木走日記

場末の時事評論

南洋諸島諸国とポーランド〜抱きしめたくなる親日的な国々

kibashiri2005-07-09




●G4の共同提案国は23国

 一昨日の朝日新聞から・・・

安保理拡大枠組み決議案、共同提案国は23 G4が提出

 国連安全保障理事会常任理事国入りを目指す日本、ドイツ、ブラジル、インドの4カ国(G4)は6日午後(日本時間7日早朝)、アフガニスタン、ベルギー、パラグアイなど23カ国と共同で、安保理を15カ国から25カ国に拡大する「枠組み決議案」を国連総会に提出した。11日から国連総会で審議される。G4は7月中の採決を目指すとしているが、採択に必要な賛成票を確保する見通しは立っておらず、「見切り発車」の提出となった。

 G4は8日、ロンドンで外相会合を開き、今後の方針などについて協議する。決議案は常任理事国を6カ国、非常任理事国を4カ国増加させるのが柱。新常任理事国の拒否権は15年間凍結するとしている。

 当初は100カ国を超える共同提案国を集めたうえで、6月中の採決を目指すとしていたが、イタリアやパキスタンなどの「コンセンサス連合」や中国などの強い反対にあったほか、米国も独自の安保理改革案を示し、アフリカ連合(AU、53カ国)も独自の決議案提出を決定。共同提案国は23カ国にとどまった。

 G4は、決議案の成立に必要な加盟国の3分の2以上にあたる128カ国の賛成が確保されてから、決議案を総会に提出するとしてきた。だが、アフリカ諸国が態度を保留していることもあって「賛成が確定しているのは100カ国程度」(国連外交筋)という。

 背景には「各国の国連代表部が8月の夏季休暇に入る前に採決するには、これ以上提出を遅らせられない」「このままでは反対派の切り崩しにあい、勢いをそがれてしまう」との意見がG4内で強くなっていたためという。

       ◇

 枠組み決議案の共同提案国(G4を除く)は次の通り。

 アフガニスタン、ベルギー、ブータンチェコデンマーク、フィジー、フランス、グルジアギリシャ、ハイチ、ホンジュラスアイスランドキリバスラトビアモルディブナウルパラオパラグアイポーランドポルトガル、ソロモン、ツバル、ウクライナ

2005年07月07日11時36分 朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/0707/003.html

 うーむ、23カ国ですか・・・ 少ないですな。
 
 記事中のG4案に「賛成が確定しているのは100カ国程度」(国連外交筋)というのはどうも信じられない、数的には寂しい共同提案国数ですよね。

 たしかに中国の猛烈な反対外交活動やアメリカ案、アフリカ案などが並立で提案されてしまったことなどから、焦る気持ちもわからぬではないですが、情勢は厳しさを増してきたようです。

 私・木走としては、日本の安保理常任理事国入りに関しては、以前もお話ししましたがかなり冷めた見方をしておりまして、別に無理してならなくてもいいのではないかと思っております。

 それはさておき、この記事で当ブログとして注目したいのは、あえてこの時期に共同提案してくれた23の国々の顔ぶれなのであります。



●共同提案してくれた南洋諸島諸国

 まあ、この顔ぶれを読者の皆様もご覧下さい。

 アフガニスタン、ベルギー、ブータンチェコデンマーク、フィジー、フランス、グルジアギリシャ、ハイチ、ホンジュラスアイスランドキリバスラトビアモルディブナウルパラオパラグアイポーランドポルトガル、ソロモン、ツバル、ウクライナ

 ・・・

 感謝の念で涙が出そうです。(苦笑

 ちょっとこれらの国々の顔ぶれを考察してみると実に興味深いのであります。

 G4すなわち日本、ドイツ、ブラジル、インドは、それぞれの地域大国でありまして、当然ながら、地域ライバル国からそれぞれ猛烈に反対を受けておりまして、日本には中国・韓国が、ドイツにはイタリアが、ブラジルにはアルゼンチンが、インドにはパキスタンが、まさに血相を変えて猛反対しているわけです。

 そんな中でこれらの国々は共同提案国になってくれたわけでありますよね。
 もちろん、それぞれの国情や国際関係から冷静に損得を分析した結果に基づき外交判断されたのであり、上記の国全てが別に親日的であるはずもないのでしょうが、

 フィジーナウルパラオ、ソロモン、ツバル

 この南洋諸島5カ国は間違いなく日本を支持して共同提案に参加してくれたのにちがいないのです! (←興奮しすぎ 断定するな、断定を(苦笑

 ああ、旧日本委任統治領であり、これらの国が世界でも屈指の親日国ばかりであるのは、依然当ブログでもご紹介したとおりであります。

 (前略)

●世界の親日派を大切にしよう

 反日的世論の国々への対処は重要なのはわかりますが、それ以上に大切にしたいのは親日的国家への配慮でありましょう。中国や韓国の話題ばかりであまり議論されていませんが、いかに親日国家を大切に扱うか、是非外務省にもこれを機会に努力していただきたいですよね。

 で、たまたまですが、今週号の雑誌SAPIO(小学館)に『「世界の親日派」大集合』という特集が組まれています。

 とても興味深い特集記事でありまして散々中国とか韓国の反日派の動きを見せられてきた私達日本人としては、とてもある意味癒される内容になっています。興味のある方は是非ご購読下さいませ。

 まあ、台湾とかトルコとか有名な親日国もある中で、特集の中の『日本人が知らない「世界の親日国家・愛日民族」』という記事によると、五地域を上げております。

 1:南洋諸島

 2:ポーランド

 3:南米

 4:印領アンダマン・ニコバル

 5:アラブ

 それぞれ親日の理由がありまして、例えば「1:南洋諸島」は第一次世界大戦直後から日本委任統治領であったことであります。これら太平洋の島嶼国家で構成される「南太平洋フォーラム」では、10年近く前の96年にすでに全会一致で日本の国連非常任理事国入りを可決しているそうです。

