内容が嘘であっても関係ない無責任な娯楽番組の中の人たち〜「地獄に落ちない」ために、細木数子氏と江原啓之氏はしっかりリテラシーしようの巻
当ブログでも取り上げてきた「あるある」捏造報道疑惑問題でありますが、もうすっかり「疑惑」の文字は取れてしまっていて、メディア各社の後追い報道を目にしてると、納豆だけでなく、レタスや小豆など次から次と出るわ出るわ、パンドラの箱が開いちゃった感じでありまして、まあ日本のTV番組の下劣で悪質な捏造体質なるものが国民に広く認知されたことは、開設以来日本の既存メディア批判をしつこく展開してきた当ブログとしては「雨降って地固まる」「ひょうたんからこま」「災い転じて福となす」「棚から牡丹餅」(←だんだん比喩がおかしくなってないか?(苦笑))、とにかくも結果としてよかったのではないかと思っております。
こうなると他の局、他の番組はどうなのよ、と当然ですが国民の疑惑の眼差しは「あるある」以外の他の番組に向いてしまうのであります。
ちゃんと真実を伝えているのか、番組の内容を事前に正しく検証した上で放送しているのか、といった素朴な疑問が、普段何気なく見ていたあの番組にもこの番組にも沸いてきちゃうわけであります(苦笑
不肖・木走は他の番組の検証の実態を正しく情報を押さえているわけではありませんが、ほとんどの番組制作が外注されていて二次受け・孫受け当たり前の世界だそうですから、察して知るべしでありましょう。
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冷静に考えれば「あるある」も括りとしては、真実を伝えるべき報道番組ではなく、視聴率が稼げれば少々内容が嘘であっても関係ない無責任な娯楽番組であると言えるわけで、視聴者側も一娯楽番組と徹してその内容も「TVショー」として楽しむ・愛でる姿勢で「娯楽」として「味わう」姿勢が肝要なのでありましょう。
姑息な製作サイドが「さも真実のように」外国のエライ博士にインチキ発言させていたり出鱈目グラフを捏造するのが犯罪的なのであり、その手口は糾弾されるべきでしょうが、視聴者側も内容が真実かどうかなどTVの娯楽番組には、はなから求めてはいけないのでしょう。
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今日は日本の低俗なTV番組作りと一部視聴者のリテラシー能力について考察したいと思います。
最近TVで話題のお二人、細木数子氏と江原啓之氏に関して取り上げたいと思います。
●ケース1:細木数子氏の場合〜彼女の発言をすべて信じてしまう人は、きっと「地獄に落ちるわよ」(苦笑)
「地獄に落ちるわよ」と歯に衣着せぬ毒舌ですっかり人気者になった細木数子氏でありますが、視聴率の取れる「占い師」としても年末年始の特番でも引っ張りだこであります。
彼女に対する批判はその生い立ちや暴力団との浅からぬ関係など週刊誌などでも散々取り上げられていますが、これだけの批判をものともせず、堂々TVで活躍するとは、これはひとつの才能でありましょう、あ、商才としてですが(苦笑
私は全く興味がありませんが細木数子氏の占いは「六星占術」という術でもって行われるのだそうです。
六星占術では、生まれもった運命を土星、金星、火星、天王星、木星、水星の6つの星に分けて占います。
これは生年月日によって決定され、自分の力で変えることのできない【運命星】なのです。
①運命数を出す
運命数は、生まれ年と生まれ月から導き出します。まず、【運命数表】を見てください。
たとえば、昭和47年11月13日生まれの木村拓哉を例にとると、運命数は「33」となります。②星数を出す
運命星を知るには星数を出さなくてはなりません。 ①で出た運命数から1を引き、生まれ日を足した数が星数になります。木村拓哉さんの場合は33−1+13=45となり、星数は45です。③星数から運命星を知る
自分の星数を下の表にあてはめれば、自分の運命星がわかります。 ただし、星数が61以上の人の場合は、そこからさらに60を引きます。たとえば、78−60=18。星数は18となり、金星人になります。
木村拓哉さんは木星人になります。
<星数> <運命星> <星数> <運命星> 1〜10 土星人 31〜40 天王星人 11〜20 金星人 41〜50 木星人 21〜30 火星人 51〜60 水星人 ■ 細木数子の六星占術で幸せをつかもう より抜粋
http://abc.kirara.st/abc/unmeisei.html
ふむふむ「六星占術」とは占星術の一種なのですね、西洋の占星術の影響を強く受けているのでありましょう、どうりでキリスト暦の生年月日により運命星を決定しているわけであります。
うーん、なんで海王星人や冥王星人がないのよ、とか、太陰暦だった明治以前はどうよ、とか、重力場として地球に圧倒的な影響を与える「太陽」(恒星)と「月」(衛星)は無視して、なんで遥かに存在の小さい惑星だけが運命を支配できるのよとか、野暮な質問はしてはいけません。
で、説明の続き。
④運命星が陽(+)か、陰(−)かを知る
下の表から、自分の生まれ年の干支にもとづいて運命星が陽(+)であるか、陰(−)であるかを出します。木村拓哉さんは昭和47年(子年)生まれですから、陽(+)の木星人となります。以上のようにして自分の運命星を割り出してください。
