韓国の日本経済『侵略』対策特別委委員長のアツい会見〜かえって韓国の異常さを世界に広めることになる非論理的でめちゃくちゃな会見だ
さて、日本経済侵略対策特別委員会であります。
韓国与党「共に民主党」は17日「日本の経済報復対策特別委員会」の名称を、「日本の経済侵略対策特別委員会」に変更したと発表します。
時事通信記事より。
「経済侵略」特別委に名称変更=韓国与党、日本の輸出管理強化で反発
2019年07月18日10時10分【ソウル時事】韓国与党「共に民主党」は17日、日本政府による輸出管理強化措置発動を受けて党内に設置した「日本の経済報復対策特別委員会」の名称を、「日本の経済侵略対策特別委員会」に変更したと発表した。
「日本の経済『侵略』対策特別委員会」への名称変更ですが、韓国聯合ニュース記事がその意図に関してくわしいです。
聯合ニュース記事より。
韓国与党「経済戦犯国として記録される」 輸出規制巡り日本に警告
記事一覧 2019.07.18 12:25崔宰誠(チェ・ジェソン)委員長は日本の輸出規制に関し、「日本発の経済大戦が現実のものとなるなら、日本は再び国際貿易秩序を崩壊させた『経済戦犯国』として記録されるだろう」と警告した。
韓国政府の対応については、「政治的な問題で経済報復をしてはならないという原則を一貫して強調し、日本政府の措置が名分のない一方的な侵略行為であることを明確にした」と評価した。
また、日本が輸出手続きで優遇する「ホワイト国」から韓国を外す方針であることに関し、半導体などの材料3品目に対する輸出規制を全面的に拡大するものであり、「グローバル経済秩序に対する明らかな宣戦布告」だと指摘。その上で、「安倍晋三政権の経済侵略は経済を媒介として(韓国に)コントロール可能な親日政権を樹立しようとするものだ」と批判し、決してこれに屈服しないと述べた。
同党は前日、委員会の名称を「日本経済報復対策特別委員会」から変更し、対日強硬姿勢を強めている。
なるほど、「『経済報復』対策委員会」から「『経済侵略』対策委員会」の名称変更は、崔宰誠(チェ・ジェソン)委員長曰く「日本発の経済大戦が現実のものとなるなら、日本は再び国際貿易秩序を崩壊させた『経済戦犯国』として記録されるだろう」と、日本は『経済戦犯国』になるという訳であります。
日本の『経済侵略』対策委員会とは、委員会の名称からして尋常ではないわけですが、韓国の国会与党の委員長自らが日本は『経済戦犯国』として歴史に記録されると宣言しているのですから、いやはやなんともであります。
さて、25日、崔宰誠(チェ・ジェソン)共に民主党日本経済侵略対策特別委委員長が25日、海外メディア記者相手に会見を開きます。
(関連記事)
日本経済侵略対策特別委委員長「日本、自国企業の被害甘受…神風自爆を想起」
2019年07月26日08時24分
https://japanese.joins.com/article/939/255939.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|main|top_news
崔委員長の発言がなかなか過激です。
記事より発言部分を列挙。
「自国企業の被害まで当然視する態度で神風自殺爆撃が行われた真珠湾空襲が想起される。(戦犯国)日本は経済戦犯にならないよう願う」
「今回の経済侵略の最終終着点は明らかだ。韓日葛藤を意図的に増幅して憲法を改正して再武装しようとすることだ。戦犯国日本の再武装という妄想は後戻りできない世界経済の破壊につながるだろう」
「実状をよく見てみると戦略物資統制の部分において日本は深刻な後進国だ。(日本を)国連安保理制裁委員会に回付することを政府に要請する」「東京五輪まで1年を切った今、歴史認定と率直な謝罪がない日本に平和オリンピックの資格があるのか聞きたい」
「さらに福島農産物に対して偽りの強弁をして自国民も冷遇する食品を全世界の五輪参加選手たちの食卓に上げるという。政治に目がくらんで五輪選手たちまで人質に取ったもの」
委員長の発言以外にも同席した特別委委員である金民錫(キム・ミンソク)元議員も発言します。
「安倍首相が直ちに経済戦争を中断してその原因である歴史を謝罪しなければ、彼が最も売りたがっている製品東京五輪に対して全世界の良心が不買運動をすることになるだろう」
この日本経済侵略対策特別委委員長の海外メディアへの会見は、当然ですが、海外メディア記者から質問が相次ぎました、
「経済戦争・侵略などの単語使用が民族主義的・感情的な対応を引き起こし、外交をかえって難しくさせかねないという見解についてどう思うか」(ロイター通信)
「政府次元でも韓国国民の日本製品不買運動を望ましい対応だと見るか」(ワシントン・ポスト)
