木走日記

場末の時事評論

トンチンカンな筑紫哲也氏の「多事争論」〜それにしてもこんな町内だったら即刻引っ越しだっての(爆

 今回の与太話は昨日(13日)のTV報道からです。

 TBS・毎日系列の「ニュース23」を見ていたら、メインキャスター筑紫哲也の名物コラム風コーナー多事争論が興味深かったです。

 今回の北朝鮮ミサイル騒動を取り上げて、北朝鮮を近所迷惑な家に例えて諷刺する内容でした。

 別に録画したわけでもないので一言一句を覚えているわけではないのですが、話の内容はこんな感じ。

 ふだんから騒音を立てたり何かと近所迷惑なわがままな家があった。

 周りからの苦情にも耳をかさず、ついには行動がエスカレートして家の中のモノを外にポイポイ捨てる振る舞いまでするしまつ。

 これはいかんとご近所の住人達も立ち上がりその家の傍若無人の振る舞いを正そうと相談することにした。

 ところが話し合いの中で、そのわがままな家を一番批判している隣家の評判がよろしくない。

 その隣家のふだんからの振る舞いが影響していて、普段の近所付き合いが悪いから人望がないためだ。

 国際外交もご近所付き合いも普段の行いが大事だってこと。

 てな感じでした。

 うーん、北朝鮮をご近所迷惑なわがままな家に比喩したのはとてもおもしろいですね、不肖・木走としては先日逮捕された中野の悪臭トラブル男を思い出しましたですよ(苦笑

悪臭トラブル男逮捕
都条例違反容疑 中野

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20060711/lcl_____tko_____002.shtml

 しかしなあ、この諷刺話ですが筑紫哲也氏らしいなあと苦笑いしちゃったのは、諷刺のポイントは近所迷惑な家(=北朝鮮)ではなくて、そのわがままな家を一番批判している隣家(=日本)なんですよね。

 普段の近所付き合いが悪いから人望がないんだという決め付けは、おそらく靖国参拝問題などを端緒とした冷え切ってしまっている日本の対中国・韓国外交を指しているのであり、これは小泉東アジア外交に対する痛烈な諷刺となっているのであります。

 おそらく、今回の日本の国連決議案が中国・ロシアの反対に遭い採決の見通しが怪しくなってきたことを、靖国参拝問題と絡めて近隣諸国に冷淡な小泉外交のツケが回ってきたのだという批判なんでしょうか。

 ・・・

 ふう。

 どうなんでしょう、少しばかり強引だなあと思っちゃうのは、ここ数日の国連外交における日本の苦戦(?)ぶりを短絡的に過去の小泉外交のせいだけに決め付けてるところですね。

 外交に駆け引きは付き物であり、中国もロシアもある意味ではアメリカだって最終的には自国に有利になるように策動しているわけです。

 常任理事国でもない日本が珍しくも強い意志を示してアメリカの支持のもとに特定国の制裁決議案を提出したわけでありまして、拒否権を有する中国・ロシアを相手によく健闘してるという見方もあります。

 靖国参拝凍結派を自認している不肖・木走ではありますが、ちょっと昨日のこの筑紫哲也氏の「多事争論」の内容には違和感を持ちましたです。

 公道に誰にも通知せずモノをポイポイ捨ててる傍若無人なわがままな家こそまず批判されるべきでしょう。

 ちょっとトンチンカンな筑紫哲也氏の「多事争論」なのであります。

 ・・・

 ・・・

 しかしなあこの喩えはおもしろいことはおもしろいのでありまして、この町内会の顔ぶれはそうそうたる連中ですよね。

 さんざん町内のルールを破っておいて「そんなに俺に冷たくするんだったらもっとすごいことするからな」と逆切れしまくっているどうしようもないご近所迷惑な家の主(あるじ)のジョンイルちゃん。

 俺がルールブックだと言わんばかりにえばっていて、近所のトラブルにはどこでも顔を突っ込む喧嘩っ早いがオツムに問題のある大工のブッちゃん。

 したり顔で「無断で近所にモノを投げるのには失望した」などといいつつ、実は陰でこの家にモノを売りつけている信用おけない魚屋のプーさん。

 「あまりきつい制裁をすべきではない」と問題の家を説得しつつも、その実その家が崩壊するのは望んでいないのでモノを少し投げるぐらいは本音としてはどうでもいいと思っているラーメン屋のコキンちゃん。

 そして「モノを投げるのも悪いが、お前のとこが毎日神棚拝んでるのがもっと悪い」と人の家の中のことまで神経質に気にしていつも怒ってばかりいる焼き肉屋のノムちゃん。

 ・・・

 いやはやすごい連中だ。

 私だったら即刻引っ越しします(爆笑)

 ・・・

 実際、上記中野の事件では、服役後の悪臭男が再度同じコトをするのではないのかと近所の人が心配していたところ、犯人の親族が「この土地は処分して本人を二度とこの場所には近づけさせない」と、賢明な判断をされたようですが。

 ・・・

 うーん、この例え話はおもしろかったですが、現実問題のほうが悲劇なのは、どの国も引っ越ししたくてもできないってところですよね、実際の話(苦笑

 ジャンジャン。



(木走まさみず)