木走日記

場末の時事評論

こんな御人たちを政治家にしたことがいけない〜戦慄を覚える自民党系保守系議員の釈明

今回は小ネタです。

まずは竹本直一前IT相(80)です。

竹本直一氏は、2019年(令和元年)9月11日、第4次安倍第2次改造内閣においてIT政策担当大臣と科学技術政策担当、宇宙政策担当、クールジャパン戦略担当、知財戦略担当の特命担当大臣として初入閣しました。

戦後、最高齢の78歳で初入閣です、ものすごい長きにわたって大臣待望組でしたが、本人の能力の問題か適任の席がなかなか得ることができず、ギネス記録並みの最高齢でようやくゲットできたのが、なんとITの知識など皆無なのに、IT政策担当大臣です。

(関連記事)
竹本科技相ホームページ、数カ月前から閲覧不能 「大丈夫か」など書き込み急増
https://mainichi.jp/articles/20190912/k00/00m/010/237000c

当時、竹本氏は「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(自民党はんこ議連)の会長を務めており、アナログ派本流の政治家であり、IT担当大臣就任時(2019年9月12日)においての記者会見でデジタル化推進との利害対立について思いっきり突っ込まれ、その後、はんこ議連会長を自ら辞職しております。

悲しいかな、これまでの日本の政治の中で、IT担当大臣は重要視されてはきませんでした、大物政治家は選ばれず、どちらかと言えば大臣希望組政治家などが待ち行列を経て就任されるのでした。

さて時は流れて令和2年、コロナ禍の今日です。

竹本直一前IT相(80)の後援会が18日夜、大阪市内のホテルで政治資金パーティーを開いたことが判明しました。

会食はホテル内の円卓が並ぶ宴会場に移って開かれ、約80人の参加者に料理やアルコールが振る舞われ、会費は2万円で、参加者には「『令和二年忘年会』にご出席を賜り、誠に有り難うございました」などと書かれた竹本氏の署名入りの礼状が渡されたと、毎日新聞がスクープしています。

(関連記事)
竹本直一前IT相の後援会が80人参加パーティー 飲酒伴い、礼状に「忘年会」
https://mainichi.jp/articles/20201219/k00/00m/040/193000c?cx_testId=96&cx_testVariant=cx_5&cx_artPos=1&cx_type=collabctx&cx_recsMode=collabctx&cx_testId=96&cx_placement=1000&cx_campaign=5#cxrecs_s

さて、党内では、約1週間前に8人程度で会食した菅義偉首相が批判を浴び、忘年会や会食の自粛が相次いでいたさなかの出来事です。

開催を主催した竹本氏の秘書は、毎日新聞の取材に「認識が甘かった」と陳謝いたします。

ここまではよろしいのです、ここまでは。

いや政府は感染リスクが高い「5人以上」の会食自粛を国民に呼びかけている中で、国民に範を示すべき政治家が、80人もの酒を伴う「忘年会」を安直に開いたこと自体は責められるべきですが、別に犯罪行為ではないのですから、国民に陳謝して脇が甘かったことを猛省していただければよろしいのです。

だが陳謝したのは竹本氏の秘書であり、ご本人ではありません。

毎日記事によれば竹本直一前IT相は「私に責任はない」と、こうのたまっています。

「アルコールが入って飛沫(ひまつ)が飛び交う環境は避けるべきだったが、会食の開催自体を知らず私に責任はない」

なんでしょう、この政治家としての空気の読めなさ、危機感のなさは。

この危機的シチュエーションにおいて「私に責任はない」と言い放つ、竹本直一前IT相のその政治家としての大局観の無さ、状況把握能力の低さに、私は戦慄を覚えるのです。

だって、この政治家の言動に言葉をうしなう、この既視感(デジャブ)・・・

初めてではないのですもの。

こんな御人を大臣にした安倍政権がいけないです。

こんな御人を政治家にした衆院大阪15区の有権者がいけないです。

あきれて物も言えないとはこのことです。

ん?