「ロシアの戦闘機が韓国領空を侵攻し、北朝鮮が短距離ミサイルを発射した。韓日関係悪化で隙が広がったため起きたことではないか。今後も悪化する場合の代案は何か。文在寅(ムン・ジェイン)大統領に安倍首相と会談するように建議しなければならないという世論もある」(英国スカイニュース)
「(韓国が)ホワイトリストから除外されるなら、東京五輪ボイコットの可能性も排除できないと整理してもかまわないか」(サウスチャイナ・モーニング・ポスト)
「(経済侵略の代わりに)経済圧力や他の表現はどうか」(産経新聞)
これらの海外メディア特派員の当然の疑問に対し委員長は以下のように反論しています。
「韓日の歴史問題などは外交で解決するべきなのに、経済産業をこじつけたことは大いなる失策だと言うこと」
「国民の自発的不買運動に関与することそのものが国際規範に外れて国民を冒とくする」
「(メディアが)安倍政府に要求せざるをえないのではないか」
「(東京五輪ボイコットの件には)外交的解決法を模索しようと一様に述べているのに、なぜボイコットのことを聞くのか」とした。
「名前というものは正名、正確な規定が重要だ」
「慰安婦被害者が過去にされたことを国家強姦、国家性暴力と言い、こうしたことが正しいネーミングなのに日本が認めないためこうした問題が生ずる」
以上、日本経済侵略対策特別委員会の崔委員長の海外メディアに対する会見でありました。
まとめます。
「日本は経済戦犯」とか「歴史認定と率直な謝罪がない日本に平和オリンピックの資格があるのか」など、崔委員長の外交マナーを欠く煽り発言に、たとえばロイター通信は冷静に批判的質問をいたします。
「経済戦争・侵略などの単語使用が民族主義的・感情的な対応を引き起こし、外交をかえって難しくさせかねないという見解についてどう思うか」(ロイター通信)
対して、委員長の反論はこうです。
「韓日の歴史問題などは外交で解決するべきなのに、経済産業をこじつけたことは大いなる失策だと言うこと」
「慰安婦被害者が過去にされたことを国家強姦、国家性暴力と言い、こうしたことが正しいネーミングなのに日本が認めないためこうした問題が生ずる」
「国家強姦、国家性暴力と言い、こうしたことが正しいネーミング」って、うーん。
以上、日本経済『侵略』対策特別委員会の崔委員長のアツき会見でありました。
このような名称の委員会並びに、その委員長のこのような非論理的でめちゃくちゃなアツい会見は、韓国にとってかえって不利益となるかもしれません。
つまりかえって韓国の異常さを世界に広めることになるということです。
(木走まさみず)
フッ化水素などの日本企業の優位性について検証〜文在寅大統領だけが事態の深刻さをいまだ理解していない
日本は7月4日から、半導体製造に関わる、有機ELパネル製造に必須の感光材(レジスト)、エッチングガス(フッ化水素)、ディスプレイ用樹脂材料(フッ化ポリイミド)の3材料を韓国に輸出する際、個別に許可を求めることとしました。
日本経済新聞によれば、韓国はレジストでは91.9%、フッ化水素では43.9%(中国が46.3%)、フッ化ポリイミドでは93.7%を日本から調達しています。グローバルでみてもこれらの製品は日本企業のシェアが大きいのです。
(関連記事)
半導体供給網に見直し懸念 日本の存在感低下も
対韓輸出規制、世界にリスク
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47322310S9A710C1EA4000/?n_cid=DSREA001
さて、今回はこれらのフッ化化合物について、その基本的な製造工程を押さえつつ、どのあたりに日本企業の優位性があるのか、整理しておきます。
少し長めのエントリーとなります、お時間のある読者はお付き合いください。
さてフッ化水素であります。
水素とフッ素とからなる無機化合物で、分子式が HF と表される無色の気体または液体で、水溶液はフッ化水素酸あるいは無水フッ酸とも称されます。
無水フッ酸の生成には、蛍石(ほたるいし)と硫酸を使用します。
■図1:フッ化化合物の製造過程1
※『木走日記』作成
上図※1における化学反応としては下の式のとおり、弱酸塩・蛍石(CaF2)に強酸・硫酸(H2SO4)を反応させ、強酸塩(CaSO4)が生成する過程で無水フッ酸(HF)も同時に生成されます。
■図2:無水フッ酸の生成式
※『木走日記』作成
ここで生成されるフッ化水素ですが、毒物及び劇物取締法の医薬用外毒物に指定されています。
ここで99.99%以下の低純度製品は海外でも製造が容易ですが、純度が非常に高い、超高純度のモノはエッチングガスと呼ばれています。
2019年7月時点で99.999%以上の超高純度のエッチングガスは日本企業のみが製造可能です。
高純度フッ化水素が製造出来る日本企業はステラケミファ、森田化学、ダイキンの三社でこの三社て世界シェア100パーセントであり、森田化学が9割ほどです。
