木走日記

場末の時事評論

交通機関は早急に「計画停電」から除外すべき〜このままでは民間企業は2ヶ月持たない

 日経新聞電子版速報記事から。

鉄道混乱、国交省も憤り 東電から説明一切ない
2011/3/14 10:59

 鉄道各社は計画停電の実施が発表された13日夜から、運行計画の変更に着手、14日未明に大幅な運休を決め、所管する国土交通省も安全性の確認に追われた。ところが午前6時20分から予定されていた停電「第1弾」は取りやめ。一部の鉄道会社が運行区間を広げたが、直後に東電が停電実施の可能性を示唆するなど混乱は収まる気配を見せない。

 国交省によると、東電は計画停電を発表した13日夜以降、同省に対して一切の説明をしていない。

 同省鉄道局の担当者は「再三にわたり情報提供を求めたが回答はない」と憤る。同省は14日午前の全体会議で同社に求める改善点をまとめ、申し入れを行う準備を進めているという。

http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819695E3E6E2E39F8DE3E6E2E1E0E2E3E39790E3E2E2E2;bm=96958A9C93819499E3E6E2E2988DE3E6E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

 私は経営コンサルとITコンサルを生業にしている会社を経営していますが、クライアント20社からの問い合わせ電話で早朝から対応に追われています。

 相談内容はすべて「計画停電」に関してです。

 社内LANを「計画停電」に対応させてどうダウンさせ復旧させるか、バックアップは必要かという技術的問い合わせから、担当者が出勤できず社内システムの運用に支障が生じていて困り果てている会社まで内容はまちまちですが、中小企業がほとんどのクライアントの担当者達が異口同音に電話口で言うのは「これを4月末まで行われたら会社が持たない」という悲痛なものでした。

 全面的な大停電を起こすよりはグループ分けして3時間ほどの「計画停電」にして経済活動への打撃を緩和するその大きな方針には異存ないのですが、もう少し運用を柔軟にしないと民間企業が持ちません。

 クライアントのひとつ、神奈川県に生産工場を持つ500名規模の会社は、今日の午後から、3時間の「計画停電」対象区域にありますが、午後から工場を全面停止することを決定しました。

 理由は一度止めたラインの復旧には相当時間がかかることもありますが、そもそもこちらの理由がほとんどなのですが、ライン復旧するための担当者たちの大部分が工場に出勤できていないことをあげていました。

 つまり、「計画停電」による停電が3時間ほどであっても、社員が出勤できていないために、業種によってはその日の企業活動を縮小したり止めざるをえないのです。

 首都圏の鉄道がまともに動かず通勤に支障が出て多くの会社で社員が「自宅待機」を余儀なくされているのです。

 結果、本末転倒とはこのことですが、本日(14日)の電力消費は、多くの工場や会社が要員不足により事実上の活動停止に追い込まれたために、東京電力はここまで(14日14:30)「計画停電」を実施せずに済んでいます。

 鉄道等の交通機関は早急に「計画停電」から除外すべきです。

 今の交通機関の混乱が続くなら3時間の停電による操業停止ではなく、終日企業活動に支障が出てしまいます。

 東京電力に早急なる対応を求めます。

 このままでは中小企業を中心に多くの民間企業は「計画停電」が続くとされる4月末まで持たないです。



(木走まさみず)