別件です、愛知県西尾市自民党系市議会議員14人が宴会を開いていた問題で、コンパニオンを呼んだのは感染防止策の一環だったと釈明します。

愛知県西尾市議会「市民クラブ」・小林敏秋会長:「コンパニオンにつきましては議員の皆様が立ったり座ったりするのは感染しやすいのではないかということで、なるべく席は立たずにコンパニオンさんにビールなり焼酎を運んで頂くということで議員の皆さんがコロナにかからないようにという配慮だった」

(参考記事)
コンパニオンで感染防止? 市議14人宴会問題で釈明 より
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000202070.html

コンパニオンを呼んだのは感染防止策の一環、「議員の皆さんがコロナにかからないようにという配慮」(小林敏秋議員)だと釈明しています。

コロナ禍での自民党保守系議員がらみの「宴会」騒ぎが相次いで報じられています。

「宴会」そのものよりも、発覚後の当事者たちの釈明に、私は戦慄を覚えるのです。

「私に責任はない」

「議員の皆さんがコロナにかからないようにコンパニオンを呼んだ」

いずれの政治家もこのような不埒な戯言を真剣に発言しているところが、政治家として致命的です。

こんな御人たちを政治家にしたことがいけないのです。

私も含めて私たち有権者の責任です。

ふう。



(木走まさみず)

メルケル発言と対比して知性がないと批判される管発言~ファクトを無視して論じるのはフェアではないと思う

さて今回は最近話題の日本とドイツ2か国の首相の発言を取り上げたいのです。

まずは日本国総理大臣の「こんにちは、ガースーです」発言が大批判を受けています。

 菅首相は11日、インターネット番組に出演した際、「こんにちは、ガースーです」とネット上で使われている自身のニックネームを口にし、笑いを誘いましたが、この発言が大炎上します。

例えば、立憲民主党安住淳国対委員長は、国会内で記者団に「みんな新型コロナウイルス感染に危機感を持っている。お葬式の場で冗談を言っているような雰囲気だ。国民の空気感が読めていない」と痛罵します。

東京都知事舛添要一氏は「衆愚政治の極みである」と嘆きます。

「安倍長期政権の下、野党が非力で政権が安泰なのに安住し、愚民化した民を相手に人気取りに終始してきた。今はコロナが状況を一変させたが、それに気づいていない。たとえ愚民でも命に関わるからだ」と危機感を募らせます。

「こんにちは、ガースーです」、なるほど舛添氏によれば、これは、知的レベルの低いだろう日本国民(愚民)に対し、国民に重く横たわるコロナ禍の緊張感を全く読んでいない、知的レベルのそうとう低い日本国総理大臣の発言なわけですね。

(関連記事)
舛添氏、菅首相の「ガースー」発言は「衆愚政治の極み」
https://www.sanspo.com/geino/news/20201214/pol20121415270003-n1.html

・・・

一方、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が12月9日に連邦議会で行った演説は、歴史に残るだろうと国際的に高く評価されます。

普段は冷静沈着なメルケル首相が、珍しく感情を露わにして国民に対しコロナ対策への協力を求めたからで、普段のポーカーフェースを脱ぎ捨てた、彼女らしからぬ演説は、今日のドイツの事態の異常さを際立たせたものでした。

演説では具体的な数字によって、パンデミックによる被害が、約2カ月半でいかに深刻化しているかを示します。

「我々がこの予算案を最初に議会で審議した9月29日には、1日あたりの新規感染者数は1827人、集中治療室(ICU)で治療を受けていた重症者は352人、この日の死者は12人でした。しかし12月8日には、新規感染者数が2万815人に達しました。ICUで治療されている重症者は4257人。1日で590人が亡くなりました」

次のように結論付けます。

「これらの数字は、市民の間の接触が多すぎることを示しています。これまで我々が行ってきた、市民の接触を減らそうとする努力は不十分だったのです」

メルケル首相は、元科学者らしい一面をのぞかせます。

「私は科学による啓蒙(Aufklarung)の力を信じています。啓蒙主義は、今日のヨーロッパ文明の基礎です。私は社会主義時代の東ドイツで物理学を専攻しました。その理由は、社会主義政権がいくら政治的な出来事や歴史上の事実を捻じ曲げることができても、重力や光の速度などに関する事実や法則を歪曲できないと思ったからです」

ただ感情的に高揚する演説だっただけでなく、その内容は物理学者らしい知性を有していて実に説得力のあるものでした。

(関連記事)
拳振り上げ感情爆発「メルケル首相」厳戒ロックダウンの成否
https://news.yahoo.co.jp/articles/b821428007953a2928a1735375a1c8571326933e

