木走日記

場末の時事評論

二枚舌とはオーマイニュース編集長の鳥越俊太郎氏のことです。

 最近の話題は、スポンサーとしてソフトバンクが名乗りを上げジャーナリスト鳥越俊太郎氏を編集長に迎えて日本進出を果たした創刊間近のオーマイニュースでありますね。

 ただね、個人的には鳥越俊太郎氏の生き様はどうしても好きになれないのです(苦笑

 ・・・



●開店前から揺れるオーマイニュース

 さて「市民が参加しタブーに挑戦する新メディア」として8月28日に創刊するインターネット新聞オーマイニュースなのですが、何やら創刊前から揺れているようです。

 オーマイニュース開店準備中ブログはこちら。

OhmyNews開店準備中Blog
http://www.ohmynews.co.jp/blog/

 で、7月29日のエントリーでは、オーマイニュース編集部に既存メディアからの取材が殺到していて、鳥越俊太郎編集長も大忙しで「大変だなぁ」と嬉しい悲鳴をあげているそうです。

取材対応の日々
2006年07月29日

昨日もお伝えしたように、オーマイニュースは創刊までいよいよ1ヶ月を切りました。編集や営業部門などのスタッフがそれぞれの立場で創刊に向けた準備を急ぐ一方、オーマイニュースに対する既存メディアからの取材も絶えることがなく、鳥越編集長を中心にこちらも対応に大わらわの状態が続いています。

ここ数日は、7月27日(木)には会員制経済誌の『FACTA』、『週刊SPA!』、『日刊スポーツ』による取材が、同28日(金)も『毎日新聞』、TBS、『ココログ』が東京・虎ノ門オーマイニュース事務所を訪れました。なかには「市民記者に登録しました」とおっしゃる方もいました。

各紙・誌からの熱心な質問に、鳥越編集長は時に笑顔を交えながらも真剣な様子で応じていましたが、さすがに終盤は「大変だなぁ」と一言。オーマイニュースという新メディアに対する関心が高いのはとてもありがたいことです。

しかし何度も繰り返しますが、オーマイニュースを作るのは市民記者の皆さんです。編集長の役割はあくまでサポーター(のリーダー)。まだ記者登録を行っていない方はぜひ登録ください! すでに市民記者登録を行った方はどうぞオーマイニュースに原稿をお寄せください!

http://www.ohmynews.co.jp/blog/archives/2006/07/post_91.html#comments

 なんだかなあ、「市民が参加しタブーに挑戦する新メディア」のはずが「既存メディアからの取材」が殺到していることを「オーマイニュースという新メディアに対する関心が高いのはとてもありがたいこと」などと喜んでいるのは、あまりみっともよろしくないなあ・・・

 それはともかくコメント欄のほうがもう大変でありまして、最初の2つだけ取り上げても御覧の通り。

オーマイニュース・スタッフの皆様の忙しさが手に取るように伝わってきます。
この記事の様子では、オーマイニュース編集部様からのご回答は、
1000年待ってもなさそうですね。

だって、こんなに忙しそうなんだからw

投稿者 Anonymous : 2006年07月29日 18:55

いや、開店準備は結構ですから、ここで創刊前に店じまいしてくれませんか?

日本に『朝鮮のアカニュース』は要りません。
どうしてもやりたかったら、半島に皆様でお引っ越しするといいですよ。鳥越さん。

 ・・・(汗

 いや「日本に『朝鮮のアカニュース』は要りません。」ってキツイなあ(苦笑

 で、昨日(31日)になってブログのコメント欄を「予定通り」会員以外締め出しの通知となります。

編集局よりお知らせ
2006年07月31日

(前略)

さて、創刊予定日を目前に控え、市民記者の正式登録が順調に増えているのに伴い、本「開店準備中ブログ」の運営方法を本番サイトに近い形へと発展させたいと思います。

8月28日のオーマイニュース創刊後は、内部告発など記事執筆に伴い生活などに重大な影響を及ぼす可能性がある特別なケースを除き、記事の執筆者は原則実名となります。同時に、個々の記事に対するコメント書き込みも、市民記者プラス、「準市民記者」として氏名やメールアドレスなどをオーマイニュースに登録した方に限らせていただく方針です。これはオーマイニュースが匿名による誹謗・中傷・暴言・侮辱などを「責任ある参加」とは考えていないためです。

これまで本ブログはあくまで「開店準備中ブログ」であり、本番サイトではないという性格上、コメントを制限せず、削除などの措置も一切取ってきませんでした。しかし最近、一部の匿名コメンテーターがコメントの趣旨とは無関係にもかかわらず、市民記者の個人情報を公開するという悪質なマナー違反を犯しました。