日本勢が圧倒的シェアを握る高純度フッ化水素の生成はノウハウが詰まっています。
日経記事より抜粋。
樹脂の生産に使う場合は不純物を1000分の1以下に抑えれば済むが、高性能な半導体製造向けは1兆分の1以下の水準が求められる。芝浦工業大学の田嶋稔樹教授は「ヒ素などの不純物は温度による分離だけでは取り除くことが難しく、特別な方法が必要だ」と話す。
フッ化水素は毒性や腐食性が高く、取り扱う設備にも安全性が求められる。田嶋教授は「特殊合金などを使った設備が必要になる。日本は1970年代から半導体生産に取り組み各社が独自のノウハウを持つ」と話す。
韓国、半導体材料の代替検討 高品質の日本勢にリスク より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47455320X10C19A7EA2000/
日経記事中の「高性能な半導体製造向けは1兆分の1以下の水準」ですが、これは99.9999999999%という日本企業のみが有する高純度技術であり、9が12個並ぶことから「トゥエルブナイン」と呼ばれています。
さてフッ化化合物の製造工程に戻りますが、生成した無水フッ酸に各種の有機塩化物を加えることでフルホロカーボンが作られます。
■図3:フッ化化合物の製造過程2
※『木走日記』作成
フルオロカーボン (英: fluorocarbon) とは、炭素-フッ素結合を持つ有機化合物の総称で、化学反応がおきにくく、温度を変化させても安定であり、冷蔵庫やエアコンにおける冷媒や、精密電子部品の洗浄剤などとして用いられます。
このグループは俗称として「フロンガス」とも呼ばれます。
例えば上図※2で生成されるフルオロカーボンの例としては、メタンは水素原子1つがフッ化してフロン41になります。
■図4:フルオロメタン(フロン41)
※『木走日記』作成
さらに水素原子全て4つがフッ化してフロン14になります。
■図5:パーフルオロメタン(フロン14)
※『木走日記』作成
さてフッ化化合物の製造工程に戻りますが、生成したフルホロカーボンや各種中間体から、最終工程として重合などの化学反応を利用して、繊維処理剤やフッ素樹脂などの最終製品が作られます。
■図6:フッ化化合物の製造過程3
※『木走日記』作成
さてここで特筆すべきは上図※3において「6FDA」という中間体が生成されることです。
「6FDA」は非常にユニークな構造を持っています。
■図7:6FDAの分子構造
※『木走日記』作成
これこそがフッ化ポリイミドの原料となりますが、純度の高い「6FDA」は日本のダイキン工業しか作成できません。
日経記事より抜粋。
ダイキン工業はフッ化ポリイミドの原料である「6FDA」というフッ素化学品を製造し、国内の化学メーカーに供給する。フッ素は他の物質とくっつきやすい性質があるが、ダイキンは不純物を除去し純度の高い化学品をつくる技術に強い。フッ化ポリイミドは今回の規制対象だが、ダイキンの原料は対象外だ。
韓国、半導体材料の代替検討 高品質の日本勢にリスク より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47455320X10C19A7EA2000/
まとめます。
「フッ化化合物の製造過程」をまとめておきます。
■図8:フッ化化合物の製造過程(まとめ)
※『木走日記』作成
いま検証したとおり、日本のフッ化化合物製品の製造ノウハウは長期にわたり蓄積されており、その精度において中国や韓国などのメーカーにより、すぐに置き換えることは困難であると思われます。
今見たとおり、脆弱な基盤のうえで成り立つ韓国半導体産業は、日本の高精度材料に大きく依存しているのです、代替は当分の間不可能なのです。
しかるに文在寅大統領はこうした韓国の基本的な位置付けを理解していません。
現在もその発言は必要以上に日本を刺激しています。
残念なことですが、文在寅大統領だけが事態の深刻さをいまだ理解していないようです。
(木走まさみず)
「韓国が日本に対抗して軽空母建造へ」(朝鮮日報記事)〜韓国の仮想敵は北朝鮮ではなく日本なのか?
韓国の朝鮮日報の報道によれば、韓国軍が日本に対抗して垂直離着陸機を搭載する軽空母建造するとのことです。
F35Bステルス戦闘機10機を搭載、3万トン級の空母だそうです。
韓国軍、垂直離着陸機を搭載する軽空母建造へ
F35Bステルス戦闘機10機を搭載、3万トン級
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/23/2019072380048.html
興味深い点は、記事をよく読むと、この話実は「長期需要として推進すると決定」しただけであり、計画は今だ白紙、国防中期計画にも反映されておらないのでした。
「大型輸送艦II」事業を長期需要として推進すると決定した.