・・・

さてこの両者の発言、知的レベルが違うと日本の一部メディアや論者が早速取り上げています。

(関連記事)
メルケル演説が示した知性と「ガースー」の知性の欠如
2020年12月15日(火)12時52分
藤崎剛人(ブロガー、ドイツ思想史)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/12/post-95187.php

大学非常勤講師でブロガーである藤崎剛人氏によれば、それぞれの発言の知的レベルの差が特に顕著なのは「知性に対する態度の落差」なのだと言います。

記事の該当部分を抜粋。

知性に対する態度の落差

もちろん、首相は演説が上手ければよいというものではない。いかにその言葉に真心がこもっているようにみえようと、それ自体はひとつのパフォーマンス以上のものではない。しかしここで再度強調したいのは、メルケルの「情熱的な」の中に込められた知性への誇りについてだ。啓蒙の精神を土台とした政策決定を行っていく姿勢をみせることは、単なるレトリックではない。そのような言明を首相がすることによって、科学的なものに裏打ちされた公正な政策について議論可能な土壌が、政治的につくられるのだ。

「こんにちは、ガースーです」の第一声のもとニコニコ動画に出演した菅首相に、そうした知性に基づいた政治を行う気概はあるのだろうか。政策決定の公正さについて、アカウンタビリティを果たす責任感はあるのだろうか。残念ながら、これについては悲観的にならざるをえない。菅政権発足直後に発生した日本学術会議に対する介入をみると、この政権が知性に対してどのような立場を取っているかを推察することができる。

・・・

さて、藤崎剛人氏と同じく大学非常勤講師でブロガーである当ブログとしての所感を述べさせていただきます。

まず、菅首相の「こんにちは、ガースーです」発言ですが、空気が読めていないという批判はまったく同感でありまして、低レベルの国民迎合で衆愚的だというご批判も反論の余地はありません。

ただこの菅首相のスベリ発言だけを切り取って、よその国(ドイツ)の首相の評判だった演説と、後から、その知的レベル(知性)を比較し、菅首相をこき下ろす、という論の立て方は、知的な意味でとてもではないですがフェアーな方法とは思えません。

こんなピンポイントに比較されれば、「メルケル演説が示した知性と「ガースー」の知性の欠如」が明らかなのは自明であると思えるからです。

その論の立て方はフェアでなくても、この同じタイミングでの2つの首相の発言は、明らかに菅首相にとってマイナスの評価に繋がることでしょう。

しかしながらです。

17日現在の両国の数値は以下の通りです。

    感染者    死者
日本   19万1647人 2806人
ドイツ 143万3830人 24273人

感染者数で7.4倍、死者数で8.6倍の開きがあり、人口は日本126.5百万人、ドイツ83.8百万人ですから、人口100万当たりの死者数は日本22.2人、ドイツ289.7人と13倍の開きがあります。

しかも今現在、発生死者数はドイツにて爆発的に増えています。

最近日本では一日当たりの死亡者が53人と過去最大数を記録していますが、ドイツでは、
上記メルケル演説の後で、1日のコロナ死者過去最多の952人を記録しました。

(関連記事)
ドイツ、1日のコロナ死者過去最多の952人 抑制策強化
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-germany-idJPKBN28Q1WU

これまでの過去最多は11日に記録した598人ですから、わずか5日で952人と死亡者数が急増しているのです。

上記記事で、藤崎剛人氏は、管首相を批判するのに、「ファクトは無力化することはできない。新型コロナウイルスの脅威もその一つだ」と結ばれています。

なるほどメルケルが言う通り、人は多くのことを無力化することができる。学問の自由もその一つである。医療崩壊の渦中にある人々の悲鳴や、「GoToキャンペーン」を停止すべきだとする専門家の意見も、無力化することができる。しかしこれもまたメルケルが言う通り、残念ながらファクトは無力化することはできない。新型コロナウイルスの脅威もその一つだ。

ドイツでは、日本を上回るペースで、感染者数・死亡者数が爆発的に増加している「ファクト」も、無力化することはできない大切な事実であることも指摘しておきます。

ドイツより一桁も感染者数・死者数ともに少ない我が国の首相と、一日当たりの死亡者数が1000人に届かんとするドイツの首相の危機感の違いを、ファクト「(基本的数値)を無視して論じるのはフェアではありません。



(木走まさみず)

