クラクラめまいがしてしまう民主党国会議員発言の精度の悪さと軽さ〜「予算案をよりによって与党が審議拒否をするというのは、憲政史上、たぶん初めてのことではないか」
8日付けTV朝日ニュース記事から。
川口委員長解任巡り対立激化 与党は異例の審議拒否(05/08 11:51)
参議院で激しく対立しています。川口環境委員長の解任決議を巡り、野党側は、国会の許可なしに中国滞在を延長したとしてルール違反を主張。これに対し、与党側は、日中関係が悪化するなかで中国の外交トップとの会談は国益だと強く反発。さらに、与党側は解任決議案の優先採決を要求し、それが終わるまでの間、異例の審議拒否です。
(政治部・藤川みな代記者報告)
予算委員会は、現在も与党欠席のまま続いています。
民主党・川上義博参院議員:「予算案をよりによって与党が審議拒否をするというのは、憲政史上、たぶん初めてのことではないか」
安倍総理大臣:「(中国の)楊潔チ元外相が出席するなかで、(川口環境委員長が)さまざまな意見を述べることは有意義だった」
与党側は、解任決議案は委員長のクビに関わる重い決議で、大臣の問責決議案と同じように最優先で処理すべきだと主張しています。決議案の採決が終わるまで、ほかの審議には一切応じない方針で、9日にも本会議を開いて決議案を処理し、国会を正常化させたい考えです。一方、民主党など野党側にとっては、7党が結束して初めて決議案を出しただけに簡単に与党の提案に乗ることはできません。これは与野党の「ねじれ」が原因ですが、自民党内からも「良識の府とは違う」とあきれる声が出ています。http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000004914.html
うむ、川口環境委員長の解任決議を巡り、自民・公明与党側が異例の審議拒否とのことであります。
「予算案をよりによって与党が審議拒否をするというのは、憲政史上、たぶん初めてのことではないか」(民主党・川上義博参院議員)
と、吼えておりますが、民主党・細野豪志幹事長もさっそくツイッターにて情報発信されております。
与党が審議拒否するのを見たのは初めてです。
http://togetter.com/li/499848
「予算案をよりによって与党が審議拒否をするというのは、憲政史上、たぶん初めてのことではないか」、「与党が審議拒否するのを見たのは初めて」とか、本当にどの口が言わしているのか、呆れてしまいます。
ここに2年前の共産党機関紙「しんぶん赤旗」の記事が閲覧できるわけですが・・・
ライブドアニュースからしんぶん赤旗2011年03月04日付け記事。
与党が「審議拒否」の異常/参院予算委 野党が要求し開催へ
しんぶん赤旗2011年03月04日09時37分
参院予算委員会は3日、理事会懇談会を開き、2011年度予算案の審議について協議し、このなかで4、7の両日、菅直人首相はじめ全閣僚が出席する基本的質疑を行うことが決まりました。
予算案は1日に衆院を通過しましたが、予算関連法案との分離採決について野党側が説明を要求。枝野幸男官房長官の説明を受けて2日、日程についての協議が行われました。協議のなかで、民主党は野党側の質問時間を短縮するよう強硬に主張。野党が開催を求めているにも関わらず協議を打ち切り、与党側は一方的に3日の予算委員会は開かないと宣言しました。
これを受け3日、日本共産党など7野党は国対委員長会談を開催しました。日本共産党の井上哲士参院国対委員長は「与党の審議拒否という異常事態だ。枝野官房長官も審議を求めているのにとんでもない」と批判しました。7野党は、参議院規則に基づいて予算委員会の開会を要求することを決め、前田委員長に野党の予算委員連名の委員会開催要求書を提出しました。
その後、民主党と自民党の筆頭理事らが協議を続けましたが、質問の割り当て時間について合意に至らず、前田委員長が職権で4日からの審議入りを決める形となりました。
民主党は今国会で「熟議」を掲げながら、参院で一方的に予算委員会での審議入りを遅らせ、自ら提案している予算案を真剣に審議する姿勢があるのか問われる事態となっています。
日本共産党からは7日に山下芳生議員が質問に立ちます。
当時の与党である民主党がよりによって「予算委員会」を「審議拒否」していたわけですが、民主党・川上義博参院議員は「予算案をよりによって与党が審議拒否をするというのは、憲政史上、たぶん初めて」と勝手に歴史を作られては困ります、どうか速やかに病院に行かれ精密検査するように、おそらく記憶中枢がやられています、頭がだいぶ不自由になっていると思われます。
で、民主党・細野豪志幹事長のナイスなブーメラン発言「与党が審議拒否するのを見たのは初めて」でありますが、正確には「(与党として審議拒否したことはあるが、野党として)与党が審議拒否するのを見たのは初めて」ということでありますね、ハイ、わかります。
この人も昔から自分にとって嫌なことは忘れる能力に長けておりますからある意味仕方ないのですが、こうブーメラン発言を繰り返すということは、学びの力が弱まっている証拠です、脳の中の学習機能に不具合があるに違い有りません、かわいそうに。
まあ、軽率な大バカ者どもの発言ではありますが、残念なのは彼らがこの国の「選良」、国民を代表する「代議員」先生方であるということであります。
・・・
本件に関しては、そもそも野党は初めての7党合意とかではしゃぎすぎで感心できません。
今回の川口氏の行動は、毎日新聞社説がとなえているとおり、「注意」レベルで十分でしょう。
川口氏の行動は、形式的には参院のルールから外れている。しかし、尖閣諸島の国有化以降、日中両政府は対話の糸口を見いだせず、議員外交が待望されている。川口氏自身も陳謝しているのだから、ここは大局に立って、「ルール違反」は注意で済ませ、国会審議を促進するのが常識的な対応ではないか。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130508k0000m070108000c.html
別に観光旅行に行っていたわけではないわけだし、そもそも日程変更を願い出ていたわけで国会軽視・手続き軽視と言い切るには気の毒な状況だったわけです。
野党は「立法府は立法が最大の責任で、行政府ではない」(松野頼久・維新の会国会議員団幹事長)と批判しています、つまり、川口氏の中国出張は、閣僚の海外出張とは次元が違う話で、議員外交をやりたいなら、委員長を受けるべきではなく、ルール違反は「国会軽視」というのが野党の主張です。
これはこれで正論なのですが、現在のこじれた日中関係が中国側が要人を日本の閣僚に合わせないという「閣僚」外交機能停止状態を招いている現状があり、大臣経験者である川口氏などの中国出張による「議員外交」がそれなりに期待されているわけで、そもそも常任委員長の海外渡航自粛というルールが、時代に合っているのか、再検討する必要があると思うのです。
この騒動をきっかけとしてそのような前向きな議論に持っていくことを期待したいです。
・・・
いずれにしても民主党の国会議員諸氏の発言の精度の悪さ、軽さには、クラクラめまいがしてしまいます。
本当にこれが先のこの国の与党構成員であったのかと思いますと、本当に有権者の1人として、悲しく残念な気持ちになってしまいます。
(木走まさみず)