「国防中期計画に反映された後、およそ10年経てば艦が建造されるだろう」
つまりまだ未定ですが国防中期計画に反映された後、その後およそ10年経てば艦が建造されるはずだというわけです。
少なくとも実現するのに10年以上は掛かるだろううえに、現段階では「推進」することだけが決定しただけの実現不確定の「空母建造」計画を、堂々と報道する韓国メディアなのであります。
韓国ではよくありますが、実現可能性不明のバルーン記事と申せましょう。
朝鮮日報のこのタイミングの「韓国が日本に対抗して軽空母建造」記事なのであります。
我々日本人としてはいろいろ考えさせられる記事なわけです。
特に記事では、明確に「韓日関係が最悪へと向かう中、日本の軽空母保有の動きに対応」と明記されている通り、どうやら韓国軍の軍備整備する際の仮想敵は北朝鮮ではなくもはや日本であるという点であります。
そしてそれを政府もメディアももはや隠そうとしていないのですね。
「日本の軽空母保有の動きに対応」
韓国はどちらを向いて軍備を整備しようとしているのでしょうか。
(木走まさみず)
徴用工判決で「(日本は)外交の場に出てこい」(文大統領)だと?〜なんだろう、真実が時と共に捻じ曲がっていく・・・
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、日本に対して、「日本の被害の方が大きい」「(日本は)外交の場に出てこい」と、強気の発言を行いました。
(関連記事)
輸出優遇除外:文大統領「日本の被害の方が大きい」「外交の場に出てこい」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/16/2019071680001.html
「(日本は)外交の場に出てこい」との発言部分を記事より抜粋。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、日本の経済報復について「日本政府は一方的に圧力を加えるのをやめ、今からでも外交的解決の場に戻ってくるように願う」と述べた。文大統領は同日の韓国大統領府首席秘書官・補佐官会議で、日本に対して徴用判決問題を話し合うための外交協議に応じるよう要求した上で、このように述べた。
(中略)
文大統領は「政府は大法院(最高裁判所)徴用被害者判決履行問題の円満な外交的解決策を日本政府に提示した。我々が提示した案が唯一の解決方法だと主張したことはなく、両国国民と被害者たちの共感を得られる合理的な案を協議しようということだ」と説明した。韓国政府は韓日両国の企業が作った基金で徴用被害者に慰謝料を支給する「1+1」基金案を提案したが、日本は拒否した。
文大統領は徴用工判決問題に関して「(韓国政府は)円満な外交的解決策を日本政府に提示した」したのに、日本は拒否、こそこそ隠れていないで「(日本は)外交の場に出てこい」と吠えているのです。
こそこそ隠れていないで「外交の場に出てこい」ですと?
これが一国の大統領の責任ある発言なのでしょうか?
事実は逆です、この8ヶ月間、こそこそ隠れて外交の場に出てこなかったのは文大統領、あなたのほうです。
徴用工判決問題に絞りこの8ヶ月間に起こったことを検証し、文大統領の発言の正誤を徹底的に明らかにしましょう。
お付き合いください。
2018年10月30日 、太平洋戦争中、朝鮮半島から内地に動員された元徴用工の人達が、新日鉄住金に損害賠償を求めていた裁判で、韓国の最高裁判所は、ひとりにつき1億ウォン、日本円にしておよそ1000万円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
この判決は、日韓関係の根幹をも揺るがしかねない衝撃的なものです。
何と言っても「解決済み」とされていた問題が一転「未解決」とされたからです。
1965年の請求権協定で日本政府は韓国政府に総額5億ドルの経済協力を約束し、韓国政府はこの資金を運用して徴用で死亡した人にひとりあたり30万ウォンを支給しました。
歴史の清算に熱心に取り組んだノ・ムヒョン政権は2005年になって請求権協定の法的な効力について再検討を行いましたが、この時も国内で立法措置が取られていることなどを理由に「解決済み」と結論づけています。
ところがこの2018年10月30日の判決は、「植民地支配は不法な強制的な占領だった」と決めつけたうえで、「植民地支配と直結した不法行為などは請求権協定の対象に含まれていない」と断定し、新日鉄住金に賠償を命じたのです。
この論法を使えば、植民地時代に行われたことがことごとく不法行為と見做され、元徴用工や元慰安婦に留まらず、当時の軍人や軍属、原爆被害者などからも損害賠償を求める請求が次々と起こされ、被告となった日本企業が際限ない賠償責任を負わされることにもなりかねません。双方の外交努力によって解決したはずの問題が“蒸し返された”“またゴールポストが動いた“と受け取られても仕方ないでしょう。
この判決を受け日本政府は1965年に締結された日韓基本条約(「日韓請求権並びに経済協力協定」)に基づき、韓国政府に問題を解決されるための協議を要求します。
日韓基本条約ではその第三条で、両締約国の紛争の解決手順を明確化しています。
第三条
1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。