このため本ブログも可能な限り本番サイトに近い形へと移行していくこととし、コメント欄は市民記者登録をしていただいた方の発言の場とさせていただくことにいたしました。ご参加希望の方はぜひ、市民記者登録をお願いします。

(後略)

(編集局)

 こんなことなら最初から会員専用にしておけばよかったのに・・・鳥越俊太郎編集長。

 さて気になる既存メディアの報じ方ですが、本日(1日)の毎日新聞朝刊から・・・

にっぽんに思う:/2 日本版「オーマイニュース」 匿名の中傷に危機感

 ◇嫌韓流に苦悩の船出

 「朝鮮メディアが反日活動を国内でやろうとしている」「日本に『朝鮮のアカニュース』は要りません」

 7月になり、こんな書き込みが次々と寄せられている。今月28日創刊のインターネット新聞「オーマイニュース」の「開店準備中ブログ」だ。韓国で00年に創刊した「オーマイニュース」の日本版。「市民記者」として登録すれば誰でも記事が書け、読者も意見を書き込める新媒体だ。

 市民記者を増やす目的で6月に開設したブログ。韓国生まれのメディアのためか、記事と無縁の韓国攻撃も目立つ。書き込みは誰でも読める状態のままだ。

 編集局内で議論が続く。氏名など事前登録した人だけが意見を書き込める「登録制」導入時期の議論だ。市民記者は約330人。「根拠のない中傷が飛び交っては、誰も市民記者にならない」と危機感も強い。1日から、書き込める権限を登録済みの市民記者に限り、創刊後は読者である「準市民記者」を含め事前登録した人に限ることとした。

 編集長の鳥越俊太郎さん(66)は「戦争を知らない若い世代が、経済発展した韓国に違和感を覚え、過去にあった差別意識を再生産した。ネットという匿名の場に、ネガティブな感情が噴出している。書き込み可能な読者の登録制は、当初からの予定通り」と語る。

 (中略)

 匿名のネット上の媒体で、「予定通り」とはいえ反響を寄せる読者は登録制。悩ましい船出となる。【樋口岳大、木村光則】=つづく

毎日新聞 2006年8月1日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060801ddm041040144000c.html

 あらら「日本に『朝鮮のアカニュース』は要りません」って毎日にまで取り上げられてます(苦笑)が、それはともかく「戦争を知らない若い世代が、経済発展した韓国に違和感を覚え、過去にあった差別意識を再生産した。ネットという匿名の場に、ネガティブな感情が噴出している。書き込み可能な読者の登録制は、当初からの予定通り」とお嘆きになっている鳥越俊太郎編集長なのでした。

 うーん、記事タイトルどおり発刊前から「日本版「オーマイニュース」 匿名の中傷に危機感」を募らせている鳥越俊太郎編集長率いるオーマイニュース編集部なのでした。

 ・・・

 匿名の無責任なコメントを排除するのはよろしいでしょう。

 しかしです、鳥越俊太郎さん、一言いいですか。

 あなたのジャーナリストとしての優柔不断ぶりには呆れてしまうのです。

 あなたはたしか最近までネットメディア批判論者でしたよね。



●繰り返しネットメディアを痛烈に批判していた鳥越俊太郎氏〜受け手が主観で都合のいいものばかりを取っていたら、間違った認識をする

 一年前の3月25日付産経新聞5面に掲載された鳥越俊太郎氏の評論「■「ジャーナリズムは不要」に異議」を、ご紹介しましょう。

 鳥越氏は、「インターネット情報は基本的に匿名性で責任の所在が不明。真実もあるが、うそや誹謗(ひぼう)中傷も多く、玉石混交」であり、「受け手が主観で都合のいいものばかりを取っていたら、間違った認識をするリスクがある」と、インターネットメディアを否定しています。

 一年前の3月27日の当ブログエントリーより抜粋。

(前略)

●「『ネット優位』堀江氏のメディア論どうみる」特集の掲載背景

 3月25日付産経新聞5面に、評論家3氏による「『ネット優位』堀江氏のメディア論どうみる」という堀江氏のメディア論に対する評論が3本掲載されました。

 25日といえば、ニッポン放送が上告を取り下げライブドア傘下に下った日に「ホワイトナイト」としてソフトバンクグループが電撃的に登場してフジテレビジョン筆頭株主になることを発表した翌日であります。そんなホットな日に産経新聞に掲載されていますので、これらの内容は当然堀江氏にたいし、批判的な論調が多くさまざまな表現で堀江氏への反論が出されています。

