木走日記

場末の時事評論

「スポーツ朝鮮」記事より説得力がない「朝日新聞」社説〜国旗・国歌論争

kibashiri2006-03-17




●ピッチャーマウンドにまで、太極旗立てちゃって、少しはしゃぎすぎでしょ

 いやあ悔しいですねえ。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本が韓国に2対1で惜敗してしまいました。

 イチロー選手が「野球人性で最も屈辱的な日」といったそうですが、気持ちはわかりますが、まあスポーツの試合ですし、ここは日本選手の健闘を讃えようじゃありませんか。

 よく選手達は頑張りましたよ、ご苦労様でした。
 (↑もはやあきらめモードの木走コメント)

<追記>日本が準決勝進出だそうです。いやよかったです。

 ・・・

 しかしなあ、お隣の韓国では憎き日本をふたたび打倒したことで狂瀾・歓喜な興奮状態のようでして、私の愛読しているスポーツ朝鮮(朝鮮日報系)もそりゃあもう大騒ぎなんであります。

 こんな写真特集まで組んじゃっています。

【フォト】米国の地に太極旗を
朝鮮日報
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/03/16/20060316000064.html

 なんだよ、嬉しいからって神聖なグラウンドのしかもピッチャーマウンドにまで、太極旗(テグッキ、韓国の国旗の名称)立てちゃって、少しはしゃぎすぎでしょ(苦笑

 しかもこの写真をよくみりゃ立てた太極旗のそばに小さな太極旗が倒れて置いてあったりしてるんですけど(苦笑

 ・・・

 ふう。

 ああ、正直、太極旗じゃなくて日の丸のウィニングランが見たかったなあ。

 もっとも、日本選手は韓国ごときに勝ったからといって、ウィニングランなどしないでしょう、と負け惜しみを言って、本件は忘れることにしましょうネ(爆



●国旗・国歌 ここまでやらずとも〜朝日社説

 一昨日(15日)の朝日社説から・・・

国旗・国歌 ここまでやらずとも

 桜のつぼみがふくらむこの時期は、卒業式の季節だ。先生や親に感謝し、新しい出発に胸をふくらませる。それぞれに思い出があるだろう。

 ところが、東京の都立学校ではここ数年、ぎすぎすした息苦しい卒業式が続いている。国旗と国歌をめぐって大勢の教職員が処分されてきたからだ。

 私たちは社説で、処分してまで国旗や国歌を強制するのは行き過ぎだ、と繰り返し指摘してきた。しかし、東京都教育委員会の姿勢は強硬になるばかりだ。

 先週末、都立の定時制高校の卒業式で、十数人の卒業生の大半が国歌斉唱で起立しなかった。これを受けて、都教委は都立学校の校長に新たな通達を出した。生徒への「適正な指導」を教職員に徹底するよう求める内容だ。

 生徒を1人残らず国旗に向かって立たせ、国歌を斉唱させる。かみくだいて言えば、それが指導の中身だろう。

 見逃せないのは、今回の指示が職務命令にあたる「通達」であることだ。都教委は2年前にも同じような指示をしているが、その時は「通知」だった。いわば、これまでの「指導してください」が「指導せよ」に変わったわけだ。

 通達を受けた校長は教職員の一人ひとりに職務命令書を出さねばならない。起立しない生徒がいれば、先生が責任を問われ、処分されかねない。

 自分が歌わなければ先生が処分される。そう思った生徒は起立する。それが都教委の狙いだろう。

 先生自身は03年に都教委によって起立や斉唱を義務づけられている。それに抵抗した約300人が処分された。

 都教委にとって、残るは生徒だけだ。しかし、ちょっと待ってもらいたい。

 6年前の国旗・国歌法の国会審議で、政府は「児童や生徒の内心に立ち入って強制するものではない」と繰り返した。

 「起立しない子どもがいたら、どう考えるか」と問われ、当時の文相はこう答弁した。「ほかの人に迷惑をかけない格好で、自分の気持ちで歌わないということはあり得る。他人を無理やり歌わせないとか、無理やり座らせるとか、こういうことはぴしっと指導すべきだ」

 定時制高校の卒業生たちは、他の生徒の起立や斉唱を妨げたわけではあるまい。それでも新たな通達を出した都教委は、生徒の内心の自由などをはなから考えていないとしか思えない。

 昨年、ある都立高校の卒業式で、生徒たちが「これ以上、先生たちをいじめないでほしい」と発言した。その高校では今年、保護者が要望した2階からのビデオ撮影を代表1人に限り、録画テープを学校に預けさせた。学校は「外部へ流出する恐れがある」と説明した。

 学校は何を恐れているのだろうか。保護者がわが子の記録も自由に撮れないとは、なんとも異常なことだ。

 卒業式は最後の授業である。主役は生徒と先生だ。教育委員会の過剰な介入で、大切な思い出を汚してはならない。

【社説】2006年03月15日(水曜日)付 朝日新聞
http://www.asahi.com/paper/editorial20060315.html

 うーん、国旗・国歌論争は、不肖・木走的にはどうでもいいというか、余り関心はないんですが、日本も負け韓国国旗ばかりさんざん見せられたので(苦笑)、ここは少し朝日新聞の社説について考えてみましょう。

 まず、記事の結語「卒業式は最後の授業である。主役は生徒と先生だ。教育委員会の過剰な介入で、大切な思い出を汚してはならない。」は、とっても違和感がありますねえ、卒業式の主役は言うまでもなく生徒でしょ。

