木走日記

場末の時事評論

Q:「なぜ私たちが嫌いなのですか」(民主党)〜A:「このような質問をすること自体が嫌いです」(木走)

 心理カウンセラーの原裕輝先生のもとに読者から次のような相談がありました。

◎リクエストを頂きました。ありがとうございます。
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友達や好きな人に、自分が避けられているような態度を取られたりすると、相手にもさまざまな都合があったりするのかもしれないのに、あまり相手の都合などを考えず、嫌われてしまったのかと考えすぎて、自分の悪かった部分を考えて謝ってみたり、ひどく人に嫌われることを恐れるあまりに、相手の顔色ばかりうかがってしまったりします。嫌われることにひどく恐れを感じてしまいます。どうしたら、人にもいろいろな状況や気持ちもあると考えて、すぐに嫌われてると思わないようにできるでしょうか?
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 うむ、これは誰でも少なからず経験があることだと思います、相手のちょっとした態度・反応から過剰に考えすぎて、相手に嫌われていると勝手に思い込んでしまう心理ですね。

 これに対して原裕輝先生が実に丁寧にわかりやすくその対処法を説明されています。

人に嫌われていると思う心理(1)〜投影の心理が与る影響〜
http://www.counselingservice.jp/lecture/lec266-1.html
人に嫌われていると思う心理(2)〜投影を取り戻しましょう〜
http://www.counselingservice.jp/lecture/lec266-2.html
人に嫌われていると思う心理(3)〜良い投影を作っていきましょう〜
http://www.counselingservice.jp/lecture/lec266-3.html
人に嫌われていると思う心理(4)〜依存的な人付き合いからの脱出〜
http://www.counselingservice.jp/lecture/lec266-4.html

 要約すると、「人に嫌われていると思う心理」は心理学的には「投影」という心の動きが影響しているそうです。

 つまり、実はそのように思う人は心の中で自分自身を嫌っているのです。

 相手が嫌っていると感じていることは、自分で自分を嫌っているマインドを、相手に映し出しているすなわち「投影」していると考えられます。

 自分を嫌うマインドを外に投影する癖がつくと、物事を疑心暗鬼に捕らえがちになります。

・自分が自分のことをよく思っていないように、人も自分のことを、良く思っていないのではないのだろうか?
・自分が自分のことを、受け入れられないように、人も自分のことを、受け入れられないのではないのだろうか?

 このような自己否定感から脱却するには良い投影を作っていけばいいそうです。

 そうすることで楽に人と付き合えるようになると先生は説明しています。

 自分が自分のことを、嫌っているマインドを投影することが、他人から嫌われているのでは? と感じる心理を作り出すのですから、他人から嫌われていないと感じる心理を作り出すには、自分を嫌っていないマインドを、投影できるようになればいいわけです。

 自分のいいところも、不出来のように思っているところも、ひっくるめて自分なんだという具合に、自分を受け入れることができますと、このマインドが、外に投影されるようになります。

 すると、自分で自分を受け入れられているように、他人も自分を受け入れてくれているのではなかろうか? と、心がとらえていくようになります。

 同じように、自分のことを愛するように心掛けていきますと、このマインドが外に投影されるようになり、自分で自分のことを愛しているように、人もこんな自分を愛してくれているのかもしれない、と心がとらえます。

 他人が、どう思っているかの真意は分かりませんが、心がそのようにとらえていくようになっていきますと、他人を善意的に捕らえていきますので、恐れがなくなっていき、楽に人と付き合えるようになります。

 そもそもですが、「人に嫌われていると思う心理」は極めて「依存的なマインド」の人が陥る心理状態なのだそうです。

 依存的なマインドが強い人は、嫌われることへの恐れが強くなります。

 依存的なマインドとは、何かしてもらいたいというマインドです。

 自分が主体的に目的を持って何かをするというよりも、他者に、自分のことを気に入ってもらう、好きになってもらう、何かをしてもらう、という相手次第のマインドです。

 このあたりを先生は、「“他人にどう思われたいか”から、“他人のことをどう思ってあげたいか”に、意識を向けられる自分に、成長してみよう」と、とても解かり易く説明しています。

 相手の反応が気になる時は、もらいたいモードを隠し持っていないか、自分と向かい合って、心をチェックしてみるといいでしょう。

 気付くことができれば、手放すこともできますから。

 “他人にどう思われたいか”から、“他人のことをどう思ってあげたいか”に、意識を向けられる自分に、成長してみようとしますと、徐々にこころが成熟していき、恐れを手放していくことができます。

 きっと、自分のことを、今よりもっと好きになっていることでしょう。

 うむ、とても興味深いですね。

 いままとめたように、「人に嫌われていると思う心理」は心理学においては、他者に依存するマインド、つまり未成熟の心理状態が影響しているわけですね。

 自分に自信が持てれるようにしっかり目標を持ち主体的に自己努力をする、そうして“他人にどう思われたいか”から、“他人のことをどう思ってあげたいか”に意識を成長させる、このことにより、結果的に自分のことを今よりもっと好きになる事が可能になり、その自己肯定な気持ちが「投影」されて、対人関係も楽になっていく、ということです。

 ・・・

 さて、です。

 9月27日付け日経新聞記事から。

なぜ嫌いですか
2013/9/27付

 「なぜ私たちが嫌いなのですか」。民主党がこんな質問を盛り込んだ世論調査の実施を検討している。まとまりのない党内、2009年衆院選政権公約の未達成――。ちまたで言われる嫌われる理由は本当か。「報道各社の世論調査ではすくい取れない民意を党再生に生かそう」と大畠章宏幹事長が発案した。

 昨年末の野党転落後、党改革創生本部(本部長・海江田万里代表)などで立て直し策を議論してきたが、主要な選挙では敗北が続く。大畠氏は26日の記者会見で「民主党どん底に近い状況だが、どう踏ん張るのかが非常に大事だ」と強調した。

 7月の就任以来、積極的に地方行脚を重ね、地方議員や若手議員と懇談しながら党再生の契機を探る大畠氏。異例の調査はわらをもつかみたい気持ちの表れといえそうだ。まずは「こんな調査は自虐的すぎる」(幹部)という党内の消極論を抑えられるかが問われる。

(如)
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO60257060X20C13A9PP8000/

 ふう。

 天下の公党である民主党が「なぜ私たちが嫌いなのですか」と世論調査の実施を検討しているそうです。

 日経記事は「異例の調査はわらをもつかみたい気持ちの表れといえそう」と解説しております。

 「なぜ私たちが嫌いなのですか」

 有権者の一人として私・木走がお答えすれば、こんなところでしょうか。

 こんな未成熟な依存的マインドなところを自己分析もできず、反省もなくあつかましくも「なぜ私たちが嫌いなのですか」と国民に問うところです。

 このような質問をすること自体が大人として未成熟で恥かしい行動であることを理解できていない低脳ぶりは、国民を代表する選良の集団である公党として致命的です。

 他者依存の未成熟な心理状態では民主党復活の道は実に険しい、といえましょう。


(木走まさみず)