木走日記

場末の時事評論

とてつもないカオスがこの国の国権の最高機関で現出する、そんなワクワクな予感〜「維新」トップで「みんな」粉砕!!(驚きの産経新聞世論調査)


 3日付け産経新聞電子版記事から。

「ふわっとした民意」 維新への期待感反映 
2012.9.3 14:22

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が1、2両日に行った合同世論調査のうち、衆院選比例代表の投票先に関する問いで、今回初めて選択肢に入った地域政党大阪維新の会」が自民、民主両党を上回っていきなりトップに躍り出た。代表の橋下徹大阪市長は3日、「それはない」と驚きの表情で語ったが、橋下氏の言う「ふわっとした民意」の期待が少なからず維新に向けられている現状をうかがわせた。

 調査結果によると、比例代表の投票先で、維新は自民(21・7%)、民主(17・4%)をしのぎ23・8%を獲得。橋下氏は「維新への積極的な応援じゃなく、決められない政治に対する既成政党への批判でしょう」と冷静に受け止めた。

 7月中旬の前回調査に比べ、自民、民主とも3ポイント近く落としたが、それ以上に深刻なのは、みんなの党だ。今回は、前回比5ポイント減の3・3%。支持政党を同党とした人のうち、45・2%が比例代表の投票先として、維新を選んでいた。

 同党は第三極を軸とした政界再編を志向し、渡辺喜美代表も維新との連携を模索してきたが、8月の橋下氏との会談で合流が事実上決裂。調査結果は、第三極に対する期待のベクトルが維新にシフトし、同党の支持層に食い込んでいることを浮かび上がらせた。

 一方、維新に投票するとした人の割合を比例ブロック別に見ると、近畿では34・6%で自民(21・6%)など他党を引き離したほか、被災地の東北32・4%でも高い数値となった。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120903/stt12090314240009-n1.htm

 うーむ、ビックラこきました、フジサンケイ世論調査の結果、比例代表の投票先で、維新は自民(21・7%)、民主(17・4%)をしのぎ23・8%を獲得、トップに躍り出ました。

 一つのメディアの世論調査で一喜一憂するのもナンなのですが、それにしても既存政党が軒並み支持率を落とす中でいきなりトップの支持率ですよ、今月維新が政党になるにあたり今後各社の世論調査が発表されるのでしょうが、似たような傾向の数字が示されることでしょう、それにしてもすごい期待値です。

 で、あわれなのが渡辺氏率いる「みんなのアジェンダ」ことみんなの党の凋落振りであります。

 支持率は「前回比5ポイント減の3・3%」と三分の一に急落、また「支持政党を同党とした人のうち、45・2%が比例代表の投票先として、維新を選んでいた」つまり、支持者の大半が維新に取られてしまったのであります。

 これは渡辺氏にはお気の毒ながらある程度予想されていたことではあります、例えれば同じコンセプトの商品を新興ライバル会社が新発売、それが自社ブラントと似ていることを「アジェンダが同じ」と喜んでいたら、あれよあれよと人気を取られ気づけばシェアを取られてしまった老舗会社の二代目社長のような、失礼ながらお間抜けな図式となっておるわけです、おまけに社員(議員)まで引っこ抜かれちゃって、渡辺氏は泣きっ面に蜂といったところでしょうか。

 この産経電子版記事の扱いが愛のない(?)のは、公明以下、社民、共産などの小政党支持率を全く無視しているのですよね、ああ、もちろん「国民の生活が第一」もです。

 ・・・

 この秋にもと囁かれている総選挙ですが、維新を中心にしてなにやらものすごい地殻変動が起ころうとしている胎動のようなものを感じます。

 自民党総裁選では、谷垣総裁が民自公3党合意路線なのに対し、安倍元総理や石原幹事長なんかも維新との連携を考えているような報道がされています。

 ただ私が興味深いのは、もし衆議院の勢力図が例えば維新が第一党になって自公と組んで政権奪取するとして、衆議院で維新がどんなに勢力を伸ばしても参議院議席は持たないんですよね。

 そうなると維新・自公政権はやはり参議院では少数派となりねじれ国会になってしまうのですが、その場合はどうするつもりなのでしょう。

 まさか、維新プラス民自公の大連立政権を目指すのでしょうか。

 あと興味深いのは橋下市長は国政には出ないと明言されていますが、では国政における維新の看板は誰が背負うのでしょうか。

 まさか東国原氏ではないことを願うばかりであります。

 あと、維新は新人ばかりで人材がいないと思われるのですが、それでも第一党になったら入閣して大臣を輩出するんでしょうか。

 いつになく、次の政権の連立する政党の組み合わせや、内閣の顔ぶれがぜんぜんまったく読めないのであります。

 カオスですな。

 でもこれが民意ならそれも良しです。

 なんでしょうか、とてつもないカオスがこの国の国権の最高機関で現出する、そんなちょっとワクワクな予感を持たせてくれる産経世論調査速報でした。

 最後になりましたが、渡辺さん、いろいろご気分もすぐれないことはありましょうが、この国のため、どうかしっかり前を向いてがんばってくださいまし(汗

 そして、産経記事で無視(苦笑)された諸政党のみなさんもご健闘をお祈りします。



(木走まさみず)