結局、立憲民主党は、菅政権がGoToトラベルを推進しようが停止しようが批判をし続ける

「Go Toトラベル」をめぐって菅総理大臣は、政府の対策本部で、今月28日から来年1月11日までの間、全国一斉に一時停止する考えを表明しました。

そのうえで、飲食店などに対する、地方自治体の協力金について「年末年始の期間、支援額の単価を倍増し、最大で1か月当たり120万円を支援する。イルミネーションやイベントなどについても感染対策を最優先に検討してほしい」と述べました。

一方、菅総理大臣は「コロナに対応する医療機関で、集中治療室などをはじめ、空きベッドに対する収入補償などの支援策を延長し、さらに拡大する」と述べました。

そのうえで、新型コロナウイルスに対応する医療機関や派遣される医師、看護師への支援を強化し、医師は、1時間およそ1万5000円、看護師は、1時間およそ5500円を補助するほか、看護師が本来の業務に専念できるよう、清掃などの業務の民間事業者への委託を促し、その経費を支援する考えを示しました。

(関連記事)
GoToトラベル 全国一斉に停止へ 今月28日~1月11日 菅首相表明
2020年12月14日 20時45分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201214/k10012764041000.html

・・・

ここへ来ての菅総理大臣による急転直下の方向転換であります。

当ブログとしてこの苦渋の決断を支持いたします。

第三波による感染者急増と重症者数・死亡者数増加、北海道旭川など地域によっては医療崩壊危機が現実味を帯びつつある中で、年末年始のGoTo停止の判断です。

これは疫学的には正しい判断だといえます。

GoToトラベル政策とここへきての感染者増加の因果関係については、エビデンスの有無の議論はありますが、少し大きく科学的合理性で俯瞰すれば、古今東西、感染病対策の王道はキャリア(感染者)の移動を一定期間全面的に止めることであります。

ならば、GoToトラベル全国一斉停止は、象徴的な意味でも感染抑止策と受け止めることができましょう。

もちろん経済的には、特に観光業にとっては、大きなダメージを受けることになります。

政府としてできうる限りの経済的フォローをするべきであります。

感染者が増加するならば、GoToトラベル全国一斉停止など疫学的対策(ブレーキ)を強化して増加ペースを抑制、感染者が減少傾向顕著になれば、規制解除をして経済振興策(アクセル)を進める、結局ワクチン摂取が効果を発揮して事態が大きく改善されるまでは、ブレーキとアクセルを慎重に交互に踏み続けるしかないのです。

この新しい疫病に対する政策は状況に応じて、臨機応変に政策を変更することに躊躇するべきではありません。

その意味で、政策が朝令暮改であるとしても、当然なのでありましょう。

さて立憲民主党です。

政策が二転三転、朝令暮改だと批判します、さらに、GoTo停止の判断が遅きに失したとの批判であります。

立憲民主党
2020年12月14日
GoToトラベル全国一斉停止に「菅総理がこだわったため、全国に感染が広がったことは明白であり、人災」と福山幹事長
https://blogos.com/article/503879/

立憲民主など野党はかねてより再三菅政権に政策を転じてGoToトラベルを停止せよ、と主張してきたわけです。

なのに経済的損失を覚悟でようやく方向転換に応えた菅政権に対して、方針が二転三転し国民や観光業の現場が振り回される、と逆批判します。

「方針が二転三転をしたことで、国民や観光業の現場がどれほど振り回されたことか。事業者に甚大な損失が生じることは間違いありません。」

コロナ対策においても、初めに政権批判ありきなのです。

結局、立憲民主党は、菅政権がGoToトラベルを推進しようが停止しようが批判をし続けるのです。

政権を批判さえすれば事足りている野党の無責任さがどうにも鼻についてしまいます。

私は立憲民主党の支持率がわずか5%前後で低落し広く国民に支持が広がらないのは、このあたりの政党としての無軌道・無責任な言動にあると思っています。



(木走まさみず)

社民党と共に沈みゆくべき無責任な政治家・福島瑞穂氏

社民党は14日、都内で臨時党大会を開催し、事実上の分裂が決定的となりました。

一貫して合流反対を訴えてきた福島瑞穂党首は冒頭あいさつで「解散合流の道を選びません。社民党は残ります。社民党を再生します」としましたが福島党首を除く、吉田忠智幹事長、吉川元衆院議員、照屋寛徳衆院議員の3人が離党し、立民への合流が確実視されています。

