木走日記

場末の時事評論

「最高レベルの進化をとげる日米同盟」と「訓練すらできない米韓同盟」を嘆く韓国保守メディア~米国の対韓国軽視は文大統領のデタラメ外交がまねいた自業自得

18日付けの読売新聞が次世代戦闘機の日米共同開発を米側が提案してきたと報じています。

F35機密 米が開示提案…F2後継 共同開発視野に
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190418-OYT1T50095/

(会員記事)なので直接の引用は控えますが、要約すると現在の最新ステルス戦闘機F35のソフトウエアを米が開示しそれを改良、さらにハードウエアは史上最強のステルス戦闘機と呼ばれているF22の機体を活用して新戦闘機を日米共同開発しようという米側の提案なのであります。

この提案のすごいところは8カ国共同開発したF35ですがそのソフトウエアはいままで米国が独占していてアメリカ空軍にとって最高機密に属している情報なのでありますが、それを日本には開示しようという点と、さらに驚くのは史上最強の戦闘機と呼ばれるF22に関しては米国以外には一切使わせていない、同盟国から要望があっても機密保護のため完全に情報が遮断されていた戦闘機なのであります。

提案の中身がすごすぎてにわかに信じられない内容の読売スクープなのですが、まあしかしこの内容の共同開発案は昨年あたりから日米双方から情報がリークされていました。

昨年10月の毎日新聞記事ではすでに「F22をベース」と報じられています。

防衛省
F2後継、日米共同開発へ F22をベースに
https://mainichi.jp/articles/20181029/k00/00m/010/126000c

昨年11月の日本経済新聞記事ではアメリカ側から共同開発が提案されていることが報じられています。

米ハネウェル幹部、F2後継機「日米共同開発を」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38387790Q8A131C1XA0000/

もし読売報道が事実だとした場合ですが、これは日米同盟にとって画期的なトピックとなることでしょう。

アメリカが共同開発した同盟国にさえ開示を認めなかったF35のソフトウエアを日本にだけ開示しなおかつ機体は完全機密だった最強のF22をベースにして共同開発する、これは米側が同盟国として日本を高く信頼している証でもありましょう。

まあ、うがった見方をすれば、アメリカは金のかかる次世代戦闘機開発で日本を巻き込んだともいえそうですが。

日本側が開発している独自のストレス技術や小型エンジン技術がアメリカ側の高い関心をもたれていることもアメリカの態度を後押ししたようです。

読売記事によれば、世界最高水準の後継機を日米で共同開発するという構想であります。

さて、この共同開発報道にショックを受けたのがアメリカの同盟国韓国なのであります。

韓国メディアが大騒ぎしています。

朝鮮日報
対韓技術移転に消極的な米国、日本にF35戦闘機の機密提供を提案
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/04/19/2019041980079.html
中央日報
米「F35機密、日本に開示」…世界最高ステルス機の共同開発視野に
https://japanese.joins.com/article/494/252494.html?servcode=A00§code=A00&cloc=jp|main|top_news

朝鮮日報記事は日本への特別扱いをこう報じています。

■日本に対する類例なき破格の措置

 専門家らは、日本が当初F35の共同開発に参加しなかった国だという点を考慮すると、米国のこうした措置は類例のない破格の措置だと指摘した。F35は米国のほか8カ国が投資して国際共同開発の形で作られた。米国は、投資額の規模によって「レベル1」から「レベル3」まで分類し、差をつけた待遇を行ってきた。20億ドル(現在のレートで約2240億円)以上を投資した英国が唯一の「レベル1」国家で、「レベル2」国家にはイタリア・オランダ、「レベル3」国家にはトルコ、オーストラリア、ノルウェーデンマーク、カナダが属する。米国は、極秘技術の結晶体であるF35を、共同開発に加わった国を中心に販売してきた。共同開発に加わらなかった国でF35の販売を認められた国は、韓国をはじめ日本、ベルギーの3カ国しかない。

韓国にはアメリカの技術移転を拒否したくせに、と不満げなのであります。

■韓国への技術移転には消極的な米

(中略)

 米国のこうした対日アプローチを巡り、専門家らは「韓国への先端技術移転に消極的だったのとは対照的」と指摘した。韓国がF35を配備する際、米国は当初、韓国型戦闘機(KFX)開発のため25分野の技術を移転すると決めた。ところが最終的に米国は、フェーズドアレイ(AESA)レーダーシステム統合、赤外線捜索・追跡(IRST)装置、電子光学標的追跡装置(電子光学照準ポッド、EOTGP)、電波妨害装置(RFジャマー)統合に関する4分野の中心技術移転を拒否した。

記事の結びは今の韓国保守メディアの嘆きの心情をよく表していると感じました。

このところ韓米同盟が訓練をしない「象徴的同盟」へと衰えつつあるのとは対照的に、米日同盟は最高レベルの情報を共有するほどに進化しているのだ。

「最高レベルの進化をとげる日米同盟」と「訓練すらできない米韓同盟」を嘆く韓国保守メディアなのであります。

しかしです。

米国の対韓国軽視は文大統領のデタラメ外交がまねいた自業自得なのでありませんか。



(木走まさみず)