木走日記

場末の時事評論

当事国の日本以上に怒っているスポーツ朝鮮のステキな記事〜WBC日米戦疑惑判定

kibashiri2006-03-13


 今日は連続エントリーです。

 今朝(13日)のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、日本はアメリカにサヨナラ負けだったようですね。

 いやー、実に残念であります。

 ところでロッテのボビー・バレンタイン監督がずいぶんお怒りのようであります。



●最高の選手が試合をしたにもかかわらず、審判が試合を決めた〜怒るボビー

 日刊スポーツ速報記事から・・・

【WBC】ボビーも憤慨「ひどい判定」

 WBC2次リーグ1組、米国−日本戦をテレビ観戦したロッテのバレンタイン監督は「最高の選手が試合をしたにもかかわらず、審判が試合を決めた」と憤慨していた。

 西岡の離塁で判定が覆ったことに「ひどい判定だ」。さらに清水がつばを球につけすぎと反則投球とされたことには「彼(デービットソン球審)はボーク・ボブ・デービットソンとあだ名があるぐらい、ボークに神経質だ。彼が球審だったのは日本には不運だった」と顔をしかめた。

[2006/3/13/17:27]
http://www.nikkansports.com/ns/baseball/f-bb-tp0-060313-0034.html

●野球がスタートした米国でこういうことがあってはならない〜怒る王監督

 なんのことかというと、スポーツ報知速報記事から・・・

WBC 日本、判定変更に泣く

 「見たことがない」王監督

 12日、米カリフォルニア州アナハイムで行われた野球の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次リーグの米国―日本戦で、審判員の不可解な判定変更で日本が勝ち越し点をフイにするトラブルがあった。これがたたり、日本は3―4でサヨナラ負け。大リーグのスター選手も参加した注目の大会での「日米対決」は後味の悪い幕切れとなった。

 3―3の8回、日本は1死満塁の絶好機をつかんだ。岩村明憲内野手(ヤクルト)が左翼に高々と飛球を打ち上げ、三塁走者の西岡剛内野手(ロッテ)が楽々とホームイン。日本は「犠飛」で4―3と勝ち越したはずだった。

 米国は西岡選手の離塁が早いとアピールしたが、塁審は認めず「セーフ」の判定だった。しかしマルチネス監督が球審に抗議すると、判定は覆り、西岡選手はアウト。日本の勝ち越し点は幻となり、併殺でチェンジとなった。

 日本の王貞治監督が、通訳を伴ってベンチを飛び出し、球審に抗議。この間、地元米国の観衆からはブーイングの嵐が起こった。王監督は紳士的に球審に詰め寄ったが、判定が再度、覆ることはなかった。

 試合後、王監督は「悔しい。一番近いところで見ている審判員の判定を変えることは、日本で見たことがない。野球がスタートした米国でこういうことがあってはならない」と怒りを隠さなかった。イチロー外野手(マリナーズ)も「全員が納得していないから(すぐには)守備につかなかった」と話した。

 問題の場面についてパ・リーグの前川芳男審判部長は「一番、近いところの塁審の裁定が最終判断のはず。アドバイスを求められた時以外、球審はこの判断に介入してはいけない」と判定変更を疑問視した。(共同)

スポーツ報知
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/home.htm

 うーむ、なんということでしょう。

 これは「疑惑の判定」じゃないのですか。

 アメリカ人主審がまさか身贔屓して判定を覆したと言うことなのでしょうか。

 だとしたらひどい話でありますね。

 私はあまり野球に興味はないのですが、このような国際試合でホームチームアメリカの試合で、そもそもアメリカ人が主審なのは問題有りですよねえ。

 これはビデオでも確認できるのですから、もし誤審だとしたら日本のメディアはもっと大きな声で批判していいのではないでしょうか。

 ・・・

 「ボビーが怒っている」とか「王監督が怒っている」とか、日本のメディアの常套手段として「XXが怒っている」という事実の報道の装いで、自分たち自身は冷静に客観報道しているつもりなのでしょうが、これは情けないですね。

 スポーツ報道ぐらいもっとどうどうと主張をぶつけてもいいのに。

 本当に日本のメディアは・・・



●正直なニューヨークタイムス記事〜A・ロッドと疑わしい判定が米国を救った

 たとえば、アメリカ紙では、ニューヨークタイムスのAP電速報記事は、もうタイトルからして「疑惑の判定」と認めてしまっています。(苦笑)

A - Rod, Questionable Call Save U.S.
By THE ASSOCIATED PRESS
http://www.nytimes.com/aponline/sports/AP-BBI-Classic-US-Japan.html

 「A - Rod, Questionable Call Save U.S. 」というタイトルですが「(サヨナラ打の)A・ロッドと疑わしい判定が米国を救った」というもう正直なものであります。

記事の書き出しはこうです。

 Even the Americans figured they caught a break.

