木走日記

場末の時事評論

韓国人旅行者に斬首された「お地蔵さん」や「お稲荷さん」〜破壊されたのは来訪者はすべて善き人であるという古き良き「性善説」

 11日付け朝日新聞記事から。

神社のキツネ像を壊した容疑、韓国籍の男逮捕 先月入国
2016年12月11日18時53分

 福島県泉崎村にある神社の石像などを壊したとして、福島県警白河署は10日、韓国籍で住所不定、無職チョン・スンホ容疑者(35)を、器物損壊と建造物侵入の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。

 10日には泉崎村の寺や白河市の神社でも地蔵など計9体が壊されているのが見つかった。福島県内では12月上旬から、福島、郡山、須賀川、白河の4市内で、地蔵など約100体が壊される被害が出ており、県警がチョン容疑者との関連性を調べている。

 白河署などによると、チョン容疑者は9日夜、泉崎村の烏峠(からすとうげ)稲荷神社の階段脇にあった約20センチのキツネの石像2体を損壊。さらに、本殿内にあった約20センチのキツネの木像1体と、拝殿前のさい銭箱を壊した疑いがある。

 石像は取れた頭が胴体の前に置かれ、木像は本殿の外に投げ捨てられて縦二つに割れていた。

(後略)

http://digital.asahi.com/articles/ASJDC4695JDCUGTB118.html?rm=470

 これですが実に約100体が壊される被害となっておりどこまでチョン・スンホ容疑者が関与していたのか、今後の捜査が待たれますが、報道写真を見るとほとんどの像が「取れた頭が胴体の前に置かれ」た状態、「斬首」(ざんしゅ)されているのですよね。

 朝日は本件の被害写真をまとめていますが、加害者のおぞましい像への「斬首」(ざんしゅ)のこだわりがよくわかります。


笠地蔵が伝わる福島なのに… 地蔵仏像被害、119体に
2016年12月13日03時48分
http://digital.asahi.com/articles/photo/AS20161212000423.html

 ・・・

 おぞましいことです。

 このような木像や石像に対する無差別とも言える破壊活動には、日本の特に地方の地域に密着しているであろう里山や裏山や村道の筋合いなどにいらっしゃる「お地蔵さま」や「お稲荷さん」は、まったく防ぎ手がないのですよね。
 だって彼らは人々の生活に寄り添うように身近な存在なのですもの、防備などしてません。
 日本の地方に寄り添う石像物や木造物は、このような悪意ある「破壊者」からはあまりにも無防備です。
 このような犯罪行為は、日本の古跡や仏閣や里山の寺社が当然としてきた来訪者はすべて善き人であるという古き良き「性善説」、これがもはや成立しなくなってきているということを示しているのであります。
 「文化」に対する悪意を有する「破壊者」もまた訪れる、すなわち「性悪説」に立脚して対策を立てなければならない、ということであります。
 なにがおぞましいか。
 それは、そのような対策など不可能なことです。
 全国の「お地蔵さん」や「お稲荷さん」を金網ですべて保護するなど不可能なことです。

 百歩譲ってすべて金網で守ったとして、それではもはや「お地蔵さん」や「お稲荷さん」のもつ地域住民との暖かい親和性を維持することは不可能でありましょう。

 まったく、おぞましいことです。



(木走まさみず)