社民党「分裂」の報道ですが、これは実質的には社民党「消滅」であると見て間違いないでしょう。

公職選挙法の政党条件は「国会議員が5人以上」、または「直近の衆院選参院選で2%以上の得票率」と定められています。

社民党は昨夏の参院選比例区で得票率が2%超え、2022年までは政党を維持できますが、所属国会議員が福島氏1人となった現状ではその後は政党を維持することは可能性としてゼロ、絶望的です。

さてこの事態を招いた責任は誰にあるのか、党大会の質疑応答では同党の衆院議員・照屋寛徳氏が福島氏を厳しく糾弾する場面も見られました。

(関連記事)
社民議員が福島党首を激しく糾弾「社会民主主義語る資格ない」「根性は最悪」
https://blogos.com/article/497779/

照屋氏は福島党首が「先輩方が築いた遺産をすべて食いつぶした」と痛罵します、上記記事より当該発言部分を抜粋。

はっきり申し上げます。あなた(福島党首)が2003年に党首になって10年間で、全国の社会党社民党の党員のみなさん、先輩方が築いた遺産をすべて食いつぶしたのはあなたなんです。そういう自覚はないんですか。

続いて「これまでいつも自分の都合が悪いと黙ってばっかり」と批判します。

あなたは一号議案に対する提案書をわざわざ書いて、その内容たるや悲惨なもの。三行半じゃありませんか。これほどね、党員、党友、国会議員を馬鹿にした意見書は前代未聞ですよ。

それについて、私が両院議員総会で聞いても、一言も答えない。そしてあなたは、これまでいつも自分の都合が悪いと黙ってばっかり。

「上辺はいいが、秘めたる根性は“最悪”」だと結びます。

書面による意見書にもまったく答えない。琉球王朝以来、沖縄の先輩方はあなたのような人を、「うゎーびちゅらーのうちくんじょ」(と呼ぶ)。上辺はいいが、秘めたる根性は“最悪”。

・・・

どうなのでしょう、社民党が事実上消滅する事態の責任を、外ならぬ社民党国会議員が自身の党首を罵倒しつつ追求する、これは傍から見ていて痛々しいのです。

党首に一番の責任があるのは自明だとしても、福島氏を批判する資格がはたして他の社民党国会議員にそもそもあるのか、彼女を今も党首として掲げてきたのだから、分裂するからと急に猛批判始めても後の祭りです、所詮あなた方も「同じ穴のムジナ」ではないのですか。

そもそも福島氏が自らの無責任な行動・言動に対して、正当な批判を受けると一切反論せず、貝のように口を閉ざし沈黙を守り、議論から逃げまくるのは、昔から有名だったでしょう。

そんな人物を長い間党首として崇めていた(いる)のが社民党なのです、関わる全員に責任があるのは自明でしょう。

・・・

当ブログでは過去何回も「従軍慰安婦捏造報道で沈黙を守る福島みずほ氏の大罪」を批判、「国会にて福島みずほ氏を証人喚問すべき」と主張してきました。

関連エントリー
従軍慰安婦捏造報道で沈黙を守る福島みずほ氏の大罪〜国会にて福島みずほ氏を証人喚問すべき
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/20140810/1407653495

再度主張します、国会にて福島みずほ氏を証人喚問すべき!
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/20140925/1411618171

最近の若い読者のみなさんの中には、本件をご存知ない人もおられるでしょう。

政治家・福島瑞穂氏の過去の無責任な振る舞いを、今一度確認します、しばしお付き合いをください。

・・・

朝日新聞の一連の従軍慰安婦捏造報道では、当ブログでは、捏造であるかどうかしっかり検証すべき記事は数多いのですが、その中でも以下の3つのスクープ記事がその後の日韓関係の崩壊と本問題の国際化に致命的な影響を与えたものだと認識しています。

【1】1982年9月2日付け『朝鮮の女性 私も連行』記事関連に関しては、「吉田氏が済州島慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します」と捏造を認めます。

【2】1991年8月11日付け『元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く』記事関連に関しては、「慰安婦と挺身隊の混同がみられたことから、誤用」とは認めますが、捏造記事とは認めていません。

【3】1992年1月11日付け『慰安所 軍関与の通達・日誌 募集含め監督・統制』記事関連に関しては、「宮沢首相の訪韓時期を狙ったわけではありません」とタイミングも否定、内容も問題はないのだとしています。 

