木走日記

場末の時事評論

世界文化遺産「日本の軍艦島など強制労働があったからだめ」(韓国)に反論〜そんなこといったらピラミッドや万里の長城はみんな登録抹消だっちゅうの(木走)

 政府がユネスコ世界文化遺産への登録を目指す「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」(福岡県など8県)について、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が、登録をユネスコに勧告いたしました。

 6月28日から7月8日までドイツのボンで開かれる世界遺産委員会で、正式決定される可能性が高いようです。

 このまま決定されれば、昨年の「富岡製糸場と絹産業遺産群」、一昨年の「富士山」に続いて3年連続の日本に取り朗報となりましょう。

(参考資料)

【読売新聞】
軍艦島など世界遺産へ登録勧告…明治の産業革命
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20150504-OYT1T50084.html

 さて、以前より日本政府主導による一連の施設に対する世界文化遺産への申請に対し、「朝鮮人労働者の日本による強制徴用の現場は世界遺産にはふさわしくない」と、強く反対してきた韓国でありますが、この韓国が、例によって国を挙げて炎上いたします。

 各メディアは、「強制徴用の歴史がある施設が世界遺産登録された」(中央日報)と速報いたします。

 韓国政府の反応も敏感です。

 韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は韓国国会にて、「わが政府の基本的な立場は強制労働が行われた歴史的な事実から目をそらし、産業革命施設に美化して世界遺産に登録することに反対するということ」と明らかにします。

 韓国外交部によると、23施設中、7施設には日本による植民地時代に朝鮮人5万7900人が強制動員されたと説明します。

 尹長官は「人類普遍的な価値を持つ遺産を保護する世界遺産条約の基本精神に反する」と指摘した上で。「21カ国の委員国を説得する一方、可能な全ての方策を検討していく」と強調しています。

 また韓国国会も4日、「日本の徴用施設の世界文化遺産登録、糾弾決議」を通過させます。

国会外交統一委員会は、「日本が徴用施設の世界遺産登録推進で侵略の歴史を産業革命に美化して苦痛の中で犠牲となった韓国国民を愚弄した」として、「日本政府が真の反省と責任ある姿勢を促す」内容の決議案を可決いたします。

決議案の内容は、「日本の今回の登録推進の試みを北東アジアの平和と安定に否定的影響を及ぼす外交的挑発行為と規定」、「大韓民国国会が厳重に警告して国際社会に強力な糾弾の意志を表明する」という内容です。

 6月28日から始まるドイツのボンで開かれる世界遺産委員会での正式決定まで、例によって韓国の総力を挙げて反対活動を展開するとの宣言と申していいでしょう。 

(参考記事)

中央日報
日本徴用施設23施設の世界遺産登録を勧告
http://japanese.joins.com/article/913/199913.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|main|top_news

朝鮮日報
日本の産業革命遺産は強制徴用施設 世界遺産登録に反対=韓国
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/05/04/2015050402806.html

中央日報
韓国国会「日本の徴用施設の世界文化遺産登録、糾弾決議」
http://japanese.joins.com/article/898/199898.html?servcode=200§code=200

 ・・・

 韓国政府は、日本はユネスコという国際機関を自国の歴史的犯罪事実の浄化に政治利用していると批判してまいりました。

 これですね、二年以上前から従軍慰安婦関連資料を「ユネスコ遺産」登録を目指してしてきた韓国政府が主張するのは実に奇妙なことなのであります。

(参考記事)

韓国、「日本軍の慰安婦記録」を世界記憶遺産に登録推進
http://japanese.joins.com/article/604/180604.html?servcode=A00§code=A10

韓国政府、従軍慰安婦を「ユネスコ遺産」申請へ=中国報道
http://news.searchina.net/id/1521075

 当時当ブログでも韓国政府のこの動きを批判したエントリーをいたします。

(参考エントリー)

2014-01-16 韓国政府、従軍慰安婦を「ユネスコ遺産」申請へ〜これ以上韓国の国際社会を巻き込んだ愚行を許すな
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140116/1389851690

 ・・・

 さて、例によって「朝鮮人5万7900人が強制動員された」(韓国外交部)などと根拠曖昧な数字を振りかざして日本批判を展開する韓国なのですが、なぜよその国のユネスコ世界文化遺産」登録にこれほどまでに過剰反応するのか、正直理解に苦しむわけです。

 そもそも歴史的施設である文化遺産の価値と、そこに「強制労働」があったかどうかの事実は別次元の問題です。

 一歩譲って例えそこで「強制労働」があったのが事実だとして、その事実も含めての文化的価値が認められたと考えるべきです。

 「そこに強制労働があったからだめ」などの韓国のまったく理不尽な主張が認められたとすれば、そもそも世界文化遺産に登録されている世界中の多くの施設は、登録抹消でしょう。

 エジプトのピラミッドにせよ、中国の万里の長城にせよ、少なからずの「世界文化遺産」では、奴隷や農奴や捕虜の「強制労働」があったことは世界の常識だからです。

 別にピラミッドや万里の長城だけではない、例えば米国のニューメキシコ州タオスにある「タオス・プエブロ」ですが、ネイティブアメリカン、プエブロ部族の古代の集落があり「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」を理由として登録されています。

 その地はもちろん、白人によるネイティブアメリカンの土地収奪・大虐殺の歴史と表裏一体です、「タオス・プエブロ」においても、1680年のプエブロの反乱の企み、1847年のアメリカ軍による包囲攻撃など血塗られた歴史がありますが、登録理由はあくまでも「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」とあります。

 米国が「タオス・プエブロ」を「世界文化資産」として申請したとき、「そこはネイティブアメリカンが弾圧された土地だから」と反対をした国などありません。

 その遺跡の文化的価値は「虐殺の有無」「強制労働の有無」などの単純な今日的ものさしで決めるべきではないことは自明です。

 それにしても日本の「世界文化遺産」勧告に対する今回の韓国の理不尽で過激な反応であります。

 米議会安倍演説に続き、日本のすることにことごとく反対を繰り返す韓国なのであります。

 読者のみなさん。

 ここまで来ると「ストーカー」という言葉が浮かぶのは、私だけでしょうか。

 しつこすぎて正直疲れますな。

 ふう。



(木走まさみず)