参院選:2大政党制のもとで定員2名の選挙区の存在価値はあるのか?
今回の選挙「カギを握る1人区」などと言われていまして、改選数奇数区の選挙区はどこも激戦が予想されているようで地元も熱く盛り上がっているようであります。
●選挙区選挙は奇数区決戦〜朝日新聞記事
12日付けの朝日新聞記事から。
選挙区選挙は奇数区決戦
2007年07月12日選挙区選挙は、勝敗がはっきりする改選数1、3、5の「奇数区」の帰趨(きすう)が注目される。2人区だった栃木、群馬の改選数が今回から減ったことで、1人区は過去最多の29選挙区で争われる。一方、前回は2人区だった千葉を加えて3人区は5選挙区に増えた。前回まで唯一の4人区だった東京が5人区となったこととあわせ、「奇数区」の比重が高まった
http://www2.asahi.com/senkyo2007/chart/070712a.html
なるほど、今回の参議院選挙の選挙区選挙は勝敗がはっきりする改選数1、3、5の「奇数区」の帰趨(きすう)がカギを握るのですね。
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しかし改選数4の東京が今回5に増えたために偶数区は唯一改選数2の2人区だけでありまして、この全国12道府県(北海道、宮城、福島、新潟、茨城、長野、岐阜、静岡、京都、兵庫、広島、福岡)の選挙区情勢はどうなのでしょうか。
●べた凪(なぎ)完全無風の2人区〜12選挙区全てで候補一人に絞った与党の戦略で選択の権利を失った3200万有権者
12道府県2人区の候補者を表にまとめてみました。
道府県 (有権者数) 定員 与党系候補 民主系候補 その他候補 北海道 (469万) 2 自(公推薦) 民 無(民推薦) 共 社 無所2 諸派 宮城 (192万) 2 自(公推薦) 民 共 社 福島 (169万) 2 自(公推薦) 民 共 社 新潟 (199万) 2 自(公推薦) 民 民(国推薦) 共 社 無所 茨城 (241万) 2 自 民 共 国 無所 諸派 長野 (177万) 2 自(公推薦) 民 共 社 岐阜 (169万) 2 無(自公推薦) 民 共 静岡 (306万) 2 自(公推薦) 民 共 無所2 京都 (210万) 2 自 民 共 諸派 兵庫 (451万) 2 自(公推薦) 民 共 無所 諸派 広島 (232万) 2 自(公推薦) 民(国推薦) 共 無所3 福岡 (412万) 2 自(公推薦) 民 共 社 諸派2 計 (3227万) 24人 12人 14人 35人
与党側は手堅く2人区全ての選挙区で候補者を1人に絞りました。
公明党候補者は0、公明は全て自民系候補の推薦に回り、自民も複数候補擁立は全ての2人区で見送りました。
一方の民主党は、北海道、新潟で2人擁立して勝負を掛けていますが他の10選挙区ではやはり候補を1人に絞っています。
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●3200万有権者のためにも2人区は廃止せよ!〜2大政党制のもとで定員2名の選挙区の存在価値は全くない
結果として、北海道、新潟を除いては、べた凪(なぎ)完全無風の2人区となってしまっているのであります。
いうまでもなく12選挙区全てで候補一人に絞った与党の戦略がこのような、有権者の選択の権利を失うような白けた選挙区を乱造してしまったのであります。
これら12選挙区3200万有権者は不幸なのであります。
もし有権者が与党支持者だとしても、これら2人区では与党候補者は各選挙区で1人しかいないわけで、選択のしようがありません、つまり結果としてその人が与党候補に投票してもしなくても非与党系候補が1人は当選してしまうことでしょう。
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それにしてもこの2人区の「惨状」はひどいのであります。
なぜマスメディアはこの問題をもっと追及しないのでしょうか?
ここまで2大政党制が定着しつつある現在、定員2名の選挙区は、はたして存在価値があるのでしょうか。
今のままでは、自民1、民主1の安全地帯に成り下がってしまっています。
2大政党制のもとで定員2名の選挙区の存在価値は全くありません。
有権者の多い県は3人区にするか、それが難しいなら県を2分割して1人区2つにしたほうがまだ有権者の声を反映できると思うのであります。
べた凪(なぎ)選挙区と化した2人区、3200万有権者のためにも、2人区は廃止すべきではないでしょうか。
(木走まさみず)