 アメリカ人でさえ、彼等(日本選手)が(抗議のために)試合を中断するのは当然だと思った。

 まあ、サヨナラヒットを打ったロドリゲスを「疑惑の判定」と同列に語っているあたりは、我々日本人には不満なのであります。

 しかしそれでも日本メディアの臆病な「誰かが怒っている」的速報記事より、速報の段階で「疑惑の判定」と、メディア自身の判断で認めているところが潔いです。

 もう、本当に日本のメディアは情けないなあ・・・

 下らない社説ではトンチンカンな自己主張するくせに、こういうスポーツの誤審速報などでは、責任取れないのかしらないですが、日本のメディアって表面的な記事ばかりなんですよね。

 少しはAP電のように自己主張してほしいです。

 ・・・

 ん?

 あああ(驚

 こ、これは強烈な援軍が海外にいましたです(汗



●世界の野球ファンを相手に厚顔無恥な詐欺劇を繰り広げたアメリ

 スポーツ朝鮮速報記事から

WBC】「明らかな誤審」に救われた米国

米国、日本戦で「厚顔無恥な」詐欺劇

 米国が世界の野球ファンを相手に厚顔無恥な詐欺劇を繰り広げた。実力では勝てないとでも思ったのだろうか。

 13日(韓国時間)、米国カリフォルニア州で行われた米国対日本戦で、勝負に決定的な影響を及ぼす「疑わしい判定」が発生した。

 3対3で同点8回表、日本は1死満塁で6番岩村がレフトフライを打った。3塁走者の西岡はレフトの ランディー・ウィンが球を取った瞬間、ホームに向かって全力疾走。ウィンがホームに向かって投げた球は大きく外れ、西岡は余裕でホームを踏んだ。日本が貴重な決勝点を決めたと思われた瞬間だった。

 米国代表監督が球審に「レフトのグラブにボールが納まる前に3塁ランナーがスタートした」とアピール。3塁審判はレフトの捕球を確認するために外野に向かっており、2塁審判が3塁ランナーの足を見ていた。アピールを受け入れた球審は2塁審判を呼び正確な説明を聞き、これによりセーフの判定が覆された。

 これに日本代表王貞治監督が強く抗議したが受け入れられなかった。日本応援団はブーイングを浴びせたが球審の耳には届かなかった。

 大会の中継を行うESPNは当時の状況を何度もスロー画面で繰り返し放送した。3塁ランナー西岡は捕球後にスタートを切っていた。明らかな誤審だ。

 この試合でアメリカは序盤から日本に主導権を奪われていたため、8回の失点は敗北につながるほかなかった。

 世界最強を自負するアメリカが「不当なホームアドバンテージでも勝てるなら厭わない」という本性を見せたわけだ。

アナハイム=クァク・スンフン特派員
2006/03/13 12:20

『スポーツ朝鮮』
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/03/13/20060313000035.html

 どうですか、読者のみなさん。

 もうタイトルからして「【WBC】「明らかな誤審」に救われた米国 〜米国、日本戦で「厚顔無恥な」詐欺劇」ですよ(苦笑

 記事冒頭は「米国が世界の野球ファンを相手に厚顔無恥な詐欺劇を繰り広げた。」で始まっています。

 厚顔無恥な」詐欺劇って(苦笑

 で、記事の結語、

世界最強を自負するアメリカが「不当なホームアドバンテージでも勝てるなら厭わない」という本性を見せたわけだ。

 いやあ、なんとステキな速報記事なんでしょう。

 日本メディアの変わりに興奮して怒りまくっていただきありがとうございます。(爆

 ・・・

 しかし、すげーなあ、スポーツ朝鮮は・・・

 当事国の日本以上に、関係もないのに激怒してますねえ(苦笑

 なんでも興奮しちゃのかなあ・・・

 ・・・

 日本のスポーツ記事メディアも、少しはスポーツ朝鮮を見習ったらどうでしょう。

 なぜだか当事国でもないのに日本以上に怒りまくってくれるスポーツ朝鮮なのでした。


(木走まさみず)



<関連テキスト>

■[朝鮮]そしてイチローは「野球天皇」になった〜今「スポーツ朝鮮」がアツイ
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060302/1141284505