【1】の吉田清治関連が捏造であると認められたのですから、次のステップは【2】と【3】の捏造記事の徹底検証です。

これらがすべて捏造であることが認められれば所謂「従軍慰安婦の日本軍関係者による組織的強制連行」はまったくの「創作」「ファンタジー」であることが証明されます。

とりあえず【2】1991年8月11日付け『元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く』記事関連に関して徹底検証すべきです。

そして、【2】1991年8月11日付け『元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く』記事関連に関して徹底検証するためには、福島みずほ議員、当事者であるあなたこそ重大な説明責任があるのではないですか。

現在沈黙を守っている福島瑞穂氏の責任は重大です。

本件で日本政府を相手に訴訟を起こそうとしたのが、福島瑞穂氏や高木健一氏などの弁護士で、彼らは韓国に渡って原告になる元慰安婦を募集しています。

そこで名乗り出たのが金学順で、キーセンに売られただけの女性を、朝日新聞の植村記者がこれを(吉田のストーリーにそって)「女子挺身隊として強制連行された」と誤って報じたのです。

福島氏はこの裁判に弁護士として深く関与します(ちなみに原告団側は敗訴、原告団長は植村記者の義母だったが、のちに裁判費用を詐取したとして逮捕され、行方をくらまします)。

さらに彼女は、直後の政府の慰安婦調査に、原告側関係者にも関わらず、なんとオブザーバーとしても参加しているのです。

朝日新聞とともに彼女にも重大な説明責任があります。

しかしながら、今に至るまで本件で一切の沈黙を守っている福島みずほ氏なのです。

私は福島氏が党首として社民党に残ることを支持いたします。

無責任な政治家・福島瑞穂氏は社民党と共に沈みゆくべきだと考えるからです。



(木走まさみず)

日米の差が悲しくなる、政党のシンボルカラー「赤」と「青」の話~我が国にも自民党に取って代われる健全な野党が必要

さて米大統領選で50州の国盗り合戦ならぬ選挙人獲得合戦で、共和党民主党のシンボルカラーがそれぞれ「赤」と「青」なことを、すっかり刷り込まれてしまった我ら日本人なのでありますが、今回は我が国の政党の「赤」と「青」の話であります。

ポスターの話です。

先月14日、自民党は新しいポスターを発表します、キャッチコピーは「国民のために働く。」です。

自民党はポスターをpdfファイルで公開しています、こちら。

f:id:kibashiri:20201113122200p:plain
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/pamphlet/20201013_poster.pdf

うーむ、なんか真っ赤な背景に上目遣いでニヤつく総理大臣のアップなのであります、ある種の迫力を感じますな、はい。

自民党広報部によれば、「上目遣いでニヤつく総理大臣のアップ」は、「表情を大きく配置することで、理想の未来を国民とともに、しっかりと見据え、さらなる高みを目指して改革に挑む力強さを表現」となります。

また「なんか真っ赤な背景」は、「背景に「赤」を用いることで、国民のために働き続ける、燃えるような熱意やぬくもりを鮮やかで深い赤のグラデーションで表し」たと、こうなります。

自民党広報部サイトより。

菅総裁の写真は、表情を大きく配置することで、理想の未来を国民とともに、しっかりと見据え、さらなる高みを目指して改革に挑む力強さを表現しました。また、背景に「赤」を用いることで、国民のために働き続ける、燃えるような熱意やぬくもりを鮮やかで深い赤のグラデーションで表しました。

(関連記事)
新ポスターを発表 キャッチコピーは「国民のために働く。」より
https://www.jimin.jp/news/information/200681.html

うむ、「燃えるような熱意」の真っ赤な自民党ポスターなのでありました。

さて立憲民主党であります。

自民に遅れること一か月、ついに新ポスターを発表いたします。

立憲民主党公式サイトのトップページで公開されています。

f:id:kibashiri:20201113122220p:plain
https://cdp-japan.jp/

いやあ、青い、青すぎる・・・

自民が「真っ赤」なら立民のポスターは「真っ青」です、自民が「国民のため」なら立民のキャッチは「あなたのため」です。

青を基調に演説をする枝野幸男代表の写真なのでした。

会見を開いた蓮舫代表代行は「国民とひとくくりにするのではなくて、性別や年齢を超えた多様性のある一人ひとりに届くあなたの政治。それが立憲民主党だ」とキャッチフレーズに込めた思いを説明しています。

