「Go To トラベル」東京だけ除外しても、時既に遅し
新型コロナウイルスの感染者数が日本全体で急激に増加しています。
16、17日の両日では全国で624人、597人の感染と600人前後の感染者が確認されています。
全国597人の都道府県別内訳を地図で確認します。
※『木走日記』作成
ご覧のとおり、感染者発生地域は29都道府県に再拡大はじめています、感染者数再増加が続く東京都に引っ張られるように全国で感染者数が再拡大されていることが伺えます。
実はここ一ヶ月、東京都の感染拡大のペースと東京都以外の46道府県の感染拡大のペースが、ほぼ同じペースで増加している傾向が顕著になってきているのです。
6月1日以降の日本の1日当たり発生感染者数の推移を確認します。
グラフを東京都と46道府県に人数を分けてみます。
※『木走日記』作成
ひと月前の6月15日のときには72人の内訳は、東京都48人、それ以外24人だったのが、7月4日では東京都131人、それ以外141人と、人数が逆転しています。
そして直近の東京都の発生人数293人に対し、東京以外は304人となっており、東京だけでなく、46道府県の発生人数も急激に増加していることがわかります。
この統計的事実はとても重要だと考えます。
ひと月前までは東京都だけが突出して感染者数を拡大していたのですが、ここへ来て東京都以外の46道府県の感染者総数の増加ペースが東京都に増加率が追いつく状態になっているのです。
これは何を意味するのか。
感染者が再び急増している状況が、残念ながら東京一極から拡散し、すでに全国的に感染者爆発が広まりつつあることを示していると考えられます。
国内旅行の需要喚起策「Go To トラベル」事業を巡り、政府は東京都発着を補助対象から外す方針に転換しました。
新型コロナウイルスの感染者が急増する東京からの来訪が増えれば、地方に感染が広がるとの懸念を踏まえたものです。
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しかし統計数値は、東京だけ除外しても、時既に遅しであることを示しています。
この東京除外措置は、このタイミングの「Go To トラベル」キャンペーンに、その唯一の目的である観光業界救済という経済効果に少なからぬマイナスを与えることは自明です。
東京都民は、わざわざこのタイミングで観光地に行って周りからどんな目で見られるのか、当然ながら自粛ムードになることでしょう。
特定地域を差別化する、実に愚かな話です。
(関連エントリー)
愚かな話
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/07/17/154451
まとめます。
すでに感染者急増が全国的に拡大をはじめてしまった現時点で、東京都だけを除外しても残念ながら、大きな抑制効果は期待できないことでしょう。
東京だけ除外しても、時既に遅し、ということです。
(木走まさみず)