木走日記

場末の時事評論

ヴィトンのバッグのお姉さん!田中康夫です

kibashiri2005-09-05


 このエントリーはメディア評論であり、特定の政党、特定の候補者に関して支持したり批判したりするものではいっさいありません。(たぶん)



●スポーツ紙の政治記事が今アツイのです。

 日本国中、選挙一色であります。で、一般紙はクオリティー高すぎかつマジメ過ぎであまりおもしろくないのですが、興味深いのがスポーツ紙社会面(政治面ってあまりないんですよねスポーツ紙の場合)であります。

 とにかくアツイ、見出しもアツイし内容もイタイ(爆笑

 そこで5日付けの全国紙スポーツ紙からアツイ、イタイ記事ベストテンを、不肖・木走が独断と偏見でご紹介しましょう。

日刊スポーツ
http://www.nikkansports.com/
スポーツ報知
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/home.htm
スポーツニッポン
http://www.sponichi.co.jp/
サンケイスポーツ
http://www.sanspo.com/
デイリースポーツ
http://www.daily.co.jp/

 なお、中日スポーツ東京スポーツを除いたのは他意がありませんです。(苦笑



●第10位
 細木数子 自ら申し出大阪で自民応援(スポーツニッポン
 http://www.sponichi.co.jp/society/news/2005/09/05/02.html

(木走寸評)

 柳本陣営関係者によると、細木と柳本氏は昔からの友人。細木自ら「応援に行かせてもらいたいのだが、かまわないですか?」と打診があった。この申し出に陣営は「願ったりかなったりの強力な応援。ありがたい話です」と歓迎したという。

 だそうであります。
 うーむ、吉とでるか凶と出るか、得意の占いで結果も教えて上げればいいのに・・・



●第9位
 岐阜1区でデヴィ夫人vs林真理子氏(デイリースポーツ)
http://www.daily.co.jp/gossip/2005/09/05/186052.shtml

(木走寸評)
 笑えるのは、記事中の記者の次の一言、「“マドンナ対決”の番外編を繰り広げることは必至」(爆笑
 まあたしかに番外編ですわな。



●第8位
 社民が自民なぎ倒す!? (デイリースポーツ)
http://www.daily.co.jp/gossip/2005/09/05/186053.shtml

(木走寸評)

 社民党福島瑞穂党首(49)が4日、東京・新宿紀伊国屋前の歩行者天国に登場。テレビCMと同じく、「郵政民営化」や「憲法改正」などと書かれた5つのピンをボールでなぎ倒す“ボウリングパフォーマンス”で、党をアピールした。「ボウリングはめちゃめちゃ下手なんです…」と話したとおり、1度目は失敗。慌てて投げ直した2投目で成功し「(小泉純一郎首相は)ええ格好しいの男。だまされないでとみなさんに言いたい!」と訴えた。汗だくになりながら電車移動。“庶民派”もアピールした。

 まあ、どうってことないボウリングパフォーマンスですが、記事タイトルが東スポ風味でビックリさせられたので堂々8位入賞ってことで。



●第7位
 楽天三木谷社長が石原宏高氏にエール…一人で闘う姿に感銘(サンケイスポーツ
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200509/sha2005090503.html

(木走寸評)

石原氏は前回の衆院選で、父の慎太郎東京都知事(72)をはじめ石原軍団を総動員したものの、「ブランド選挙」との批判を浴び落選。今回は父親らの支援も求めず、選挙戦を続けている。以前親友として「政治家うんぬんでなく、男として、親に頼るのは止めろ」と怒ったという三木谷氏はこれに感銘を受け、今回の応援演説となった。

 浪花節ですねえ。記事中の三木谷氏の発言「私は自分で選挙に立つことはしませんが、この親友を一生応援していきます」ってホリエモンを意識しているところが笑えました。



●第6位
 竹中氏が聖子氏を猛批判 「自民中枢に戻れると思ってる」(スポーツ報知)
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/news/index.htm

(木走寸評)
 まずは、“不倫疑惑”を報じられたことをネタに「佐藤ゆかりは覚悟を決めたんです。この仕事は、あることないことムチャクチャ言われる」ってフォローいいですねえ。