2 1の規定により解決することができなかつた紛争は、いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と、こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし、第三の仲裁委員は、両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。
3 いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき、又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは、仲裁委員会は、両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。
4 両締約国政府は、この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。
データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所
http://worldjpn.grips.ac.jp/documents/texts/JPKR/19650622.T9J.html
日本政府は第三条第一項「まず、外交上の経路を通じて解決する」ため韓国政府に国際法に則り解決を図ることを提案しますが、韓国政府は日本提案を事実上拒否(正確には無視)します。
次に日本政府は第三条第二項に基づき「日韓両国がそれぞれ指定する二人の仲裁委員と、その仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員会」の設置を韓国政府に提案します。
2019年1月9日に日本政府は第三条第一項の基づき韓国政府に2国間協議を要請しましたが、日本側からの再三の督促にもかかわらず、文大統領・韓国側はまったく応じなかったのです。
仕方なく日本政府は2019年5月20日には協定が定める第三条第二項に基づき、仲裁委員会の設置を要請しましたが、2019年6月18日の期限までに委員の任命について韓国側からは回答はありませんでした。
日本政府は2019年6月19日午前、いわゆる徴用工訴訟をめぐり、日韓請求権協定に基づく、最後の手順である第三条第三項に基づき、3人の委員全員の指名を第三国に委ねる協定上の最後の手続きに移行することを韓国政府に通告しました。
昨年の11月の判決以来、本件に関して(国際条約)である日韓基本条約に則り、日本政府は再三再四韓国政府にこの8箇月間、協議を要請してきましたが、韓国側からはまったく反応がなかったのです。
本件で、外交の場にまったく出てこなかったのは、文大統領ならびに韓国政府の方なのです。
この6月19日に、あろうことか韓国政府は、日本政府が瞬殺拒否した韓国政府提案の二重の国際法違反を含んでいるデタラメな「日本・韓国企業の出資を財源に徴用の慰謝料」とする提案を急遽するのです。
(関連エントリー)
2019-06-20
この期に及んで「日本・韓国企業の出資を財源に徴用の慰謝料」だと?~日本政府が瞬殺拒否した韓国政府提案の二重の国際法違反のデタラメさ
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2019/06/20/110230
当時当ブログは本提案を「韓国政府は日本が受け入れないことを分かっていながら、批判や責任を避けようと提案したのは明白」と批判しました。
開いた口が塞がらないとはこのことです。
韓国政府は昨年末の大法院(最高裁判所)賠償判決後、首相の主宰により汎政府タスクフォース(TF=作業部会)を設置しましたが、7カ月以上たっても何の対策も打ち出せずに傍観してきました。
現政権は、日本との折衷案を見いだした前政権の対日外交を「積弊(長年の弊害)第1位」と罵倒(ばとう)しているだけに、強制徴用問題でも現実的な代案を見いだすのは難しかったのでしょう。
専門家らが今年初め、「両国企業の拠出金」案を出した時、韓国大統領府は「非常識な発想」だとして無視していたのです。
それを今になって韓国政府は主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)前に、否定していた「拠出金」案にたなびいたというわけです。
韓国政府は日本が受け入れないことを分かっていながら、批判や責任を避けようと提案したのは明白です。
もちろん日本政府は1時間で「国際法違反の是正にならない」とこの韓国政府提案を拒否いたします。
当然です。
日韓両国は請求権協定で戦後賠償に関する問題が「完全かつ最終的に解決されたこと」を確認してます。日本企業に賠償を命じた昨年10月以降の韓国最高裁の判決自体が協定に違反しているのです。
その判決を前提とした韓国側の提案は「二重に国際法違反」(外務省関係者)というのが日本政府の考えです。
この8ヶ月、外交的には本件で沈黙していたくせに、最後に苦し紛れに出したデタラメな提案を文大統領は「円満な外交的解決策」と自画自賛します、まるで前から提案してたと言わんばかりです。
「政府は大法院(最高裁判所)徴用被害者判決履行問題の円満な外交的解決策を日本政府に提示した。我々が提示した案が唯一の解決方法だと主張したことはなく、両国国民と被害者たちの共感を得られる合理的な案を協議しようということだ」
そして自身の8ヶ月の沈黙は棚に上げて、このデタラメな韓国提案を秒殺で拒否した日本政府に対して、
「日本政府は一方的に圧力を加えるのをやめ、今からでも外交的解決の場に戻ってくるように願う」
こう吠えているわけです。
