木走日記

場末の時事評論

英タイムスで吠えまくった石原都知事の発言内容を検証する

kibashiri2005-06-02


 今回は靖国参拝問題は休憩であります。



●朝テレビを見てたら、石原ビックリ発言にビックリ

 最近靖国参拝問題関連を連続エントリーしてきましたが、少々食傷気味でもあり、管理人も少しばかりばてましたので、今回は久しぶりに与太話でもして少し休憩しようと思っておりましたが・・・

 テレビの朝のニュースを見ていたら、何やら石原さんが英国メディアのインタビューで「北京オリンピックのボイコット」と「尖閣諸島をめぐる戦争奨励」発言をしたというではありませんか。

 ゲー、なんでこんな微妙な時期に暴言かましちゃうのよ、石原さん?
 しかも、海外メディアで(苦笑

 ていうことで、本当のところはどんな発言をしたのか、猛烈に気になりました。

 昨日付けの英国タイムスの記事だそうです。



●英タイムスの石原都知事発言記事を全文徹底検証する

 さっそく、英タイムスの記事を全文徹底検証いたしましょう。
 なお、記事中の強調文字(石原氏発言部分)は、木走が付記いたしました。

http://www.timesonline.co.uk/

June 01, 2005

Mr Notorious seeks Olympics boycott and little local war
From Richard Lloyd Parry in Tokyo
In an exclusive interview the Governor of Tokyo says that Japan should be tougher towards China

2005年6月1日

最も悪名高い人物氏がオリンピックボイコットと局地戦争を求める
リチャード・ロイド・パリイ(東京発)
日本は中国に対しより厳しくあるべきと語る東京都知事に単独記者会見

JAPAN’S most popular politician has called for a boycott of the Beijing Olympic Games and urged his Government to fight a Falklands-style “minor war” if China attempts to occupy disputed islands claimed by both countries.

 日本の最もポピュラーな政治家は、もし中国が、両国によって領有が主張されている紛争の渦中にある島を占領しようとするならば、北京オリンピックのボイコットを呼びかけている、そして、フォークランド紛争スタイルの「小さい戦争」を起こすように彼の政府に進言している。

The remarks of Shintaro Ishihara, the right-wing Governor of Tokyo, in an interview with The Times, will further inflame tensions that led to violent anti-Japanese demonstrations in China in April.

 右翼な東京都知事石原慎太郎のタイムズとのインタビューにおける所見は、この4月に中国における暴力的な反日デモで起きた緊張をさらに燃え上がらせることだろう。

There is growing pessimism among Japanese people about their future relationship with China, and a hardening of attitudes towards their vast and increasingly powerful neighbour.

 日本人の間で、中国との今後の関係において、そして巨大でますます強力になってきた隣人に対し態度が硬化することにおいて、悲観主義が拡大している。

Mr Ishihara is notorious for his extreme nationalist views, but recently he topped a newspaper poll of the politicians Japanese would most like to be their Prime Minister. A separate poll found that three quarters of Japanese were “worried” about the 2008 Olympics, given the hostility in China. Japan’s football team was booed ferociously during international games played there last year.

 石原氏は極端な国家主義的な見識のために悪名高い、しかしながら最近、日本人が次期首相になるべき最も望んでいる政治家の新聞社の世論調査においてトップだった。別の世論調査では、日本人の四分の三が、中国の敵意から2008年のオリンピックを「心配していたこと」がわかった。 日本のサッカーチームは昨年プレーされた国際大会の期間中、どう猛に野次を飛ばされた。

”The reason I speak of a boycott is because of the recent football games, and the trouble that was caused on that occasion,” Mr Ishihara said in his 45-storey headquarters in Tokyo. “I think that the Olympics in Beijing have the same significance in international politics as Hitler’s Olympics in Berlin in 1936. It was a demonstration against the background of military power. Beijing is hoping to show the same kind of posture.”

 「私がボイコットについて話す理由は、最近のサッカーの試合、およびその際に引き起こされた問題のためである。」と、石原氏は東京にある彼の45階建ての本部で言った。「私は、北京オリンピックは、国際政治の文脈でみると、1936年のヒットラーベルリンオリンピックと、同じ意味を持っていると考える。それは武力を背景としたデモンストレーションだった。北京は、同じ種類の示威を望んでいるのだ。」

Nobutaka Machimura, the Japanese Foreign Minister, was recently forced to deny rumours of a boycott when he met his Chinese counterpart in New York.

 町村信孝日本外務大臣は、最近ニューヨークで中国関係者と会談したときやむを得ずボイコットの噂を否定した。

The demonstrations in April, during which the Japanese Consulate in Shanghai was stoned by an angry crowd, were sparked by controversy over a Japanese school history textbook that skates over the more brutal aspects of the wartime occupation of China. Japan’s newly revived campaign to gain a permanent seat on the UN Security Council has also stirred up resentful anger.

 4月のデモは、その時上海の日本領事館は怒れる群衆によって投石されたのだが、戦時中の中国占領下における残虐な局面を軽んじた日本の歴史教科書をめぐる論争により引き起こされたものである。日本の国連安全保障理事会常任理事国の席を獲得する新たに巻き起こしているキャンペーンもまた怒りを買いまくっている。

The most troubling long-term problem, however, is the competition between the two countries over territorial rights and the natural resources that come with them.