 しかし、竹中さん

「この選挙区に抵抗勢力がいます。抵抗勢力はどんなにかわいい笑顔を作ってみても抵抗勢力なんです。今ごろオロオロしてるくせに、選挙後は自民党の中枢に戻れると思ってる。岐阜の皆さん、あんな人にしがみついていたらダメですよ」

 いいすぎじゃないでしょうか、選挙が終わったらいろいろな人にいじめられないか少し心配です。(苦笑



●第5位
 愛知の真紀子氏が他候補を料理!脱カリスマ主婦ミソに(サンケイスポーツ
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200509/sha2005090502.html

(木走寸評)
 まず、タイトルが何言ってるかわからなかったので堂々ベスト5入り(爆笑

 で、記事中の彼女の発言がもう、なんていうのかその・・・

「『セレブ』とか『エレガント』とか言われるけど、ワタシ本当は全然違うのよぉ〜。もう居心地が悪くって」
「カリスマ主婦」として知られるが、「東京の神田生まれで、どっちかというとチャキチャキの江戸っ子なのよね」。
「よろしくお願いしまぁ〜す!」
「私は至らぬ母でした。だから分かります。どうやって子供を傷つけずに見ていくのか…」
「カリスマ主婦なんてとんでもない。失敗主婦ですよ」(これだけ夫の発言)
「アナタろくにオムツ替えたことないでしょ」
「天むすが好きなのよ〜。みそかつもおいしい」

 昨日エントリーしたテクでいうと典型的な・・・ゴホン(ピーですよ、批判はダメダメでしょ(苦笑))



●第4位
 国民新党綿貫代表、地元で公約補足(日刊スポーツ)
http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-050905-0009.html

(木走寸評)
 うーん、もうタイトルだけでいい味ありませんか。お世辞にも丁寧な公約とは言えない国民新党の公約ですが人の良い綿貫代表が地元で公約補足ですよ。

 補足内容は「郵政3事業は公社化されたばかり。めまぐるしく組織を変えること自体が無用なコストを生じる」ですって・・・ 

 ???

 ま、細かいことはいいじゃないですか(笑)

 さあ、ここから注目のベストスリーの発表でございますよ。

 パチパチパチパチ。



●第3位
 堀江氏、巨人渡辺会長を批判(日刊スポーツ)
http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-050905-0003.html

(木走寸評)

 無所属出馬の堀江貴文氏(32)が4日、今度は巨人の渡辺恒雄球団会長(79)を批判した。尾道市内の街頭演説で「これまでいろんな分野に挑戦してきました。昨年はプロ野球の改革に手を挙げました。2リーグ制維持に少しは役に立ったと思います。どんな権力者がいようが、ナベツネがいようが僕は絶対ひるまず戦っていける、それだけの自信があります」などと話した。

 いい。

「どんな権力者がいようが、ナベツネがいようが僕は絶対ひるまず戦っていける」

 ここがとくにいい(爆笑

 えーっと、内容はさしてない記事でありました。(汗



●第2位
 「非情な政治で人は生きていけない」[党首直撃]社民・福島瑞穂党首(スポーツ報知)
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/news/index.htm 

(木走寸評)
 惜しくも一位を逃しましたが、素晴らしいインタビュー記事ですよ、これは。
 インタビューの内容ではなく担当記者の寸評がすばらしいのです。

◆クラスにいたら絶対学級委員

 ピンクのスーツに花柄のポーチ、19歳のお嬢さんと携帯電話で絵文字のメールをやり取りする姿は女学生みたい。「日焼けしちゃう」と炎天下の演説を気にしていらっしゃいましたが、お肌もまるで10代です。

 「平凡な人たちを応援するのが政治」と、庶民の立場を強調。福島さん自身も「私は平凡人」とおっしゃいます。でも、党首討論で「はい! はい!」と手を挙げる姿は、平凡人というより優等生。クラスにいたら絶対に学級委員をやっていそう。

 福島さんが学級委員だとしたら、堀江さんや小泉さんは、明らかにガキ大将。けんかもするし、授業中もふざけて先生を困らせるけど、なぜか人気者。「何でもいいから変化がほしい」といった風潮のなかでは、優等生よりもガキ大将に人気が出るのかもしれません。