 まず、メディアリテラシー的に読者としてしっかりと認識していただきたいのは、これから論じる3本の評論は、その掲載されたタイミングと掲載された媒体(メディア)がすでに、極めて特異であり、だからこそ逆説的ではありますがメディアをリテラシーする素材として興味深いテキストなのです。

評論は以下の3本であり、産経ウェブに載っております。

■「ジャーナリズムは不要」に異議 (ジャーナリスト・鳥越俊太郎氏)

■ネットで文化の伝承は不可能   (ノンフィクション作家・山根一眞氏)

■現状に反発 「堀江支持」の土壌 (法政大教授(メディア文化論)・稲増龍夫氏)

「ネット優位」堀江氏のメディア論どうみる(1−2) (03/25)
http://www.sankei.co.jp/databox/jolf/2005/050325m_med_113_1.htm

「ネット優位」堀江氏のメディア論どうみる(2−2) (03/25)
http://www.sankei.co.jp/databox/jolf/2005/050325m_med_114_1.htm

●考察1:「『ジャーナリズムは不要』に異議」を考察する

 鳥越氏は堀江氏がインターネットの時代に「ジャーナリズムは必要ない」と話したことについて、強く異議を唱えています。

 ジャーナリズムの言葉の定義は難しいが、広い意味でニュースを収集、商品化して伝える「ニュースの職人」は、百年二百年かかって市民が主人公の近代市民社会に発展する過程で生まれ、社会のシステム上のミスや誤り、暴走をチェックし、伝えるために発達してきた。その中で育てられた精神、取材方法、表現方法、責任もひっくるめてジャーナリズムと呼んでいる。テレビやラジオには娯楽もあるが、ある程度維持されている。

 堀江氏の言う、新聞やテレビが情報を取捨選択せず速報性を重んじて伝え、受け手自身が取捨選択するという考え方は、半分は当たっている。現代は、受け手も受け止める力を持たなくてはならない時代だからだ。

 ただ、インターネット情報は基本的に匿名性で責任の所在が不明。真実もあるが、うそや誹謗(ひぼう)中傷も多く、玉石混交だ。受け手が主観で都合のいいものばかりを取っていたら、間違った認識をするリスクがある。

 プロ、すなわち訓練を積んだ職人が粘り強く貴重な情報を取材したり、正確さを吟味して伝えたりするのとは、根本的に異なる。記者が取材対象者に対して行う“夜討ち朝駆け”にしても、何度も空振りし、長い間足を運んでようやく情報が取れるといった努力を、彼は理解していない。

 彼の主張は2点に集約できます。

 ・プロのジャーナリストは、「百年二百年かかって市民が主人公の近代市民社会に発展する過程で生まれ、社会のシステム上のミスや誤り、暴走をチェックし、伝えるために発達してきた」のであり、「訓練を積んだ職人が粘り強く貴重な情報を取材したり、正確さを吟味して伝えたりする」ことは、これからも必要である。

 ・一方、「受け手自身が取捨選択するという考え方」は、「インターネット情報は基本的に匿名性で責任の所在が不明。真実もあるが、うそや誹謗(ひぼう)中傷も多く、玉石混交」であり、「受け手が主観で都合のいいものばかりを取っていたら、間違った認識をするリスクがある」ので、問題が多い。

 この2点ですが一般的ジャーナリズム論として、基本的には間違っていないと思います。しかし、木走としては欠落している重要な視点を指摘しておきたいです。

 インターネットに対し、鳥越氏は「受け手が主観で都合のいいものばかりを取っていたら、間違った認識をするリスクがある」と指摘していますが、ここへのフォーカスの当て方は少々ピンぼけであり、情報選択して「主観で都合のいいものばかり」を発信するリスクは、何もインターネットだけが抱えている問題ではなく、既存メディアにも根深く問われているメディア全体が共有する普遍的課題なのであり、例えば自身のこの評論自体が、産経新聞というメディアがある意図・目的を持って取捨選択した上で掲載している特集であることを、もっと強く自覚すべきであります。

まあ、「インターネット情報は基本的に匿名性で責任の所在が不明。真実もあるが、うそや誹謗(ひぼう)中傷も多く、玉石混交」であることは、現状としてある程度事実でありましょう。この点については後で考察いたします。

(後略)
 
産経新聞メディア論に対するメディアリテラシー的考察  より抜粋
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050327/1111912094

