面積から言えば領土問題の99.9%は北方領土という事実〜竹島、尖閣と合わせて北方領土についても想いをめぐらしたい
5日付け読売新聞記事から。
【モスクワ=緒方賢一】タス通信によると、北方領土と千島列島の小島に命名するためロシア・サハリン州が組織した調査団が5日、同州を出港した。
ホロシャビン州知事は「調査団によりクリル諸島(北方領土と千島列島)がロシア領であることが確認され、島々にロシア名が付けられるだろう」と述べた。
北方領土の消息筋によると、調査海域にはロシア側が名前を付けていない小島が約200あり、歯舞群島の小島も調査対象という。
調査は3日間で、研究者や上院議員、報道関係者ら約140人が参加している。
(2012年9月5日20時58分 読売新聞)
うむ、韓国大統領の竹島不法上陸やその後の天皇謝罪要求発言、また活動家の尖閣不法上陸やその後の日本大使公用車を襲撃しての国旗陵辱事件など、日本国民の関心が、竹島、尖閣に注がれている中で、地味な記事ですが、「研究者や上院議員、報道関係者ら約140人が参加」して「北方領土の名もない島々、命名へロシアが調査団」を派遣した模様です。
せっかく日本国民の意識がかつてなく我が国の領土問題について高まっている現在、我が国が抱える最大の領土問題である「北方領土」について、改めてその問題を意識してみるいい機会だと思います。
尖閣、竹島を見つめるのと同じ想いで北方領土について一人でも多くの読者が今一度考えをめぐらせていただければと思います。
北海道在住の知人は「日本の領土問題の99.9%は北方領土問題なのだ。北方領土の解決なくして日本の領土問題は解決しない」と訴えています。
彼の主張する「日本の領土問題の99.9%は北方領土問題」の根拠は、日本固有の領土が不法に占拠されているその面積を示しています。
竹島は総面積0.21平方Km、東京の日比谷公園ほどの大きさであります。
それに比べ尖閣諸島は総面積6.3平方Km、竹島の約30倍です、富士五湖の山中湖と同じぐらいの大きさであります。
一方、北方領土である四島の面積は、択捉島が3184、国後島が1499、色丹島が253、歯舞群島が70と、総面積5036平方Kmと千葉県とほぼ同じ広大な面積になっています。
参考まで沖縄本島の面積が、1208.19ですから、択捉島や国後島は沖縄本島より大きいわけです。
また、2島返還論の対象になっている色丹島と歯舞群島においても、合わせて323平方Kmと、竹島の0.21や尖閣諸島の6.3よりも50倍以上も大きいことは意外な感じですね。
図表にするとこんな感じ。
島名 | 面積 |
---|---|
竹島 | 0.21 |
尖閣諸島 | 6.3 |
北方領土 | 5036 |
(択捉島) | (3184) |
(国後島) | (1499) |
(色丹島) | (253) |
(歯舞群島) | (70) |
沖縄本島(参考) | 1208.19 |
円グラフにすれば、北方領土で99.9%を占めています、竹島と尖閣を合わせても1%にも全く届かない、グラフ上では2島合わせても0%に丸められているわけです。
固有領土を占拠されている面積という物差しで比較すれば、「日本の領土問題の99.9%は北方領土問題」という主張はあながち誇張と言うわけではないわけです。
もちろん、面積が小さいからと言って竹島や尖閣の問題をないがしろにしろと主張するものでは有りません。
周辺の領海やそこに眠っている資源の問題、防衛上の問題、もちろん歴史上の問題、島の面積だけで領土問題の優先順位を付けることは愚かです。
このエントリーの目的は、竹島や尖閣を軽視するものではありません。
竹島、尖閣がアツく語られている今だからこそ、合わせて北方領土についても同様のアツい想いで考えをめぐらしていただきたいです。
(木走まさみず)