非常に感動した。感染症は一時的なものだが、友情は末永いものだ」
4日午後3時(現地時間)、中国外交部の華春瑩報道官は定例記者会見で新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)に対する質疑応答中、「支持と理解に感謝し、心に刻みたい」と話した。華報道官が公開的に謝意を表した国は日本だった。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の表現を借りれば「長年の宿敵に対する珍しい発言」だった。
韓国にはその6時間目に「評価しない」と言ったのに愚痴ります。
華報道官は前もって準備でもしていたかのように「日本はごく初期に我々を助けるために何でもすると明らかにした」とし、マスクや保護服など日本が送った救護品を一つひとつ挙げた。
そのわずか6時間前、シン海明・駐韓中国大使が韓国の湖北省発旅行客入国制限措置に対して「評価しない」と述べたこととは比較される。日本も韓国と同じ水準の入国制限をしているためだ。
記事は韓国のほうが日本より金額的には多く支援していると続けます。
成均館(ソンギュングァン)大学成均中国研究所の5日の報告書によると、韓国企業約20社が中国に送った寄付と救援物資は約8926万人民元(約14億579万円)相当だ。日本の後援額(4652万人民元)より多い。
韓国国内の「反中感情」も災いしたのかも知れないと続けます。
政府が初期に過度な恐怖心の助長を抑えようと躍起になっていたことが、かえって恐怖を大きくして反中感情につながった側面もある。成均中国研究所は報告書で「『入国禁止』青瓦台(チョンワデ、大統領府)請願などのことが中国のSNSを通じてリアルタイムに伝えられて中国人の反韓感情も高まっている」とし「韓国は義理がないと非難するコメントが徐々に増えている」と懸念した。
何をするにも下心が透けて見えれば評価されないのだと思います、日本より多く送ったのにとか言ってる時点で、心がこもってるか、打算かを中国は見抜けるってことでしょう。
韓国は官民挙げてですがこの非常事態において他国の動向を気にしすぎです。
自国民を守るためにまず何をなすべきか、また発生源である中国に対し出来うる支援策は何か、ひとつひとつ韓国自らで可能な対策を真摯に検討し、主体的に実行できることからしていけばよろしいのです。
特にいちいち日本の対応を見ながら、日本の対応を上回るようにまねする行動をとろうとするのですから、日本より一歩遅れてしまうのです、そしてその韓国における打算的振る舞いが国際的にお見通しになってしまっているわけです。
結果、韓国が期待する評価が伴わないわけです。
「他国の評価」を第一に気にするなんて、国家として非常時に検討すべき向かうべき方向性がおかしいのです。
ふう。
(木走まさみず)