 ありがたいことでありますね。

 (後略)

●大切にしたいアラブの親日感情より抜粋
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050517/1116318113

 地球温暖化による海面上昇で国家存亡の危機にある小さな島国ばかりでありますが、アメリカに次ぐエネルギー大消費国であるこの日本を支持し続けてくれるのでありますか。
 嬉しゅうございます。(感動

 やはり私達は、世界の親日派諸国を大切にしたいものですね。

 ・・・

 しかし、その他の顔ぶれも興味深いですよね。アフガニスタンなんか、自分の国の治安の心配したほうがいいのではないかと余計な心配してしまいますが。(苦笑

 ・・・

 ん?

 ポ、ポーランド・・・



●ありがたくて愛おしくて抱きしめたくなる親日国家ポーランド

 嗚呼、やはり貴国はこの日本案に賛成してくれたのですか(感涙
 貴国の隣国ドイツに対する歴史的な複雑な感情は、ドイツ反対国イタリアの比ではあるまいに、この日本を支持するために敢えて参加いただいたのですね。(涙

 (↑完全に感情に溺れている。全く主観(脳内)だけで国際情勢を断じるな(爆)

 ・・・

 何か雑音が聞こえますが、気にしません。

 ・・・

 よろしい、読者の皆様に、東欧随一の親日国家ポーランドと日本との素敵な関わりをご紹介いたしましょう。

ポーランド人は親日派より、部分引用
http://mikomo.hp.infoseek.co.jp/o-f2.htm

ポーランド人がこのように親日感を持っている理由は、
(1) 日露戦争で小さい日本が大きいロシア(ポーランド人が嫌いな国)
をダウンさせた。
(2) 日本政府は第一次大戦後にシベリアに流刑されていたたポーランド
の孤児救済要請をポーランド救済委員会から受けた。
日本赤十字は短期間に765名の孤児をウラジオストックから日本へ、また言葉
・習慣が違うため孤児付添人65名を本国から招き、孤児たちに付き添わせ病気
治療、休養をさせた後、孤児の祖国復帰を実現した。(救済委員会は欧米諸国に
同様な救済要請を出したが拒否された)
(3) その後、シベリア孤児はポーランドで成長し、組織「極東青年会」を
つくった。
ナチスポーランドに侵攻した時この青年会はレジスタンス活動に参加、日本大
使館は「極東青年会」の活動を三国同盟を楯に幾度となくナチスから擁護した。
(4) 第二次大戦初期にリトアニア領事杉原千畝は本省の不同意を無視し数千
人のユダヤポーランド人に通行ビザを発行、ナチスの追及から開放して多くの
人命を救った。  
ポーランドは長い間、近隣諸国から侵略を受けつづけてきた国で、上記のよう
な出来事は友好的な日本の印象をポーランドに与え、その結果として親日派
人たちが多くなったと思われる。

(後略)

 どうでしょう。特に(2)の逸話は、欧米諸国に同様な救済要請を出したが拒否された中で日本だけが迅速に救援に向かったということで、一部のポーランドの人々にいまでも深く感謝されているようです。



●大和心とポーランド

 そのあたりのことを、以下のサイトがとても詳しく書かれています。

国際派日本人養成講座
地球史探訪: 大和心とポーランド
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h12/jog142.html

■1.ポーランドからのメッセージ■

 平成11年8月に、ポーランドから「ジェチ・プオツク少年少女舞踊合唱団」が来日した。合唱団はヘンリク・サドスキさん(88)からの次のようなメッセージを携えてきた。

 20世紀の初め、孤児が日本政府によって救われました。シベリアにいたポーランドの子供は、さまざまな劣悪な条件にありました。その恐ろしいところから日本に連れて行き、その後、祖国に送り届けてくれました。親切にしてくれたことを忘れません。……(合唱団は)私たちの感謝に満ちた思いを運んでくれるでしょう。日本のみなさん、ありがとう。

 サドスキさんはさらに「一番大事にしている物を皇室に渡して」と救出当時の写真を託した。「孤児収容所を慰問した皇后陛下貞明皇后)に抱き締めてもらったことが忘れられない」と話したという。[1]

 20世紀の初めの孤児救出とは、どのような出来事だったのだろうか?

(後略)

 このような書き出しで始まるとても感動的な話であります。

 是非読者の皆様もご一読して下さい。

 4名のシベリア孤児が涙ながらに薔薇の花を、震災孤児一人一人に手渡した時には、会場は万雷の拍手に包まれた。75年前の我々の父祖が「地球の反対側」から来たシベリア孤児たちを慈しんだ大和心に、恩を決して忘れないポーランド魂がお返しをしたのである。

 大和心とポーランド魂ですか・・・

 ・・・

 じーん。

 いやあ、マジに感動しました・・・

 ここに、ポーランド国民は日本に対し、最も深い尊敬、最も深い感銘、最も深い感恩、最も温かき友情、愛情を持っていることを伝えしたい。

 ・・・(涙

 日本はたとえどんなに中国や北朝鮮や韓国にひどく言われても、ポーランドがいるかぎり大丈夫、きっとくじけないのであります。(爆

 ・・・

 しかし、このようなすばらしい話を当の日本人がほとんど知らないというのは少し問題だとおもいました。それこそ教科書にでものせればいいと思うのですが・・・

 読者のみなさん、いかがお感じになりましたでしょうか。



(木走まさみず)



<関連テキスト>
●大切にしたいアラブの親日感情
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050517/1116318113