木走日記

場末の時事評論

前代未聞の国会の「不作為」を許すな〜立法府が憲法を守ることを放棄してどうする?

 国会が憲法違反を放置する。

 なんたる怠慢、なんたる無責任、なんたる不作為でしょう。

 日本国憲法第14条は「すべて国民は法の下に平等」であると高らかに唱えています。

第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 また同第41条では「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関」であると定めています。

第41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

 昨日、国権の最高機関であつて、この国の唯一の立法機関・立法府である国会において、空前絶後の前例無き立法府の「不作為」により、憲法違反状態と司法が認めた(1票の格差が最大2.30倍となった09年の衆院選について最高裁違憲状態と判断しています)衆院区割りがそのまま放置されることが確実になりました。

衆院区割り、違法状態に 与野党協議、勧告期限守れず
http://www.asahi.com/politics/update/0222/TKY201202220209.html

 総務省によると、こうした違法状態は前例がありません。

 また、その状態で衆院選が実施されたことも過去にありません。

 しかし、無責任にも藤村修官房長官は違法状態での首相の解散権について「制限されることはない」と13日の記者会見で述べています。

 また、区割り勧告期限を過ぎることに罰則はないとの指摘もあります。

 しかし、政党エゴによる怠慢・無責任・不作為により、よりによって「国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関」である国会が、司法により憲法違反状態であると判断された状態を自ら放置することは、あってはなりません。

 法律を作成する立法府である国会が、「すべて国民は法の下に平等」とした憲法第14条に反する現状を自らのエゴで容認する。 

 国民の不利益より党利党略が優先されたということです。

 民主党だけではない、選挙制度の抜本改革との同時実施を中小政党の多くは求めていますが、目の前の格差是正を実現できないようではただの「政党エゴ」であり、「1人別枠」廃止と同時に区割り審の勧告期限を延長する法的な措置を講じ、見直し作業を早急に再開するようなぜ求めないのか。

 立法府憲法を守ることを放棄して国を治めることなどできません。

 国民の不利益を放置するこの国会の「不作為」を許すわけにはいきません。



(木走まさみず)