木走日記

場末の時事評論

日韓関係は完全に破綻〜韓国が日韓合意非公開文書を一方的に公開

 28日朝鮮日報社説は、保守系メディアらしく「韓日慰安婦合意、瑕疵に劣らず意義も大きかった」と主張しています。

【社説】韓日慰安婦合意、瑕疵に劣らず意義も大きかった
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/12/28/2017122800959_2.html

 その中でもし文政権が合意を破棄したならば、「韓日関係は完全に破綻するだろう」と強い言葉で警告を発しています。

確かに慰安婦問題は重要だ。しかしもし2年前の合意を破棄し、再交渉を求めれば、韓日関係は完全に破綻するだろう。

 この社説の願いむなしく、文在寅ムン・ジェイン)大統領は28日、「この(2015年12月の韓日政府間の)合意で慰安婦問題は解決できない」と表明します。

慰安婦合意:文大統領「重大欠陥確認」「慰安婦問題解決できない」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/12/28/2017122801283.html

 記事より文大統領の主なコメントを抜粋。

「この(2015年12月の韓日政府間の)合意で慰安婦問題は解決できない」

慰安婦作業部会の検討結果発表を見て、大統領として重い気持ちを抱かざるを得ない」

「2015年の韓日両国政府間による慰安婦問題交渉は手続き的にも内容的にも重大な欠陥があったことが確認された」

「遺憾だが、避けて通ることはできないことだ」

「これは歴史問題の解決において確立された国際社会の普遍的原則に違反するだけでなく、何よりも被害の当事者と国民が排除された政治的合意だったという点で、非常に手痛い」

「現に確認された非公開合意の存在は国民に大きな失望を与えた」

「この合意は両国首脳の追認を経た政府間の公式の約束だという負担にもかかわらず、私は大統領として、国民と共にこの合意で慰安婦問題は解決できないことをあらためてはっきりと述べる」

「再び傷付けられた慰安婦被害者の皆さんに心より深いいたわりの言葉を伝える」

「歴史において最も重要なのは真実であり、真実から目をそらした所に道はできない」

「我々にはつらい過去であるほど向き合う勇気が必要だ」

「苦痛を伴い、避けて通りたい歴史ほど真正面から直視しなければならない」

「そこから初めて癒しも、和解も、未来も始まるだろう」

 アメリカにも認めてもらった日韓二国間の国際合意を、一方的に外交部長官直属の「韓日従軍慰安婦被害者問題合意検討タスクフォース(TF=作業部会)」なるチームにより否定的に再検証し勝手に大統領が日本の同意も得ず「手続き的にも内容的にも重大な欠陥があった」と宣言です。

 特に外交上絶対に許されない行為なのは、2年前の同意内容の内の非公開外交文書を日本の同意なしに一方的に自国民に公開したことです。

 これは外交非礼であるだけでなくこの行為だけで合意破棄行為に値します、宣戦布告にも等しい重大外交瑕疵行為です。

 非公開外交公約として有名なのは独ソ不可侵条約です。

 1939年年8月23日ドイツ、ソ連間で締結された条約です。

 7ヵ条から成り,(1) 締約国は互いに攻撃せず、一方が第三国と交戦状態に入った場合、他方はこの第三国に援助を与えない、(2) 締約国は共通の問題について随時協議する、(3) 締約国はいずれも他方を目標とする同盟に参加せず、両国間の紛争は平和的手段によって解決するなどがおもな内容でした。

 そして有名なのが、ポーランド、バルト3国の分割が付属秘密議定書において取決められたことです。

 この条約の発表後、ドイツはポーランド侵攻を開始、9月にはイギリス、フランスがドイツに宣戦布告を行い、第2次世界大戦が勃発するわけです。

 この独ソ不可侵条約は2年後にドイツにより一方的に破棄され泥沼の独ソ戦が開始されるわけです。

 仮定の話ですが、もしポーランド分割統治という非公開外交合意文書がソ連によって条約締結後にドイツの合意なしに一方的に公開されたとしたら、それは条約を破棄するに等しい行為とみなされましょう。

 当然のことです。

 今回のタスクフォースなるチームは外交部長官直属であります。

 すなわち韓国外交部お墨付きで外交慣例を破って日韓合意非公開文書を一方的に日本の同意無しで公開したことになります。

 この行為により合意は破綻したとみなすべきです。

 朝鮮日報は「合意を破棄するならば韓日関係は完全に破綻するだろう」と警告していますが、残念ながら時すでに遅しであります。

 日韓関係はすでに完全に破綻しています。

 日本政府はこの韓国による非常識な条約を破棄するに等しい国際慣例破りに対して断固抗議をすべきであります。

 取り敢えず大使召還して、一時的に韓国と外交を断絶することを求めます。



(木走まさみず)