木走日記

場末の時事評論

この局面で韓国政府と主張が完全にシンクロする朝日社説

 今回は10日付け朝日新聞社説を取り上げたいのです。

 9日に発表された韓国の日韓合意新方針を受けて10日付け朝日・読売・産経3紙の社説がこの問題を取り上げています。(ちなみに毎日は11日付けで文大統領年頭記者会見含めての社説を掲げていますが、ここでは割愛します)

【朝日社説】慰安婦問題 合意の意義を見失うな
https://www.asahi.com/articles/DA3S13305833.html?ref=editorial_backnumber
【読売社説】日韓慰安婦合意 文政権が骨抜きを謀っている
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180110-OYT1T50006.html
【産経社説】慰安婦問題で韓国の日韓合意「新方針」はあり得ない 日本に甘えるのはやめよ
http://www.sankei.com/column/news/180110/clm1801100001-n1.html

 朝日新聞だけこの局面で喧嘩両成敗的な論説を唱えます、すなわち韓国だけでなく日本も努力するのは当然なのだと、日本政府に注文をつけているのです。

 朝日社説は「めざすべきは、元慰安婦のための支援事業のていねいな継続であり」「日韓両政府の協力の拡大」だととなえます。

何よりめざすべきは、元慰安婦のための支援事業のていねいな継続であり、そのための日韓両政府の協力の拡大である。

 その意味で「「1ミリたりとも合意を動かす考えはない」(菅官房長官)と硬直姿勢をとるのは建設的ではない」と日本政府の姿勢を批判します。

 その意味では日本側も「1ミリたりとも合意を動かす考えはない」(菅官房長官)と硬直姿勢をとるのは建設的ではない。

 日本が「韓国側から言われるまでもなく、合意を守るためにその範囲内でできる前向きな選択肢を考えるのは当然」と言い切ります。

 アジア女性基金では歴代の首相が元慰安婦におわびの手紙を送ってきた。韓国側から言われるまでもなく、合意を守るためにその範囲内でできる前向きな選択肢を考えるのは当然だ。

 一方的に日韓2国間国際合意を骨抜きにされたこの局面で、いまだにまだ日本政府の姿勢を批判しいっそうの努力を求めるとは、朝日新聞論説室は、当ブログが昨年指摘したように、やはり正常な判断力がないとしか思えません。

2017-12-30 この局面でお気は確かか?朝日新聞論説室よ〜「さらに日本政府にできることを考え行動する姿勢」(朝日新聞社説)だと?
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20171230/1514609975

 そもそもです、韓国側が少女像を巡る問題の解決に向けて努力することを約束したことに今回の韓国側声明ではまったく触れていません。

 これはおかしいでしょ。

 このことは、読売社説でも産経社説でも強く批判しています。

【読売社説】

 市民団体がソウルの日本大使館前に設置した、慰安婦を象徴する少女像について、康氏が言及を避けたことも理解しがたい。

 合意では、韓国側が少女像を巡る問題の解決に向けて努力することを約束した。しかし、文政権はいまだに、撤去に向けた具体的な行動に踏み切っていない。

 外国公館の安寧と威厳を守ることは、国際条約が定める受け入れ国の責務だ。少女像を放置するならば、韓国は規範を無視する国家だと見なされても仕方ない。

【産経社説】

 ソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去に努力すると約束しながら果たされていない。像は、慰安婦について旧日本軍が強制連行した「性奴隷」などと歴史をゆがめ、日本を非難する運動の象徴である。放置は許されない。

 国際同意した努力義務を履行していないばかりか、それに一切触れていない韓国側「新方針」に日本として批判をするは当然だと考えますが、朝日社説は少女像には一言も触れることなく、代わりに日本政府の姿勢を批判しているわけです。

 一歩譲って日本政府の態度を批判するのは朝日の勝手だとしましょう、しかし少女像撤去に対する韓国政府の努力義務違反と沈黙をなぜ批判しないのだ、そこにはなぜ沈黙する?
 これでは韓国政府「新方針」と主張が完全にシンクロしてしまっているじゃないですか。
 いったいどこの国のメディアの社説なのだか? 

 しかしひどい論説です。

 またしてもくどいとお叱りを受けそうですが、何度でも指摘しなければならないと思っています。

 ふう。



(木走まさみず)