(関連記事)
立憲民主党がポスターを発表「あなたのための政治」
https://www.asahi.com/articles/ASNCC65QKNCCUTFK016.html

うーん、「多様性のある一人ひとりに届くあなたの政治。それが立憲民主党だ」と、蓮舫さんに青筋をたてて言い切られても少しひいてしまうばかりなのですが、そうですか、自民党は国民とひとくくりにしてけしからんですか。

・・・

赤と青は、光の三原色と色の三原色の両方に含まれている基本的な原色であり、単独でも視覚に印象を与えますが、両者を組み合わせることでいちだんと強い視覚効果を示します。

特に彩度が高い場合、視覚的に刺激的な効果をもたらすといわれています。

アメリカ大統領選における共和党VS民主党の激しい「赤」と「青」の攻防を見てきました我々としては、良きにつけ悪しきにつけでありましょうが、かの国の政治に対する「熱情(パッショ)を見せつけられたのであります。

少なくとも200年の長きにわたり政権交代が普通に可能な二大政党を有する民主主義国家アメリカに対し、我が国の政治の貧困を憂いざるをえません。

我が国にも自民党に取って代われる健全な野党が必要なのです。

それなのに、です。

立民が自民党の「真っ赤」なポスターに対抗して「真っ青」をなポスターを作成、キャッチコピーまで自民党の「国民」に対して「あなた」をぶつけてきました。

与党にキャッチコピーやシンボルカラーで対抗するのもよろしいでしょう。

しかし肝心なのは中身なのであります。

日米の差があまりにも浮き彫りになってしまって悲しくなる、政党のシンボルカラー「赤」と「青」の話でありました。



(木走まさみず)

非科学的に敗北を認めないトランプ氏の態度は見苦しい

さて大混戦というよりも大混乱の様相を呈しているアメリカ大統領選でありますが、現在(日本時間5日午後6時)に至っても決着をみていませんが、どうやらジョー・バイデン候補が、来年1月にホワイトハウスを引き継ぐ可能性が高まり始めました。

何が起こっていたのか、後追いですが少し統計数値を押さえておきましょう。

エジソン・リサーチが実施した出口調査は、民主党の得票率増だけでなく、有権者内の分断線も反映しています。

バイデンは女性票では大勝して、男女間での得票率の差は13%に上り、マイノリティでも大差で勝利しています(黒人の87%、アジア系とラテン系では3分の2の支持を得ています)。

また、30歳未満の若者はほぼ3分の2がバイデンに投票し、大学卒業者も確実に過半数がバイデンに票を投じています。人口動態の今後の変化を考えると、民主党の前途は明るいといえます。

一方、トランプは、前回の選挙と同じく、白人票では勝利し(57%)、差は小さくなるが65歳以上の層でも民主党候補を上回りました。

これらの出口調査結果では、トランプはアメリカの労働者階級の票を獲得したという見方は当てはまりません。

大学の学位を持たない人は両候補者間で半々に分かれ、バイデンは労働組合世帯の票の57%を獲得しています。トランプは富裕層で実際によい結果を出し、所得10万ドル以上の層の過半数の支持を得ただけです。

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トランプ大統領は4日、ツイッターに「多数の票が秘密裏に廃棄されたと広く報じられている」と書き込み、不正が行われたとの見方を示します。

集計の結果、民主党のバイデン前副大統領の選挙人獲得数が過半数に達した場合に、「不正があった」として敗北受け入れを拒む布石とみられています。

トランプ氏は「大統領選自体の信頼性が傷ついている」とも投稿、トランプ氏はかねて、新型コロナウイルスの感染拡大で郵便投票が大幅に伸びたことで「不正が増える」と根拠を示さず主張。投稿に先立つ4日の演説でも「最高裁へ行くことになるだろう」と述べ、結果次第で法廷闘争に持ち込む構えを示しています。

(関連記事)
トランプ氏「不正」主張 敗北拒否へ布石か 米大統領
https://news.yahoo.co.jp/articles/a44c5584ef12abf7a9e966abfd2030b628a5d1c5

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今回大混乱の大統領選ですが、その投票率は、期日前が過去最多となり過去最高を112年ぶりに更新する勢いです。

