木走日記

場末の時事評論

「何百年たとうが謝らなければならないことはある」(福島瑞穂)〜「あなたにはその前にしっかり国民に説明しなければならない疑惑がある」(木走正水)


 さて、社民党福島瑞穂副党首が、24日午後の参院予算委員会で、安倍晋三首相の戦後70年談話に絡み、「何百年たとうが謝らなければならないことはありますよ!」と追及いたしました。

 正直「ああまたあなたか感」が否めないのでありますが、今回は当ブログとして、この福島瑞穂氏の国会発言を取り上げたいと思います。

 読者の皆さんにおかれても、「またかよ感」があると思いますが、こういう妄言に関しては、誰かがきっちりと反証しておかなければならないと考えます、どうかしばらくお付き合いください。

 さて問題の福島発言ですが当ブログで私的に国会中継録画しておりましたので、氏の発言がどのような議論の流れの中で飛び出したのか、福島氏の発言を中心に、トレース(文字起こし)しておきましょう。

 17分の福島氏に与えられた時間の中で、安倍談話に「主語がない」と批判したうえで、3:45あたりで、次のように畳み掛けます。

(福島)
 なぜ総理自身がお詫びをしないんですか。
 ここでお詫びをされたらどうですか。

 安倍総理が、安倍談話は過去の談話のお詫びを継承している旨、説明し、あわせて「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」とした談話の主旨を説明すると、問題発言が飛び出します。

(福島)
 そういう質問してないですよ。
 あなたはなぜあなた自身が主語で謝らないのか、ってことを聞いているんですよ。
 他の人が謝り続けて来ましたということではないですよ。
 それから今だって生きて被害を受けている人たちがいる。
 何百年たとうが謝らなければならないことはありますよ。 総理、なぜ自分の言葉で謝らないのですか。
 このままだと謝らないでしょうが、どうして自分の言葉で謝らないか、この安倍談話はまさに不誠実極まりないものですよ。

 ここで福島氏は「女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去」について、何を指しているのか、誰が傷つけたのか、主語を安倍首相に求めます。

(福島)
 もうひとつ、この談話の中で、「戦時下多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去をこの胸に刻み続けます」、
 これは何を指しているんですか。
 それから誰が傷つけたんですか。

 ここで安倍総理は安倍談話の意図を説明いたしますが、福島氏は納得しません。

(福島)
 まったく答えていないですよ。
 この件はいわゆる慰安婦の問題も含んでいるんですか。

 ここ核心ですが、福島氏は安倍談話がいわゆる慰安婦について触れていないことを批判しているわけです。
 安倍総理がいわゆる慰安婦の人々の問題も含まれると答弁したのを受けて、「慰安婦のことをいっているといいながら、傷つけられたと受け身で誰がやっているか、言ってない」と批判、「この談話は本当に極めて不誠実なものだ」と決めつけます。

(福島)
 この談話は主語がないんですね。
 で、河野官房長官の談話は軍の関与のもとにと、軍の主語があります。
 慰安婦のことをいっているといいながら、傷つけられたと受け身で誰がやっているか、言ってないんですよ。
 この談話は本当に極めて不誠実なものだというふうに思います。
(後略)

 この後、質疑は安保法案に関して続いていくのですが、省略いたします。

 さて福島氏の当該部分の発言を整理しておきます。

 ・安倍談話には「主語がない」。
 ・従って総理自身が主語としてお詫びをすべきだ。
 ・「先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」との認識は間違っている。
 ・何百年たとうが謝らなければならないことはある。
 ・また談話は慰安婦のことに触れていない。
 ・この談話は本当に極めて不誠実なものだ。

 ・・・

「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」

 これはフランスの哲学者であるヴォルテールことフランソワ=マリー・アルエ("Voltaire" François-Marie Arouet, 1694年11月21日 - 1778年5月30日)が残した、民主主義・自由主義のとりわけ表現の自由言論の自由の原則を端的に示した有名な名言であります。