徴用工判決で「(日本は)外交の場に出てこい」(文大統領)と吠えています。
いいかげんにしてほしいです。
本件でこそこそ隠れてきたあなたにだけは言われたくないです!(怒)
なにかレーザー照射問題とにてますよね、最初「加害者」だった韓国側がいつのまにか「被害者」を主張する・・・
なんだろう、真実が時と共に捻じ曲がっていくのは・・・
(木走まさみず)
一部韓国保守メディアの論調に歓迎すべき変化が見られる件~「そもそも今の問題を引き起こしたのは韓国の裁判所と韓国政府だ」(朝鮮日報社説)
ここへきて韓国保守派メディアの朝鮮日報の論調が一部ですが大きく変化してきています。
11日付け社説では「日本の経済報復、韓国政府は企業を最前線に立たせてはならない」とのタイトルを掲げています。
【社説】日本の経済報復、韓国政府は企業を最前線に立たせてはならない
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/11/2019071180013.html
タイトルでは表現が間接的でわかりにくいのですが、韓国政府こそが矢面に立つべきだとの政府批判を展開しているのです。
社説の結びの論説をみてみましょう。
「そもそも今の問題を引き起こしたのは韓国の裁判所と韓国政府」だと鋭く指摘します。
そもそも今の問題を引き起こしたのは韓国の裁判所と韓国政府だ。裁判所は韓日請求権協定に反した形で、日本企業に対する個人の請求権を認め、日本からの激しい反発を呼び起こした。今の政府はこの外交面での対立を解決する以前に、前政権と当時の裁判官を「司法壟断(ろうだん、利益を独占すること)として捜査まで行い、関係者を刑務所に送り込んだ。
だとすれば「政府が先頭に立って解決するしかない」と指摘し社説は結ばれています。
となれば今のこの問題も政府が先頭に立って解決するしかない。被害者にすぎない企業を前面に出したことで、防衛の手段を持たない企業が直接の標的になってしまったからだ。
ここまで明確に「今の問題を引き起こしたのは韓国の裁判所と韓国政府」と言い切った論説は、私の知る限りこの朝鮮日報社説が初めてではないでしょうか。
続いて、12日には「識者が朝鮮日報に提言」という形で「韓日基本条約に対する政府の立場を問いただせ」とのタイトル記事が掲載されます。
輸出優遇除外:識者が朝鮮日報に提言「韓日基本条約に対する政府の立場を問いただせ」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/07/12/2019071280138_3.html
なかなか読み応えのある内容です、関心ある読者は是非リンク先で本文を直接お読みください。
韓国側の発言として特筆すべき二箇所だけ抜粋引用しておきます。
2005年に当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が、日本が1965年当時支払った無償3億ドルの経済協力に請求権問題を解決する資金が含まれている、徴用工問題は韓国政府が担当すべきである、との見解が示され、現在の文大統領は当時の実は関係者(側近)だったことが、はっきりと指摘されています。
2005年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は韓日国交正常化交渉に関する外交文書を公表したが、当時のイ・ヘチャン国務総理を委員長とする官民合同委員会は、強制徴用被害者への個人請求権は事実上消滅したとの結論を下した。この委員会には当時大統領府民政主席だった文在寅(ムン・ジェイン)大統領も政府側の委員として参加していた。朝鮮日報は、当時の、官民合同委員会による審議の根拠や結論などはもちろん、朴正煕(パク・チョンヒ)・盧武鉉元大統領当時、特別法を制定し徴用被害者に補償が行われた事実も伝えなければならない。当時どのようにして被害者が選定され、その補償のレベルなどが適正だったかなど、今回の事態を解決する方策を模索する企画が必要だ。
また、韓国が国家間の条約(国際法)を(国内法)で覆したのは、「国家間で締結された条約を覆す判決に果たして何の意味があるのか。国際法上の司法自制原則が守られなかったことは遺憾」と批判しています。
-潘基文(パン・ギムン)氏「韓日経済葛藤、両国首脳が直接会って解決を」(7月8日付A5面、日本語版未掲載)の記事の核心は、尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院院長の言葉だ。尹氏は「国家間で締結された条約を覆す判決に果たして何の意味があるのか。国際法上の司法自制原則が守られなかったことは遺憾」と指摘した。司法自制原則とは、外交を巡る裁判においては行政府の判断を尊重するという国際法における原則だ。韓国政府が国際法を無視したという側面を明確にすれば、問題解決のきっかけをつかむことができる。
朝鮮日報への識者の提言のかたちをとっていますが、はっきり韓国政府、韓国司法の問題点を論理的に指摘しているのは、ふだん非論理的な日本批判を繰り返している、韓国メディアとしては極めて珍しい論調といってよろしいでしょう。
「そもそも今の問題を引き起こしたのは韓国の裁判所と韓国政府だ」と正論を言い切った11日の朝鮮日報社説といい興味深いのです。
極めて少数派なのですが、韓国側からこのような日本が納得できる建設的で論理的な論調が出てきたことは、歓迎すべきことでしょう。
(木走まさみず)
今更「非常事態」(文大統領)だと?〜その「非常事態」を放置してきたのは文大統領あなた自身の無能・無策だ!!
