木走日記

場末の時事評論

安倍首相の責任において自粛要請を打ち切る政治的決断の時

厚生労働省によると、14日発生が確認された新型コロナウイルスの国内感染者は63人となり、1日での報告者数としては過去最多となりました。

(関連記事)
新型コロナウイルスの国内感染者、1日で過去最多の63人-厚労省
2020年3月15日 10:30 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-15/Q77LE6T0G1O401

当ブログが集計してきた日本国内の感染状況【日別発生数】は以下のとおりです。

■図1:日本国内の感染状況(3月15日現在)【日別発生数】
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※『木走日記』作成

明らかに増加傾向にあるわけですが、増加する傾きを視覚的に近似してみましょう。

当日の発生数を棒グラフで、過去5日の発生数の平均を折れ線グラフで描きます。

■図2:日本国内の感染状況(3月15日現在)【日別発生数と直近5日の平均】
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※『木走日記』作成

ご覧のように5日平均値のグラフは、棒グラフの凸凹を丸めて近似的に傾きがあらわれています。

ちなみに平均値を計算するデータ数(5日)を大きくとればとるほどグラフは丸まり(凹凸が減り)ます。

赤いグラフの傾きは、残念ながら日本国内の感染者日別発生数がいまだ時と共に増える傾向にあることを示しています。

数値で確認する限り、感染者数の発生を抑えることはいまだできていません、そしてグラフでご覧いただいたように、今後5日とか10日で大きく感染者数が減少する兆候は全く見られません。

さて3月20日です。

安倍総理大臣は10日、緊急対応策の第2弾を発表しました。また、大規模イベントなどの自粛については今後、さらに10日間程度、延長するように要請しました。

安倍総理大臣は「全国規模のイベントについては、中止・延期・規模縮小等の対応を要請したところですが、専門家会議の判断が示されるまでの間、今後、おおむね10日間程度はこれまでの取り組みを継続頂くよう、ご協力をお願い申し上げます」と述べています。

(関連記事)
新型肺炎“自粛延長”あと10日で十分?いつまで?
[2020/03/10 23:27]
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000178626.html

冷静に考えてあと5日で感染者数の増加が収まるとは思えません。

逆に感染者の増加率がさらにアップしていく兆候さえ見られるわけです。

この新型コロナウイルスは致死率は低いですがその感染率は予想以上に強いことがわかってきています。

発生を抑えることは容易なことではありません。

ならば疫学的には感染者数の増加が収まるまで学校休校やイベント中止を継続していくのが正解でしょう。

しかし、これ以上中長期の自粛期間の延長は、経済的に持たないでしょう。

ここは政治的決断の時です。

安倍首相の責任において自粛要請を打ち切ると共に、国民に新型コロナウイルスとの戦いは、「短期決戦型」の勝利は不可能であることをわかりやすく説明をしていただきたいです。

新型コロナウイルスを短期で撲滅することはその感染力からほぼ不可能であること、しかしながら今までのインフルエンザや感冒と同様に、中長期的に人間社会と「共生」させることは可能であること、やがて人類にとって毎年のようにはやる流行性感冒が一種類増えただけという当たり前のような存在になること、医学的・科学的知見を得た上で、国民心理をパニックに陥らせないように説明していただきたいです。

そのうえでこれ以上、自粛要請の延長は、現在まで判明した疫学的事実は徹底的に配慮した上ですが、全面的に解除すべきです。

ここは政治的決断の時です。



(木走まさみず)