 日本は表現の自由言論の自由憲法で保証されている民主主義国であります。

 したがって、国会において野党議員が総理大臣にどのような質問あるいは批判をしたとしても、それ自体は原則自由です。

 しかしです、ほかならぬ福島瑞穂議員にです、慰安婦問題もからめて「何百年たとうが謝らなければならないことはある」と、国会にて発言されるのは、さすがに看過できません。

 当ブログとして正に従軍慰安婦問題で、「国会にて福島みずほ氏を証人喚問すべき」と主張してきたからです。

2014-08-1■従軍慰安婦捏造報道で沈黙を守る福島みずほ氏の大罪〜国会にて福島みずほ氏を証人喚問すべき
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140810/1407653495

 昨年8月5、6日、朝日新聞は紙面にて、従軍慰安婦報道での一連の自社の「捏造」報道に関して、その事実を一部認めました。

 朝日新聞の一連の従軍慰安婦捏造報道では、当ブログでは、捏造であるかどうかしっかり検証すべき記事は数多いのですが、その中でも以下の3つのスクープ記事がその後の日韓関係の崩壊と本問題の国際化に致命的な影響を与えたものだと認識しています。以前のエントリーより抜粋。

 まとめると【1】1982年9月2日付け『朝鮮の女性 私も連行』記事関連に関しては、「吉田氏が済州島慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します」と捏造を認めます。

 【2】1991年8月11日付け『元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く』記事関連に関しては、「慰安婦と挺身隊の混同がみられたことから、誤用」とは認めますが、捏造記事とは認めていません。

 【3】1992年1月11日付け『慰安所 軍関与の通達・日誌 募集含め監督・統制』記事関連に関しては、「宮沢首相の訪韓時期を狙ったわけではありません」とタイミングも否定、内容も問題はないのだとしています。 

 【1】の吉田清治関連が捏造であると認められたのですから、次のステップは【2】と【3】の捏造記事の徹底検証です。

 これらがすべて捏造であることが認められれば所謂「従軍慰安婦の日本軍関係者による組織的強制連行」はまったくの「創作」「ファンタジー」であることが証明されます。

 とりあえず【2】1991年8月11日付け『元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く』記事関連に関して徹底検証すべきなのです。

 そして、【2】1991年8月11日付け『元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く』記事関連に関して徹底検証するためには、福島瑞穂議員、当事者であるあなたこそ重大な説明責任があるのではないですか。

 なのに本件に関しては24年間、完全に沈黙を守っているのが福島瑞穂氏です。
 本件で日本政府を相手に訴訟を起こそうとしたのが、福島瑞穂氏や高木健一氏などの弁護士で、彼らは韓国に渡って原告になる元慰安婦を募集しています。
 そこで名乗り出たのが金学順で、キーセンに売られただけの女性を、朝日新聞の植村記者がこれを(吉田のストーリーにそって)「女子挺身隊として強制連行された」と誤って報じたのです。
 福島氏はこの裁判に弁護士として深く関与します(ちなみに原告団側は敗訴、原告団長は植村記者の義母だったが、のちに裁判費用を詐取したとして逮捕され、行方をくらまします)。
 さらに彼女は、直後の政府の慰安婦調査に、原告側関係者にも関わらず、なんとオブザーバーとしても参加しているのです。
 朝日新聞とともに彼女にも重大な説明責任があるのです。

 国会にて本件で一切の沈黙を守っている福島瑞穂氏は証人喚問されるべきなのです。

 ・・・

 従軍慰安婦問題で当事者であるのに一切の説明責任を果たさず頑なに沈黙を守っている国会議員が、「何百年たとうが謝らなければならないことはある」とは、おかしなことをいうものです。
 慰安婦問題で自身が係る重大な「ねつ造疑惑」その事実の検証責任を放棄しておいて、なぜこのような妄言を国家にて発言できるのか、私には理解できません。
 あなたにはその前にしっかり国民に説明しなければならない疑惑があるでしょう。
 再度主張します、国会にて本件で一切の沈黙を守っている福島みずほ氏を証人喚問すべきです。


(木走まさみず)