うーむ、上記西洋式生年月日から何星人かを割り出したら、今度は東洋の叡智である干支と陰陽道の考えをドッキングして、干支にもとづいて運命星が陽(+)であるか、陰(−)であるかを出しますです。
うーん、占星術になんで急に干支が関係してくるのか、とか、どうして最後まで例が木村拓哉なのか(爆)、とか愚問をしてはいけませんゾ。
トップページで生年月日を入力すれば無料で占いしてもらえますから、興味のある方はどうぞ。
■ 細木数子の六星占術で幸せをつかもう
http://abc.kirara.st/abc/
うーん、私の場合、水星人の+と出ましたな。
結婚・家庭[家庭に恵まれぬ孤独者]
水星人に与えられているのは、そもそも「孤独な世界」なのです。このことは、幸せとが不幸という次元の問題ではなく、そういう運気のもとにうまれたのだ、ということなのです。
ですから孤独とは正反対の「安息の世界」である家庭に安らぎを求めようとしても、本質的には、それは水星人にはかなわぬ望みなのです。水星人には孤独な人が多いし、ことに晩年は、淋しい人生を送ることになりがちです。しかし、孤独な世界に生きてこそ、成功する可能性も非常に高いということです。
そうですか、水星人に与えられているのは、そもそも「孤独な世界」ですか、「ことに晩年は、淋しい人生を送ることになりがちです」か・・・
ほっといて頂戴(爆)
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アホか。
まあ所詮占いですから「当たるも八卦、当たらぬも八卦」でありましょう、血液占い、手相、古来よりいろいろな占いが洋の東西を問わずあったわけでして、いちいち科学的検証を求めるというのは野暮なことでございましょう。
私のように一切を否定するもよし、良いところだけ信じて生活の糧とするもよし、信じることによって精神的に癒される人がいても何を批判できましょう。
信じるも信じないもそれぞれの人の勝手でございます。
ただここで大切なことは彼女の娯楽番組での彼女の占いや発言は、楽しんで味わう「TVショー」の演出のひとつではあっても、間違っても科学的に検証された「真実」であるとか勘違いしてはいけないのであります。
彼女の占いが外れたからといって彼女は責任はとってはくれないでしょう。
その点で、彼女の発言を無自覚にすべて信じてしまう人は、リテラシー能力の点で気を付けないと「地獄に落ちるわよ」なのでございます(苦笑
●ケース2:江原啓之氏の場合〜彼の発言をすべて信じてしまう人は、きっと「霊のレベルが低い」(苦笑
TV「オーラの泉」で最近めきめき頭角をあらわしてきたのが、スピリチュアルカウンセラー、コメンテーター、作家、声楽家(バリトン歌手)で元神職の江原啓之氏であります。
著書の累計出版部数は700万部を超えており、ベストセラー作家としても世に知られている江原啓之氏でありますが、相談の際に「必要以上に相談者及び他人の非難や中傷をせずに生き方を説く」ことでも知られそのメッセージは多くの支持を得ているのだそうです。
「オーラの泉」において、霊視で部屋の中を言い当ててゲストを驚かせるのは番組を盛り上げるデモンストレーションでありまして有名な話ではあります。
また美輪氏と共にその人生の転機を説いて、人生の転換を助けるなど数多くのカウンセリング実績を残している点も評価できるのでありましょう。
まあただし、自身の解説する心霊世界を信じない、異論を唱えたりする人間に対しては、「魂のレベルが低い」と批判するオチャメな面も持ち合わせているようでありますが(苦笑
公式サイトはこちら。
で、どうでもいいですが、なんか最近ネット上で江原啓之の「なりすまし」が出現しているようであります。
◆一部インターネット上で、江原啓之になりすまして発言を行っている人がいる旨の連絡をいただいております。江原啓之のインターネット上(PC)での活動は、本サイトの(1)江原啓之公式サイト(2)江原啓之サポーターズクラブの2つだけです。この2つ以外は江原とは一切関係がありません。お間違いのないよう御注意申し上げます。なお、江原啓之には現在弟子などはおりません。
うーん、良い子のみんなはそういう愚かな振る舞いはしては駄目ですよ(苦笑
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さて人気者とはつらいものでありますが、メディアでも江原啓之氏に対する批判記事が週刊文春(1月25日号)に掲載されていました。
週刊文春にて7つの疑問が掲載されたのであります。
① ホスピス建設のために貯金のはずが豪邸暮らし。
② 太っているのは霊能力体質だから。
③ 全てが視えるなら、なぜ捜査協力しないのか。
④ 一般人は門前払いで有名人ばかり霊視する
⑤ 前世や守護霊はどうして中世の賢者や貴族ばかりなのか
⑥ 神道とキリスト教を都合良く利用する神のごった煮
⑦ 心霊を信じない人は、霊のレベルが低い
詳細は週刊文春をお読みいただくとして、まったくこの記事は野暮だなあ、不肖・木走が江原啓之氏に成り代わり徹底的に質問すべてに反論いたしましょう。
この記事を書いた週刊文春記者は何か勘違いをされてはいませんでしょうか?
