木走日記

場末の時事評論

韓国「ペテン師」大統領をかばう朝日新聞社説〜朝日新聞よ、これ以上日韓歴史問題に無責任に関わらないでくれ

 歴代屈指の大「嘘付き」が大統領になったということでしょうか。

 韓国の文在寅大統領は17日、就任から100日の記者会見をし、徴用工の問題について「(日韓)両国間の合意は個々人の権利を侵害できない」としました。

 その上で、「両国間の合意にも関わらず、徴用工、強制徴用を受けた個人が三菱などの企業を相手に持つ個人の権利(請求権)は残っているというのが、韓国の憲法裁や最高裁判例だ」と指摘。「韓国政府はこの立場で歴史問題に臨んでいる」と強調したのです。

 歴代韓国政府見解である「徴用工に関しては賠償を含めた責任は韓国政府が持つべき」という日韓両政府間で解決済みのこの問題を、初めて公式に覆して蒸し返した点で、歴代屈指の大「嘘付き」大統領ということができましょう。

 国家間の約束事を簡単に覆し「大嘘」を付く、これすなわち「国際的ペテン師」であります。

(関連記事)

「徴用工の個人請求権は消滅していない」文大統領が会見 慰安婦問題は「日韓請求権協定時には分かっていなかった」
http://www.sankei.com/world/news/170817/wor1708170025-n1.html

 もともとは、韓国政府も徴用工への補償は「解決済み」との見解だったじゃないですか。

 実際、韓国政府は、1975年に徴用工への補償を実施し、2008年から追加補償も行っているじゃないですか。

 韓国政府は、補償問題は韓国政府の責任と自覚していたからこそ、日本に要求するのではなく、自らの責任で金銭を支払ってきたのではありませんか。

 特に文在寅さん、あなたは一連の韓国政府の過去の判断の当事者としての責任を負うべきです。

 徴用工の件は日韓間で解決済みだと2005年にも明言していたじゃないですか、そのときの韓国政府の担当高官が、文在寅大統領、あなた自身でしょ、直接関わっていたじゃないですか。

 韓国は盧武鉉ノ・ムヒョン)政権下の2005年、日韓の請求権協定には徴用工問題も含まれ、賠償を含めた責任は韓国政府が持つべきだとの政府見解もまとめているのです。

 そして当時、大統領首席秘書官だった文氏もこれにかかわっていたのです。

 本件では日本政府も抗議していますが、抗議の言葉が甘すぎます。

 日本外務省は17日、大使館ルートを通じて「徴用工の問題は日韓請求権協定で解決済みである」との立場を韓国政府に申し入れたわけですが、例によって上品すぎる表現であり、当ブログから言わせればクレームにもなっていません。

(関連記事)

日本外務省「徴用工問題は解決済み」 韓国の文在寅大統領「個人の権利は残っている」発言で韓国政府に申し入れ
http://www.sankei.com/politics/news/170818/plt1708180019-n1.html

 国際的に公言した前言を180度覆ししたり顔で過去のいきさつを無視してデタラメをほざく、これ国際的詐欺行為です、このような「嘘つき」には「嘘つき」と蔑むべきですし、「ペテン」は「ペテン」なのであります。

 ・・・

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 さてここからが本題であります。

 この韓国大統領による「国際的ペテン行為」に対する日本のメディアの論説を、二つ検証いたしましょう。

 比較検証するのは【朝日新聞社説】と【日経新聞社説】であります。

朝日新聞社説】
徴用工問題 歴史再燃防ぐ努力こそ
http://www.asahi.com/articles/DA3S13091586.html?ref=editorial_backnumber
日経新聞社説】
韓国は徴用工問題蒸し返すな
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO20159390Y7A810C1EA1000/

 タイトルを読めば一目瞭然なのですが、誰が努力すべきなのか主語がない朝日社説タイトル「徴用工問題 歴史再燃防ぐ努力こそ」に対し、日経社説タイトルは「韓国は徴用工問題蒸し返すな」と韓国名指し批判でわかりやすいです。

 日経社説は、冒頭から結びまで一貫して、文在寅ムン・ジェイン)大統領の対応を批判しています。

 「国家間で締結した条約や協定を軽視する」な、約束破るなと明確に批判します。

 韓国は盧武鉉ノ・ムヒョン)政権下の2005年、日韓の請求権協定には徴用工問題も含まれ、賠償を含めた責任は韓国政府が持つべきだとの政府見解もまとめている。当時、大統領首席秘書官だった文氏もこれにかかわった。

 にもかかわらず、従来の政府の立場を覆し、国家間で締結した条約や協定を軽視するような今回の発言は決して看過できない。

 当たり前ですが、嘘つきに嘘つくなと批判しているので、その論説は明快でわかりやすいのです。

 で、朝日社説です。

 これがひどい。

 一見、日経社説同様、韓国の文在寅大統領を批判しているように思えますが、もうその論説の構造が、綺麗に捻じ曲がっているのです。

 朝日社説のコア部分はこの2文です。

 日本が植民地支配により、多くの人々に多大な損害と苦痛を与えたのは事実である。

 日本側は法的な問題に閉じこもらず、被害者たちの声に真摯(しんし)に向きあい、わだかまりをほぐすための方策を探り続けるのは当然の責務だ。

 この問題で、「法的な問題に閉じこもらず、被害者たちの声に真摯(しんし)に向きあい、わだかまりをほぐすための方策を探り続ける」のは、日本の「当然の責務」だと決めつけています。

 なぜなら「日本が植民地支配により、多くの人々に多大な損害と苦痛を与えたのは事実」だからなのです。

 で、その上で日本側だけの努力では解決できないから韓国も我慢してねと、続きます。

 ただ、歴史問題は一方の当事者だけで解決できるものではない。今を生きる両国民の距離を縮めていくには、双方の政治指導者の深慮と行動を要する。

 つまり、朝日社説の論理では、韓国大統領が「嘘つく」のも日本の責任なのです。

 だって、日本は「法的な問題に閉じこもらず、被害者たちの声に真摯(しんし)に向きあ」う責任があるからです。

 つまりだ、日本の責任は「法的な問題に閉じこもらず」未来永劫、超法規的に継続していくのであります。

 朝日社説は、ペテン師がペテンするのを批判せず、「ごめんね、そんな君にしたのは僕なんだよね」と日本の非をまず認めた上で「僕も努力するからいっしょにがんばろうね」とペテン師に懇願するわけです。

 朝日論説室はお馬鹿の集団なのか?

 クラクラしてきます。

 朝日新聞よ、これ以上日韓歴史問題に無責任に論説するのはやめてください。

 関わらないでください。

 百害あって一利なしであります。

 この国際問題、そもそも君たちの「大嘘つき」慰安婦捏造記事が発端なことを忘れないでください。

 嘘ついて火をつけたメディアがぬけぬけと日韓双方に冷静さをうながす・・・

 これじゃ「放火魔」が「火の用心」を呼びかけているようなものでしょ。

 読者のみなさん、そう思いませんか?



(木走まさみず)