木走日記

場末の時事評論

残念な菅直人元首相残念な名誉毀損裁判で残念な完敗の巻

 今回は小ネタです。

 うむ、実に残念です。

 12月1日付けで菅直人氏は12月3日の名誉棄損裁判の判決を前に、自身のブログで吠えまくります。

菅直人
2015年12月01日 15:33
安倍晋三議員の虚偽メルマガ

安倍晋三議員に対する名誉棄損裁判の12月3日の判決を前に、2011年5月20日、5月22日、5月24日付の安倍晋三議員のメルマガをあらためて資料として提示しておく。関心のある方はよく読んでいただきたい。

  5月20日付のメルマガでは、「やっと始まった海水注入を止めたのは、何と菅総理その人だったのです」と大嘘の情報を流した。淡水がなくなれば海水注入は当然だし、海水注入の開始自体を知らされていない私が止めろというはずがない。

  安倍議員の5月20日のメルマガが出た翌日の5月21日、読売と産経新聞が同趣旨の記事を大々的に掲載。記事の中でも安倍議員はメルマガと同様なコメントをしている。

  5月22日付のメルマガでは「「海水注入を一時間近く止めてしまった責任はだれにあるのか?菅総理、あなた以外にないじゃありませんか。真実は明らかです。」と述べている。しかし、真実は全く違った。東電の武黒氏が東電の吉田所長に海水注水を止めるように言ったが、吉田所長は自らの判断で注水を継続していた、というのが真実。

  さらに5月24日付けのメルマガでは、「いよいよ不信任案提出の時は迫りました」と、メルマガで流した虚偽情報を根拠に菅内閣不信任案を提出する準備をしていることを表明。 

  そして5月26日には東電が海水注入は中断せず、継続していたことを発表したが、安倍議員はメルマガを訂正も削除もせず、自民党は6月2日には菅内閣に対する不信任案を提出。

  安倍議員が虚偽情報を流して、私を総理の座から引きずり降ろそうとしたことは明らか。

http://blogos.com/article/147493/

 「安倍議員が虚偽情報を流して、私を総理の座から引きずり降ろそうとしたことは明らか」と高らかに宣言しています。

 なぜ判決二日前にこのようなエントリーをするのか、その目的がよく理解できないのです。

 残念です。

 判決二日前に自ブログで吠えまくったとしても、何を得ることができましょうや。

 ここは「沈黙は金なり」、黙してじっと判決を待つのが得策でしょう。

 結局、菅氏の訴えは退けられるのであります。

 3日付け産経新聞記事から。

福島原発めぐる安倍首相メルマガ訴訟 「海水注入中断させかねぬ振る舞いあった」「記事は重要な部分で真実だった」

 東京電力福島第1原発事故の政府対応をめぐり、安倍晋三首相が発行したメールマガジンの記事で嘘を書かれ名誉を毀損(きそん)されたとして、菅直人元首相が安倍首相に謝罪記事の掲載や約1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が3日、東京地裁であった。永谷典雄裁判長は「記事は菅氏の資質や政治責任を追及するもので、公益性があった」とし、菅氏の訴えを退けた。

 訴えによると、安倍氏は平成23年5月20日付の記事で「3月12日の海水注入は菅氏が決定したとされているが、実際には注入は菅氏の指示で中断されていた。しかし側近は『注入は菅氏の英断』とする嘘をメディアに流した」などと指摘。しかし菅氏は実際には注入中断を指示していなかった上、吉田昌郎所長(当時)の判断で注入は続けられていたのに、安倍氏は嘘を書いて菅氏の名誉を傷つけた、と主張していた。

 永谷裁判長は判決で「記事は海水注入が継続されていたことが判明する以前に発信されていた」「注入を中断させかねない振る舞いが菅氏にあったこと、(実際には東電が決めた)海水注入を菅氏が決めたという虚偽の事実を海江田万里経済産業相(当時)ら側近が流したことなど記事は重要な部分で真実だった」とし、「記事は違法な人身攻撃ではなく、論評として適切だった」と認定した
http://www.sankei.com/premium/news/151203/prm1512030012-n1.html

 うーん、「記事は海水注入が継続されていたことが判明する以前に発信されていた」「注入を中断させかねない振る舞いが菅氏にあったこと、(実際には東電が決めた)海水注入を菅氏が決めたという虚偽の事実を海江田万里経済産業相(当時)ら側近が流したことなど記事は重要な部分で真実だった」とし、「記事は違法な人身攻撃ではなく、論評として適切だった」と認定したわけです。

 残念です。

 「記事は違法な人身攻撃ではなく、論評として適切だった」と、菅氏の主張する「名誉毀損」は全否定されています、全面敗訴です。

 まあ、時系列で起こったことをよく整理されている判決です、常識的な判決と思います。

 「記事は菅氏の資質や政治責任を追及するもので、公益性があった」、しかしなあ、「菅氏の資質や政治責任」を追求することは「公益性があった」ですよ。

 ”イラ菅”の危機管理能力の無さを暗に批判しているわけです。

 さて残念なことに、提訴です。

 納得いかないとして、菅元首相は4日にも控訴する考えを示します。

菅元首相「納得できない」と控訴へ 安倍首相訴えた請求棄却受け会見

 菅直人元首相は3日夕、安倍晋三首相に損害賠償などを求めた訴訟で請求が棄却されたことを受け、国会内で記者会見を開いた。菅氏は「とても納得することはできない」「判決文に論理矛盾がある」などと主張し、4日にも控訴する考えを示した。

 訴えによると、安倍首相は菅政権時代の平成23年5月、東京電力福島第1原発事故に絡み「菅総理東京電力に海水注入を止めさせていながら『海水注入は菅総理の英断』とのウソを側近が新聞、テレビにばらまいたのです」との内容をメールマガジンに掲載。菅氏は、海水注入を止めさせたのは事実と異なり名誉を毀損(きそん)されたとして、謝罪掲載と損害賠償を求めていた。

http://www.sankei.com/affairs/news/151203/afr1512030032-n1.html

 うーむ、「とても納得することはできない」「判決文に論理矛盾がある」と即、提訴する菅直人元首相なのであります。

 残念です。

 ・・・

 実に残念な案件です。

 元総理大臣が現総理大臣を名誉毀損で訴えること自体、我が国にとって残念なことです。

 そして訴えている元総理大臣の資質がまた極めて残念です。

 黙していればいいものを、判決二日前に、自身のブログで自己の主張を吠えまくります、こんな吠えまくって敗訴したらカッコ悪いのに、そういったリスク管理はこの人にはないのです。

 で、完全敗訴の判決がでたならば、即日「納得できない」です。

 判決の内容を精査して対応するわけでもなく「判決文に論理矛盾がある」と、カッカカッカと湯沸かし器のように沸騰して会見しています。

 いやあ実に残念です。

 このような直情型でリスク管理能力が欠如している人物が、この国の内閣総理大臣であったこと、そして今も現役の国会議員であること、すべて残念です。

 私も含めてこの国の有権者にとっても、反省が必要である、誠に残念な案件であります。

 やれやれです。

 ふう。



(木走まさみず)