江原啓之氏はショービジネスとしてTVに出演しているのであって、何か崇高な目的を持っているなどと勘違いされては迷惑なのであります。
① ホスピス建設のために貯金のはずが豪邸暮らし。
昨年の推定年収が一億二千万ですがそれがなにか?
ビジネスで成功して豪邸暮らししてどこが悪いのですか?
② 太っているのは霊能力体質だから。
「当社(文藝春秋社)にいるデブがなぜ霊媒体質でないのか」って、愚問、愚問(爆
③ 全てが視えるなら、なぜ捜査協力しないのか。
江原氏の言い分「それぞれ、病院でも内科、外科があるように得意分野がある」を面白おかしく取り上げていますが、失礼でしょう。
それにもし警察に協力して霊視が外れてしまったらどう保障してくれるのですか?(爆
万が一霊視に失敗したらそれ以降のショービジネスに支障をきたすのがなぜわからないのですか。
優秀なビジネスマンはリスクを回避するものです。
④ 一般人は門前払いで有名人ばかり霊視する
当たり前でしょ、どうして金にも宣伝にもならない一般人を霊視しなければならないんですか。
いいですか、これは仕事ですよ、世の中のための奉仕活動じゃないんだ(爆
⑤ 前世や守護霊はどうして中世の賢者や貴族ばかりなのか
愚問です。彼が霊視する有名人は前世も有名人だっただけです(エッヘン
そんなこといったら細木先生の「六星占術」だって西洋の占星術と東洋の干支のごった煮ですが、何か問題でも?(苦笑
⑦ 心霊を信じない人は、霊のレベルが低い
当然です、そんな人は「魂」のレベルも低いのです(キッパリ
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以上、不肖・木走が江原啓之氏に「なりすまし」て、週刊文春に徹底的に反論してみました。
(↑一部ぜんぜん反論になっていないがいいのか(苦笑))
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「ネットつれづれ日記さん」から
江原啓之にもあるある疑惑!?霊視コーナー出演者が驚きの暴露
データ捏造で打ち切りになった「発掘!あるある大辞典Ⅱ」(フジテレビ系)と同じく、日本テレワークが製作しているフジの午前中の人気番組「こたえてちょーだい!」に02年6月18日、生出演したAさんが、江原啓之氏(42)の霊視のコーナーの実態を暴露した。
今日発売の日刊ゲンダイが報じたもので、Aさんは当時江原啓之が担当していた「スピリチュアル開運術!」のコーナーに夫婦で出演。
夫の失業、子供の病気やケガ、Aさん自身の精神的疲労など、
度重なる不幸から脱出する処方箋を求めて番組に出演を決めたという。「こたえて―」の別のコーナーに手紙を出したら“江原さんのコーナーに
出演しませんか?”というオファーが日本テレワークからあったという江原の著書も持っていて大ファンだったというAさんはこれを受けて出演。
ところが、Aさんはいざ番組に出演して愕然とする。
江原氏が即興で霊視してくれるとばかり思っていたら、
「事前に詳しいプロフィルの提出も求められ、自宅には
日本テレワークの方から30分以上も電話リサーチがありました」。
その上、「控室にスタッフから“ご主人か奥さまかどちらかで結構なんですが、
昔、頭を打ったことありませんか?”なんて電話も。
夫が“5歳くらいの時に階段から転げた”というエピソードを披露したら、
江原さんは本番で、さも今、霊視で見えたかのように
“ご主人、頭を打ったことありませんか”って真顔で言うんです。呆れました」。(後略)
江原啓之にもあるある疑惑!?霊視コーナー出演者が驚きの暴露 より
http://turenet.blog91.fc2.com/blog-entry-38.html
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まあ所詮「TVショー」なのですから、江原啓之氏の「霊視」なんて「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という点では、細木数子氏の占いに五十歩百歩でありましょう、いちいち科学的検証を求めるというのは野暮なことでございましょう。
私のように一切を否定するもよし、良いところだけ信じて生活の糧とするもよし、信じることによって精神的に癒される人がいても何を批判できましょう。
信じるも信じないもそれぞれの人の勝手でございます。