 なんで教師も主役なんだ? 脇役ならわかるけど。

 だって、当の朝日新聞社説自体、1年前は生徒が主役って言ってたじゃないですか。

国旗・国歌 卒業式を生徒に返そう
2005年4月1日 朝日新聞社
http://www7.plala.or.jp/machikun/shasetukun12.htm

 突然、主役に教師はまぜないでほしいなあ(笑

 それはさておき、今回の朝日社説は「生徒を1人残らず国旗に向かって立たせ、国歌を斉唱させる。かみくだいて言えば、それが指導の中身だろう。」と批判してますが、これってそんなにいけないことなんでしょうか。

 反対派は思想・信条の自由に反するとか理屈付けしているようですが、難しい理屈はさておき、国旗・国歌に敬意を示すことは「しつけ」として当たり前なんじゃないかと思うのですがどうなんでしょう。

 日の丸・君が代には軍国主義で血塗られた過去があるから、とか言われそうですが、不肖・木走の個人的経験で言わせてもらえば、卒業式に君が代も歌わされてきましたし、日の丸の掲揚も起立してましたが、何も考えていなかったし、それを別に軍国主義的とも感じなかったですけど・・・

 まあ私の場合本当に何も考えていなかったオバカな学生ではありましたが(汗

 ていうか、朝日新聞は、日の丸で文句言う前に、あの旧日本海軍旭日旗をモデルとしたとされている社旗、あいつのほうがよっぽど軍国的なんでどうにかしたほうがよろしいと思うんですが(苦笑

 ・・・

 自国の国旗・国歌に敬意を示すことは「しつけ」として当たり前と思うんですが、これからの国際社会に置いて、自国の国旗・国歌に敬意を示せない人が、はたして他国の国旗・国歌に敬意をもてるのでしょうか。

 理屈ではなくこれはマナーの問題だと思うのですが、違うのでしょうか。



●韓国代表の「君が代」に対する礼儀を知らない態度を批判するスポーツ朝鮮

 2月27日の「スポーツ朝鮮」の興味深い記事から・・・

WBC】韓国代表と「君が代

 勝利に向けた情熱は立派だ。健全なライバル意識も大いにけっこう。しかし大らかになる必要がある。

 WBC韓国代表チームの選手たちは25日、ロッテとの練習試合が終わった後、休憩時間に自発的にヤフードームを訪れた。イ・スンヨプ(巨人)、崔熙燮(チェ・ヒソプ/LAジャース)、李炳圭イ・ビョンギュ)、チョ・インソン(以上LG)、金泰均キム・テギュン)、イ・ボムホ(以上韓火)の6人がせっかくの休憩時間も惜しんで日本代表チーム対日本プロ選抜チームの壮行試合を観戦した。

 試合前、日本の国歌が場内に響きわたった時だった。崔熙燮が居心地悪そうに立ち上がりスタンドの通路に向かった。他の選手たちも座ったままグラウンドに空ろな視線を送っていた。

 この日、スタンドの日本人客は韓国選手たちの行動を見てどう考えたろうか。少なくとも「韓国はやっぱり日本の敵だ」とは思わなかっただろう。多分「礼儀を知らない人たちだな」くらいだったのではないだろうか。日本の選手が韓国の蚕室スタジアムで同じ行動をしたら、韓国の観衆もまったく同じように思ったはずだ。

 国家代表としての責任感と日本戦を控えている覚悟が心の余裕をなくしたようだ。そのうえ韓国が日本の植民地統治に反対した独立運動記念日(3/1)も目前に迫った微妙な時期だから「君が代」が響く状況でのすっきりしない態度も理解できる。しかし日本の国歌演奏に韓国選手たちだけが座っていたということは、多少偏狭な印象を与えるに十分だった。

福岡=キム・テヨプ特派員

2006/02/27 12:05 『スポーツ朝鮮』
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/02/27/20060227000024.html

 興味深い記事ですねえ。

 「日本の国歌演奏に韓国選手たちだけが座っていたということは、多少偏狭な印象を与えるに十分だった。 」と記事は結ばれていますが、この記事はとても素晴らしいと思いました。

 記事にも有るとおり、この件はどうということのない些細な話であり、おそらく、スタンドの日本人客も「「韓国はやっぱり日本の敵だ」とは思わなかっただろう。多分「礼儀を知らない人たちだな」くらいだった」のでしょう。

 でもこの記事は、こういう態度は「多少偏狭な印象を与えるに十分だった」と指摘し、礼儀は礼儀として振る舞うべきだと批判してるわけです。

 歴史的に日の丸・君が代に拒否感の強い韓国メディアでも、このように「マナー」は「マナー」と冷静に考えている報道もあるわけなんですね。
 ・・・

 どうなんでしょう。

 国旗・国歌に敬意を表するという「しつけ」は、理屈や理論ではなく、マナーとして素直に考えるべきだと、このスポーツ朝鮮の記事は教えてくれているのではないでしょうか。

 私には朝日社説はスポーツ朝鮮の記事よりも説得力がなく感じられるのですが、読者のみなさんは、いかがお考えでしょうか。


(木走まさみず)



<木走よりお知らせ>
一昨日(15日)のエントリー

■[社会]「地域エゴ」VS「国家エゴ」〜岩国市住民投票に関する一考察
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060315

を元に、本日久しぶりにインターネット新聞JANJANに記事が掲載されました。
(今年になってお初だったりして(汗))

JANJAN記事はこちらです。

岩国住民投票は地域エゴVS国家エゴ
http://www.janjan.jp/government/0603/0603160904/1.php

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