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が8日、日本政府により発動された半導体材料の対韓輸出規制強化に初めて言及し、韓国が「前例なき非常な状況(非常事態)」にあると厳しい立場を吐露しました。
日本政府の発表から1週間。沈黙を守ってきた文大統領ですが、「全世界の供給網が脅威にさらされている」「韓国だけでなく全世界が憂慮している」と、日本が世界を敵に回しているかのような印象操作をしています。
(関連記事)
文大統領、日本の輸出規制強化に「前例なき非常事態」 財界に協力求める
2019.7.8 19:30
https://www.sankei.com/world/news/190708/wor1907080018-n1.html
文大統領は韓国の財界、特に財閥と保守政権の癒着を糾弾してきました、何人もの経営トップが刑事被告人となってきました。
韓国の財界は対日関係悪化が経済に影響を及ぼすことへの危機感を訴えてきましたがが、その声に耳を傾けようとせず無視してきました。
自らを困難な立場になって苦し紛れに批判の対象として扱ってきた韓国財界人と急遽コミュ二ケーションを取りますが、その現状認識がどうしようもないのです。
今回の日本のとった措置を「前例なき非常事態」と驚いていますが、認識が甘すぎます、少なくとも8ヶ月前に日韓関係はもはや後戻りができない「前例なき非常事態」に陥ったこと、それも文大統領自らの無能・無策が招いてしまったことを認識すべきだったのです。
慰安婦問題では日韓合意に基づき設立された慰安婦財団を、国際合意を無視して文大統領は一方的に解散しました。
徴用工問題では国際条約として1965年に成立した『日韓基本条約』及び付帯する『請求権並びに経済協定』が存在するのに、韓国司法は一方的にこの国際条約をやぶり韓国国内法廷の判決を優先させ、日本企業に賠償を命じます。
これに対して文大統領は日本からの再三の要請を無視し、何も行動を起こしませんでした。
レーダー照射事件では、その説明を二転三転させ挙句には日本が威嚇したと言い出し日本に謝罪を要求しています。
韓国政府の慰安婦合意破棄、韓国最高裁の強制徴用賠償判決、韓国駆逐艦の日本哨戒機レーダー照射問題。
特に国家間合意を破棄し国際法違反を犯し、一人一人の請求権を認めた韓国最高裁の判決は、1965年の日韓請求権協定の効力を無効にし、日韓国交正常化の根幹を破壊するものでした。
韓国において日本の民間企業の財産が強制的に没収される、それが最高裁で決定されたのです。
この瞬間がトリガーとなり、日本ではあらゆる措置の検討が政府の指導のもと各省縦断的に始まったのです。
その間も強気に出れば結局は日本が折れるという『悪しき慣習』のもと、一連の徴用工問題などで文大統領は対日超強気戦略を取ってきました、自らがトリガーを引いてしまったことに気づきもせずにです。
そして日本政府は、半導体材料の対韓輸出規制を強化してきました。
文大統領は日本の措置を一週間の沈黙の後「前例なき非常事態」と会見をしました。
認識が鈍すぎます、半年以上ずれています。
冗談もいい加減にしていただきたいです。
「前例なき非常事態」は昨年11月に韓国司法で起こっていたのです。
その「非常事態」を放置してきたのは文大統領あなた自身の無能・無策なのです。
自業自得というものです。
(木走まさみず)
この期に及んでも問題の深刻さを韓国側が理解していない件
韓国への輸出規制は2段階で強化されます。まず4日から、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材)、エッチングガス(フッ化水素)の3品目の輸出で個別の審査や許可が必要となります。さらに8月(中旬)をメドに、韓国を安全保障上の友好国である「ホワイト国」の指定から除外します。
さて4日から始まった3品目の輸出規制ですが、日本政府と経産省で半年かけ検討され非常に考え抜かれた輸出規制であることがわかってきました。
4日からこれら3品目は輸出審査対象になったわけですが、日本の輸出審査にかかる時間は約3カ月(90日)が標準で、これが韓国勢の生産に影響を及ぼす可能性がまずあるわけです。
韓国側の材料の在庫量は通常1~2カ月分であり、SK関係者は日本経済新聞の取材に対し、同社の在庫量は「3カ月は無い」としています。
日経記事によれば、「追加調達ができず3カ月が過ぎれば、工場の稼働は停止するのか」との質問に対しては、「そうだ」と答えています。
(関連記事)
半導体の国際供給に影響も、対韓輸出規制 4日発動