予想では投票総数が1億5000万人、投票率が1908年以来の約65%に達する可能性が高いとされています。

(関連記事)
米大統領選、112年ぶり高投票率も 期日前が過去最多
トランプ政権 米大統領選 北米
2020/10/30 21:51
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65703170Q0A031C2EA2000/

これだけの規模の選挙戦で65%(1億5000万人)ものの高投票率を実現したアメリカです、いろいろ言われていますが、さすが『民主主義国の盟主』であるとこの一点は賞賛に値しましょう。

史記・准陰候』に「敗軍の将は以て勇を言うべからず。亡国の大夫は以て存を図るべからず(戦に負けた将軍は武勇について語る資格がない。滅んだ国の家老は国の存立を考えるべきではない)」とあります。

東洋には、戦(いくさ)で失敗した者が弁解がましく発言したりすべきではないという戒めがあります。

しかしトランプ氏です。

不正があった事実や根拠が示されているならまだしもです、事実の開示もなく、根拠なく「選挙不正」を訴え、「トランプ敗北」を最後まで認めないとすれば、ある意味、それは民主主義の否定でしょう。

これまで安倍政権を通じて日本との外交関係も良好でありましたので、当ブログは消極的ですがトランプ大統領を支持をしていましたので、敗北を認めないこの非科学的態度には正直がっかりです。

もちろん、いまだまだ結論は出ていません、本エントリーはトランプ氏敗北を仮定した話です。

非科学的に敗北を認めないトランプ氏の見苦しい態度はいただけません。



(木走まさみず)

地域により住民の投票動向が二極化していた大阪都構想

大阪市を残す選択を市民は選びました、同市を廃止して4つの特別区に再編する大阪都構想住民投票は、「反対」という結果になりました。

今回はこの投票結果を地域別に分析してみたいと思います。

大阪市が24区地域別の投票結果を公表しています。

f:id:kibashiri:20201102111526p:plain
https://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu240/sokuho/kaihyo_data_10.html

24区の内訳は、賛成区が10、反対区が14になっています。

色付けするとご覧のとおり。

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大阪市役所の公開データより『木走日記』作成

大阪24区の位置を大阪市役所の地図で確認しておきましょう。

f:id:kibashiri:20201102111600p:plain
https://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/cmsfiles/contents/0000489/489173/kuwari.png

この地図を利用して賛成10区と反対14区を色付けしてみます。

f:id:kibashiri:20201102111620p:plain
大阪市役所の公開データより『木走日記』作成

これは興味深いです。

賛成の10区が大阪市北東中心部に集中していることが見て取れます。

賛成の10区、北区・都島区福島区中央区・西区・浪速区淀川区東淀川区城東区鶴見区はご覧のとおり、大阪市中心部に集中しています。

北区は大阪の中心地、いわゆる「キタ」のある、官庁街&ビジネス街&オシャレな繁華街。JR大阪駅・阪急/阪神/地下鉄の梅田駅があります。高級ホテルやデパートが多いです。

浪速区はもうひとつの中心地、中央区にかけて、いわゆる「ミナミ」・難波(なんば)のある、ビジネス街&大衆的な繁華街&歓楽街です。JR難波駅・南海難波駅中央区にまたがる)があります。

中央区ももうひとつの中心地。いわゆる「ミナミ」。ビジネス街&大衆的な繁華街&歓楽街。大阪城があります。近鉄大阪難波駅があり、船場・心斎橋・道頓堀・千日前があります。老舗の商店や問屋、デパートが多いです。

対して、いわゆる「釜ヶ崎」がある西成区や、焼肉屋さんの集中する「鶴橋」がある生野区など大阪市中心部より少し離れた位置の区はことごとく反対区となっております。

大阪市住民の明らかな地域による投票動向の二極化は興味深いですね。

中心部の住民ほど大阪都構想に「賛成」投票する傾向が顕著であり、中心部以外の住民ほど「反対」投票する傾向が顕著だったわけです。

中心部以外の住民ほど「大阪市民」のポジションに心情的に依存していたのかもしれません、投票が迫るにしたがって「大阪市」が無くなることへの不安感がつのったのかもしれません。

中心部10区しか賛成支持過半数を保つことができなかった、周辺14区から支持を失っていった、維新の敗因は、このあたりにありそうです。

今回は地域により住民の投票動向が二極化していた大阪都構想の投票結果を分析いたしました。



(木走まさみず)