ただここで大切なことは彼の娯楽番組での彼の霊視や発言は、楽しんで味わう「TVショー」の演出のひとつではあっても、間違っても科学的に検証された「真実」であるとか勘違いしてはいけないのであります。
彼の霊視が外れたからといって彼は責任はとってはくれないでしょう。
その点で、彼の発言を無自覚にすべて信じてしまう人は、リテラシー能力の点で気を付けないと「霊のレベルが低い」と言われてしまうのでございます(苦笑
●「地獄に落ちない」ために、細木数子氏と江原啓之氏はしっかりリテラシーしようの巻
細木数子氏にしろ江原啓之氏にしろ、その卓越した話術は天才的なものであり、ぐいぐいと聴衆を引き込む極めて高いコミュニケーションスキルを有していましょう。
両氏ともこれだけメディアで批判されながらも国民の注目を浴び話題となっていること自体が彼女達の類まれな「才能」の証明なのであり、「TVショー」ビジネスにおける成功者である彼女らがどんなに良い服を着て豪邸に住み贅沢な暮らしをしようが、それはビジネス成功者としての当然の報酬であると割り切るべきで、その事実でもって批判するのは間違いでありましょう。
細木数子氏名付け親のお笑い芸人オサル改め「モンチッチモンキッキー」がいまひとつ売れなくても、江原啓之氏の霊視ネタが放送事前にスタッフによりリサーチしていただけだったとしても、そんなことは小さいことです。
これらはビジネスなのであり、彼女達に何か崇高な目的を求めること自体が間違いだからです。
細木数子氏の「占い」も江原啓之氏の「霊視」も「TVショー」の中のショーアップが施された「娯楽」と考えたほうがよいのでしょう。
マジシャンであるミスターマリック氏が自身の手品を「超魔術」と称していますが、誰も彼の手品が本当に超自然現象である「魔術」であるなどとは信じてはいけないのと同類の話です。
細木数子氏にしろ江原啓之氏にしろ、彼らの占いや霊視の社会的信用が限りなくゼロに近いことは、TVのCMなど大手広告ビジネス市場での両氏の極めて低い評価を見れば一目瞭然でしょう。
消費者のイメージを最重要視するTVのCMなどでは、起用する芸能人の好感度によって商品の売れ行きに直結しますから、下手な人物を採用するわけにはいかないのであります。
消費者の信用を損なう恐れがあるからこそ、心ある広告主は細木数子氏や江原啓之氏を自社商品のCMに採用することは決してできないのでしょう。
例えば保険会社のこんなCMはどうでしょう。
「XXX傷害保険はどなたでも入れる生涯保障・入院費保障でなんと月々わずかXXXX円です」
商品説明の後、細木氏が登場、カメラに向かって例の調子で指をさしながら決めセリフ。
「XXX傷害保険に入らなかったら、あなた、地獄に落ちるわよ」
あるいは製薬会社のこんなCMはどうでしょう。
「○○○製薬の風邪薬は、一日2回、一回飲めば12時間持続します、風邪の諸症状の緩和に効果的です」
商品説明の後、江原氏が登場、カメラに向かって例の調子でにこやかに決めセリフ。
「○○○製薬の風邪薬は、霊のレベルを高めます」
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こんなCMがあったらあなただったらその商品を購入しますか?
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TVの内容を鵜呑みにするのは危険なのであります。
嘘と本当が混在するTV番組を楽しむには、なによりも視聴者側がしっかりそれを見分ける力、メディアをリテラシーする力を持たなければならない、そういうことなのだと思います。
しっかりリテラシーしないと「地獄に落ちる」かもなのです。
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以上「地獄に落ちない」ために、細木数子氏と江原啓之氏はしっかりリテラシーしようの巻でした。
好き勝手に書いてきましたのは、細木数子氏の「占い」も江原啓之氏の「霊視」もまったく信用していない不肖・木走でございました。
もし両氏がこの批判エントリーを読めば、「間違いなく木走の霊のレベルは最低」、「木走だけは絶対に地獄に落ちるわよ」と言われることかも知れませんがね。
内容が嘘であっても関係ない無責任な娯楽番組の中の人たちに何を言われても、上等でございますヨ(笑)。
ジャンジャン。
(木走まさみず)