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46823990R00C19A7MM8000/
規制対象の3品目は日本企業の世界シェアが高く、フッ化水素は8~9割に達します。
調達先を変更しようとしても代替品が見つからない可能性が高いのです。
これら材料3種は、韓国にとり日本への依存度が高いだけでなく、すぐに台湾や中国、韓国企業などに輸入先・仕入れ先を変更しにくい材料なのです。
例えばレジスト(感光剤)は日本の住友と信越が世界市場を掌握しています、韓国でも錦湖石油化学、東進セミケム、トンウ・ファインケムなどのメーカーがあるにはありますが、問題は、韓国産レジストは品質水準が低く、10ナノ級以下の超微細工程では描画できないことです。
またフッ化水素(エッチングガス)は吸入しただけでも神経組織に損傷を来す猛毒物質で、保管・管理が難しいため、1カ月分以上の在庫を抱えるのは事実上不可能です。
サムスン電子やSKハイニックスにとって、日本の今回の「90日間輸出許可規制」そのものが、安定在庫水準の脅威となってきます。
さらに、その審査結果の運用が日本政府(経産省)に委ねられるため、90日掛かった審査の結果、輸出「不許可」との判断が下される可能性があることです。
もと経産省キャリアOBの宇佐美典也氏は「アゴラ」掲載記事において、私見と断った上で「貿易管理の枠組みにおいて本省自ら個別契約の審査をするのは「原則NG」とするものが中心で、ある程度運用が固まり事務が地方局に降ろされるまでは輸出制限に近い効果が生じる」と、当面「原則NG」、事実上の「禁輸」に近くなると述べています。
失礼してアゴラ記事より該当箇所を抜粋。
いずれの措置も既存の貿易管理の枠内で、新しい制度を作ったものである。その意味では日本は現行制度の中でできることをしたまでだが、韓国を狙い撃ちにした制度であることは間違い無く、韓国の「WTO違反」との指摘もあながち根拠がないわけではない。
一部には「個別同意にしても他の国並みで、いずれにしろ輸出が許可される可能性は高いのだから問題ない」という声もあるが、私見としてはそうは思えない。貿易管理の枠組みにおいて本省自ら個別契約の審査をするのは「原則NG」とするものが中心で、ある程度運用が固まり事務が地方局に降ろされるまでは輸出制限に近い効果が生じるものと思われる。
韓国への半導体材料輸出規制はどんな内容か?(特別寄稿) より
http://agora-web.jp/archives/2040083.html
前回のエントリーで「日本政府は基本的に輸出を許可しない方針」(読売記事)を「飛ばし記事」か?と、当ブログは疑りましたが、どうやらあながち飛ばし記事とは言えないようです。
(関連エントリー)
2019-07-03
「日本政府は基本的に輸出を許可しない方針で、事実上の禁輸措置」(読売記事)~日韓情報戦の様相を呈しているこの局面で、大スクープか大飛ばしか突出する読売報道
https://kibashiri.hatenablog.com/archive/2019/07/03
それにしても、今回の日本政府の史上初の対韓国半導体材料輸出規制措置の断行に対しての、韓国政府・韓国メディアのその反応の残念さはどうでしょう。
自国経済の大黒柱でもある花形産業に対する「不意打ち」に、日本に対する批判や怨嗟の声やWTO提訴などの対抗措置など、韓国政府の対応などを報じる韓国メディア報道はものすごいことになっていますが、全体を通じてなぜ今回日本がこのような強行手段にあえて出たのか? それを冷静に分析する視点がまったく見られないのです。
強制徴用問題に対する韓国大法院判決を前後して、日本政府は韓国政府にさまざまな方法で警告してきました。
麻生太郎副首相がメディアで直接警告したり、通産相らが韓国とのチャネルを通じて間接的に問題を提起もしてきました。
それでも韓国政府からはフィードバックがまったくなかったのです。
日本が韓国の強制徴用賠償判決の議論のための仲裁委員会構成を提案したときも、これもまた韓国政府は拒絶しました。
日本は公式・非公式チャネルと接触しながら問題を解決しようとしましたが、韓国政府は無反応で一貫してきました。
もはやこれまで、日本政府は現韓国政府に対して交渉相手として不適と判断したのです。
そして新たな「矢」をはなったのです。
・・・
韓国側に、なぜ今回日本がこのような強行手段にあえて出たのか? それを冷静に分析する視点がまったく見られないのです。
残念なことに、この期に及んでも、問題の深刻さを韓国側は理解していません。
(木走まさみず)