 最も厄介な長期の問題は、しかしながら、領土権とそれがもたらす天然資源をめぐる両国間の紛争にある。

Mr Ishihara recently sailed to a distant reef known as Okinotorishima, over which Tokyo and Beijing are at odds. China insists that because the reef supports no life and is almost entirely covered at high tide it is a rock, which brings no right to the surrounding sea. Japan asserts that it is an island, and claims the surrounding maritime economic zone. The Governor, 72, was filmed kissing a plaque on the territory and swimming around it in a wetsuit, admiring its tropical fish.

 石原氏は最近、東京と北京が揉めている沖の鳥島として知られている遠洋の暗礁に向けて航海した。中国は、その暗礁は、生活を全くささえておらず、満潮時にはほぼ完全に海没してしまう、周囲の海に何ら権利をもたらさないただの岩石であると主張している。日本は、それが島であると断言して、周囲の海の経済水域を主張している。72歳の知事は、領土の碑にキスしているところを、ウェットスーツで周りで泳いでいるところを、熱帯魚を賞賛しているところを、撮影された。

Mr Ishihara has also been a vocal champion of Japan’s ownership of islands known as the Senkaku in Japanese and as the Diaoyu in China. “I would have Japanese soldiers stationed there, or Japanese residents living there, but the Ministry of Foreign Affairs prohibits this,” he said. “If there is a flashpoint there, I would not hesitate to fight a minor war to protect our own territory — like you did in the Falkland Islands.”

 石原氏はまた、日本語の「尖閣」として中国語の「魚釣」として知られている島の日本の領有権を主張する声のチャンピオンでもある。「私ならそこに日本の軍隊を配置、もしくは日本人居住者をそこに住ませるだろうが、外務省はこれを禁止している、」と、彼は言った。「仮にそこが勃発点になるならば、私は、私達固有の領土を守るために小さい戦争を起こすのをためらわないだろう、あなたがたがフォークランド諸島でそうしたように。」

Mr Ishihara abandoned national politics ten years ago and his position as Tokyo’s Governor gives him little opportunity to put his alarming ideas into practice — but his outspokenness and indifference to criticism have won him remarkable popularity. In last month’s poll in the bestselling Yomiuri Shimbun, 31 per cent of respondents named him as their choice as prime minister. The incumbent, Junichiro Koizumi, managed 16 per cent.

 石原氏は10年前に国政を捨てた、そして東京都の知事という彼の立場は、彼の驚くべき考えを実行に移す機会を彼に与えてはいない、しかし彼の批判への無遠慮さと冷淡さは彼に顕著な人気を勝ち取らせた。最大部数を誇る読売新聞における先月の世論調査では、回答者の31パーセントが(次期)首相の選択として彼の名を指名した。 現職である小泉純一郎は16パーセントに過ぎなかった。

“Looking back over history, China has never had an equal partner,” Mr Ishihara said recently. “It has either paid homage, or annexed another country. This is something we should take to heart. Looking at those childish and stupid demonstrations, many Japanese must have realised the true nature of that country. "

「歴史を振り返れば、中国には対等のパートナーは一度もいなかったのだ。」と、石原氏は最近言った。「敬意を表するか、他国を併合するかどちらかなのだ。 このことは私たちは肝に銘じておくべきだ。あの子供っぽい愚かなデモを見て、多くの日本人があの国の本質を理解したに違いない。」

“It is an honour for me to continue playing the role of ‘the most notorious Japanese’.”

「‘最も悪名高い日本人'の役割を果たし続けることは、私にとり名誉である。」



(訳:木走まさみず)

・・・(汗

 ふう。

 何なんでしょうか、この発言内容は。

 記事の内容の評価は読者のみなさまに委ねますが、木走としては、なんだかなあ、もう少しエレガントに発言できないものなのかなあ、と思うのであります。

 それにしても、石原さんは中国のこと全く信頼していないのですねえ・・・



石原さんにはオキシトシンを試してもらいたい

 信頼していないといえば、こんなニュースが飛び込んで参りましたよ。

「人を信頼させるホルモン」確認

 脳内で作られるホルモンの一種「オキシトシン」に、人間に対する信頼感を強める働きのあることをスイスのチューリヒ大学などの研究チームが実験で確認、2日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 研究チームは、58人の男子学生を対象に、合成したオキシトシンと偽薬を鼻に噴霧し、受託人(他人)にお金を預ける投資ゲームを行い、受託人を信頼し、どのくらいお金を預けるかを比較した。

 オキシトシンを噴霧されたグループの45%が、もっとも高い投資額を選んで受託人に預け、最も低い額を投資したのは21%だった。これに対し、偽薬を受けたグループの45%はもっとも低い投資額を選び、最も高い額を投資したのは21%だった。

 受託人をコンピューターに置き換えた場合は、預ける投資額に差は無かった。

 研究チームは「人を信頼できなかったり、逆に警戒心がきわめて薄いような症状への治療にオキシトシンが役立つ」としているが、一方で、悪用の危険性も無視できないとしている。

(2005年6月2日12時49分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050602it04.htm

 おお、すごいですねえ、人を信頼させるホルモンが発見確認されたのですか。

 よおし、これからは怒りっぽい人には「オキシトシン」ですよね。(爆笑

 そうだ、石原さんにはぜひオキシトシンを試してもらいたいです。

 ・・・

 ついでに、「オキシトシン」ミサイルを製造して、反日的な国に打ち込んじゃいましょうか。

 すみません、暴論でした。(汗



(木走まさみず)



<テキスト修正履歴>
2005.6.3 15:00 「オキシトシン」自体は発見されたわけではなかったので記述を訂正いたしました。

<関連テキスト>
●報知記事にクオリティで負けている読売記事の不思議
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050603