 「古い」「時代遅れ」と言われながら、「平和憲法を守ろう」「恵まれない人たちに光を」という訴えには、党派を超えて共鳴するものがあるのかも。だから、福島さんの行くところ、動員された聴衆こそいないけれど、町行く人たちが足を止めて、その演説に耳を傾けるのかもしれません。やっぱり社民党は変わったという感じでした。

 たしかにねえ、「でも、党首討論で「はい! はい!」と手を挙げる姿は、平凡人というより優等生。クラスにいたら絶対に学級委員をやっていそう。」っていうのは、頷けますよねえ。
 で、田原総一郎みたいな先生に「そこは勝手にがんばってろ」みたいに怒られちゃってたりしてね。(苦笑)

 ・・・

 さあ、堂々の第1位はどんな記事なのでしょうか?



●第1位
 田中代表 銀座で“ブランド遊説” (スポーツニッポン
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2005/09/05/05.html

(木走寸評)
 もう、私の中ではその記事タイトル、記事文章構成、あらゆる点でダントツ一位の記事であります。
 せっかくだから、全文ご紹介しましょう。

 田中代表 銀座で“ブランド遊説”

 新党日本代表の田中康夫長野県知事(49)が4日、“ブランド遊説”を行った。高級ブランドショップが建ち並ぶ銀座中央通りの歩行者天国で、行き交う人のブランド品を言い当てながら練り歩いたもの。

 「ヴィトンのバッグのお姉さん!田中康夫です」「コーチのバッグがお似合いなお母さん、比例は新党日本です」「エルメスの…」「フェンディーの…」と次から次へ声を掛け、若者のサーフブランドを言い当てた際には、通行人からも「すごい」の声が上がった。
 だが「いいですね〜。そのレオナルドのスカート」と握手を求めた女性から「えっ、違いますよ」と間違えを指摘される場面もあった。

 フェラガモ、シャネルが並ぶ進行方向左側の歩道を歩いていたかと思いきや、右側にプラダを見つけると、いきなり“方向転換”。店舗にチラシを配ると、ブルガリ目掛けて左側歩道に戻るなど、ジグザグ行進。立ち止まっての演説は松坂屋のグッチ前だった。

 「小泉政権は1時間で35億円の借金をしている。私は4年間で550億円の借金を減らした」―。ブランド好きを前面に出す一方、具体的な数字を挙げながら知事としての実績を懸命にアピール。途中、大雨に降られ、工事中の銀座ワシントン靴店の軒先で雨宿り。そこでも通行人に握手を求め手を差し出していた。

 どうです、これぞスポーツ紙ならではの記事ではありませんか!!

 「ヴィトンのバッグのお姉さん!田中康夫です」「コーチのバッグがお似合いなお母さん、比例は新党日本です」「エルメスの…」「フェンディーの…」と次から次へ声を掛け、若者のサーフブランドを言い当てた際には、通行人からも「すごい」の声が上がった。

  じーーん。いい。すばらしい(爆笑

 だが「いいですね〜。そのレオナルドのスカート」と握手を求めた女性から「えっ、違いますよ」と間違えを指摘される場面もあった。

 感動した(爆笑

 フェラガモ、シャネルが並ぶ進行方向左側の歩道を歩いていたかと思いきや、右側にプラダを見つけると、いきなり“方向転換”。店舗にチラシを配ると、ブルガリ目掛けて左側歩道に戻るなど、ジグザグ行進。立ち止まっての演説は松坂屋のグッチ前だった。

 もうすばらしい行動です。(感涙

 そして記事の締め・・・

ブランド好きを前面に出す一方、具体的な数字を挙げながら知事としての実績を懸命にアピール。途中、大雨に降られ、工事中の銀座ワシントン靴店の軒先で雨宿り。そこでも通行人に握手を求め手を差し出していた。

 ・・・

 アツクてイタイ記事でありますよね。

 ということで、栄えある第1位は、「田中代表 銀座で“ブランド遊説” (スポーツニッポン)」で、ありました。

 パチパチパチパチ。



(木走まさみず)