 昨年3月25日と言えば「ニッポン放送が上告を取り下げライブドア傘下に下った日に「ホワイトナイト」としてソフトバンクグループが電撃的に登場してフジテレビジョン筆頭株主になることを発表した翌日」であり、他ならぬライブドアと敵対関係にあった産経新聞の特集「『ネット優位』堀江氏のメディア論どうみる」でどうどうとインターネットメディアを批判していたのでした。

 「インターネット情報は」は「玉石混交」で、「プロ、すなわち訓練を積んだ職人が粘り強く貴重な情報を取材したり、正確さを吟味して伝えたりするのとは、根本的に異なる」と、堀江氏の『ネット優位』メディア論を徹底批判していたわけです。

 そんなネット批判を繰り広げていたジャーナリスト鳥越俊太郎氏が、一年経ってフジサンケイグループを「ホワイトナイト」として救ったソフトバンクグループが金をだすネットメディア「オーマイニュース」の編集長として堂々と「市民記者」中心のネットメディアの旗振り役になっているとは・・・

 お見事です(爆

 ・・・



●二枚舌とはオーマイニュース編集長の鳥越俊太郎氏のことです。

 6月1日の鳥越俊太郎編集長のごあいさつから・・・

鳥越です!!
2006年06月01日

みなさん!!
こんにちは!!ですね。

私、鳥越俊太郎はこのほどオーマイニュースの編集長をやることになりましたので、
この第一回目のブログでは一寸ばかりご挨拶させていただこうかなあ・・・・・っと思って書き出しました。

オーマイニュースは8月の下旬が創刊の日です。
これは恐らく日本のメディアの状況を一変させるような出来事だと私たちは思っています。
何しろ私たちの合言葉(ま、簡単に言えばキャッチコピーですね)は「市民みんなが記者」というんですからねえ。
あなたが「ううん・・・これは何か面白いぞ、どっかに書きたいな」と思ったら、すぐにオーマイニュースに記事を書いて頂ければいいんですから。

お母さん、何か言いたいことありませんか?
問題提起して頂けたら私たちがすぐにも調べます。
そしてお母さんもちゃんと調べて記事を書けばいいんです。

従来の『マスコミ』は新聞社やテレビ局や出版社が一方的に大量の情報を流していましたが、
これからはインターネットで誰でもが新聞社になれるし、テレビ局にもなれる時代なんでしょう。
私たちには専門の記者もいますから、市民記者と専門記者とがうまくドッキングすれば従来のメディアがやれなかったことを成し遂げることが出来るでしょう。
大いに期待して、私たちは船出します。

オーマイニュースの命は「市民記者」です。

がんばりましょ!!!!

オーマイニュースの開店に向けての準備は着々とかならずしも進んでいる訳ではありません。
が、その日までの一日一日の様子を総て明らかにして皆さんに楽しんで頂こうと取り敢えずブログをたちあげちゃいます。
宜しく。  

以上、初代編集長としてのご挨拶かな!


オーマイニュース編集長 鳥越俊太郎

 うーん、素晴らしい。

お母さん、何か言いたいことありませんか?
問題提起して頂けたら私たちがすぐにも調べます。
そしてお母さんもちゃんと調べて記事を書けばいいんです。

 お母さんにまで呼びかけていますよ(苦笑

 ・・・

 「市民みんなが記者」ですか。

 オーマイニュースの命は「市民記者」です」か。

 「これからはインターネットで誰でもが新聞社になれるし、テレビ局にもなれる時代なんでしょう。」ですか。

 ・・・

 つい一年前には マスメディアを通じてジャーナリストの特権意識丸出しで、「インターネット情報は玉石混交で、プロ、すなわち訓練を積んだ職人が粘り強く貴重な情報を取材したり、正確さを吟味して伝えたりするのとは、根本的に異なる」とネットメディアを批判してたじゃないですか。

 所詮は既存メディアに寄生虫のように巣くって依存してきた特権意識丸出しのジャーナリストなのであります。

 よくさんざん批判してきたネットメディアに恥ずかしくもなく編集長として収まったモノです。

 それともプロのジャーナリストである自分が編集長になればインターネット情報も「石」から「玉」に変わるとでもおっしゃいたいのでしょうか。

 ・・・

 笑止。

 相変わらず、上から物申す視線が抜けてない人です。

 二枚舌とはオーマイニュース編集長の鳥越俊太郎氏のことです。



(木走まさみず)



<関連テキスト>
産経新聞メディア論に対するメディアリテラシー的考察
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050327/1111912094