「希望の党」VS「立憲民主党」の戦いがアツイ〜有田氏や若狭氏のさらなる暴言に期待
衆院選は10日、公示されました。午前8時半から立候補届け出の受け付けが始まりました。
各報道機関の9日現在の集計では、小選挙区と比例区を合わせた定数465に対し、約1200人が立候補を予定しています。
今回の選挙戦は、「自民・公明」「希望の党・日本維新の会」「共産・立憲民主・社民」による三つどもえの構図で、民進党の事実上の分裂により、選挙前と勢力図が一変した様相であります。
三極の連携は以下のとおり。
選挙協力を行う連立与党の自民、公明両党は計385人を擁立。自民党は332人、公明党は比例区を中心に53人を擁立。
一方。民進党議員の多くが合流した希望の党は、日本維新の会と小選挙区でのすみ分けを行い、約200人を擁立。日本維新の会は関西を中心に52人を擁立。
立憲民主党は78人、共産党は243人、社民党は21人を擁立。共産党の立候補予定者取り下げで、立憲、共産、社民3党の立候補予定者は実に250近くの小選挙区で一本化されます。
各小選挙区の対決の構図をめぐっては、「自民・公明」「希望の党・日本維新の会」「共産・立憲民主・社民」の3勢力から各1人が立候補して争うのは、150超にのぼります。
希望の党と立憲民主党が競合するのは、東京を中心に約40となります。
(関係記事)
衆院選公示、1200人が立候補予定 三つどもえの構図
http://www.asahi.com/articles/ASKB972LPKB9UTFK00T.html?iref=comtop_8_01
今回は、この「希望の党」と「立憲民主党」、2つの新党に、スポットを当ててみます。
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読売と朝日がそれぞれ、衆院比例選投票先の世論調査結果を報じています。
【読売新聞】
比例区投票先は自民35%、希望12% 朝日世論調査
http://www.asahi.com/articles/ASKB43J6DKB4UZPS002.html?iref=pc_extlink
【朝日新聞】
自民32%、希望13%…衆院比例選の投票先
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2017/news1/20171008-OYT1T50059.html
ここ10日間の世論調査結果の変化が、大変興味深いのです。
読売、朝日両調査共、ほぼ同様の傾向を示していますので、ここでは、それぞれの数値をもとに、その傾向を見てみましょう。
世論調査結果を図表でまとめるとこんな感じです、まず読売新聞調査です。
■表1:衆院比例選の投票先(読売調査)
政党 10/7,8調査 9/28,29調査 自民 32% 34% 希望 13% 19% 立憲民主 7% - 公明 5% 6% 共産 4% 5% 維新 3% 2% 決めてない他 34% 36% ■図1:衆院比例選の投票先(読売調査)
※読売新聞世論調査結果より『木走日記』が作成
2回の調査結果を「希望の党」と「立憲民主党」に絞り注目すると、9月28〜29日の調査では、「立憲民主党」がまだ存在していませんので、その支持は「希望の党」に集約されています、19ポイントです。
それが10月7〜8日の調査では、 「希望の党」13ポイント、「立憲民主党」7ポイントと割れています。
■表2:衆院比例選の投票先(朝日調査)
政党 10/3,4調査 9/26,27調査 自民 35% 32% 希望 12% 13% 民進 - 8% 立憲民主 7% - 公明 7% 6% 共産 6% 5% 維新 4% 3% 決めてない他 29% 33% ■図2:衆院比例選の投票先(朝日調査)
一回目の調査が興味深いのです、9月26〜27日なのでまだ「民進党」が選択肢にあります、前原氏の「希望の党」への「吸収」宣言前だったからですね。
9月26〜27日では、「民進党」8ポイント、「希望の党」13ポイントであります。
2回目の10月3〜4日の調査では、これが「立憲民主党」7ポイント、「希望の党」12ポイントとなります。
この2社のそれぞれ2回の世論調査は、もちろん調査対象(母数)も調査手段も微妙に異なります、そのことを留意した上ですが、この4回の世論調査で「立憲民主党」と「希望の党」の支持率に関しては、ひとつの顕著な傾向が見て取れます。
4回の調査を時系列に並べてみます。
■図3:衆院比例選の投票先(読売調査&朝日調査)
9月26〜27日「希望の党」+「民進党」21ポイント、9月28〜29日「希望の党」19ポイント、10月3〜4日「希望の党」+「立憲民主党」19ポイント、10月7〜8日「希望の党」+「立憲民主党」20ポイントであります。
つまり、希望の党ができて、民進党が分裂、後追いで立憲民主党が誕生したこの激動の10日間、実は「民進党」+「希望の党」+「立憲民主党」の枠内での支持率は、20ポイント前後で全く動きが見られないのです。
この間、与党自公の支持率が32〜35ポイント、5〜7ポイントとそれぞれ大きな変動がないことから、「希望の党」と「立憲民主党」は20ポイントの支持率を、内輪でコップの中で争っている構図です。
そもそも8ポイント前後と消費税並みの支持率しかなかった旧「民進党」であります、離脱者が相次いで政党の体をなさない悲惨な状況でありましたことを考えれば、「民進党」が「希望の党」+「立憲民主党」と発展増殖することによって合計支持率が20ポイントと2.5倍に膨らんだわけです。
支持率の上昇分はこれは冷静に分析して小池百合子効果でありましょう。
しかし支持率が合算で20ポイント前後で伸び悩み、与党の支持率にダメージを与えることができないでいることは、小池氏にとって大きな誤算でありましょう。
「排除の論理」を筆頭に小池さんの「暴君ぶり」がネガティブにキャンペーンされたのも痛かったのでしょう。
一方「立憲民主党」は予想外(失礼)に健闘しているといっていいでしょう。
特に東京を中心に約40ある「希望の党」と「立憲民主党」が競合する選挙区で、私が知る情報によれば、「立憲民主党」の伸びが目立ちます。
(参考エントリー)
2017-10-04 東京18区の予想だにしない不気味な胎動
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20171004/1507111244
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まとめます。
現時点で、当エントリーとして予測します。
このままの傾向で投票を迎えるとすればですが、自民党は微減にとどまり、与野党逆転は起こらないでしょう、理由は希望の党にそこまでの勢いがないからです。
そして、実は「希望の党」VS「立憲民主党」の選挙区が激戦であり、立憲民主党が東京を中心に意外に健闘しているのであります。
とはいいながら、状況が動く可能性はもちろんあります。
これからの勝負は、おそらく「お馬鹿」発言、つまり失言が足の引っ張り合いの様相を呈することでしょう。
今回は混戦模様です、ならば、民進党・有田氏の「トロイの木馬」発言や希望・若狭氏の「次の次」発言など、おバカな発言が微妙に支持者の心を乖離させることでしょう、支持ポイントを押さえつけることでしょう。
不健全ではありますが、ここからは政策論争よりも、各党いかに「おバカ」さんを黙らせるか、ここが勝負の分かれ目になる予感がします。
逆に言えば今回の選挙、失言ひとつで状況が一変する混戦であると言えましょう。
ここからは各党の「おバカ発言」に注目であります。
個人的には有田氏や若狭氏のさらなる暴言に期待しております。
特に政党の要職がはたしてつとまるのだろうか心配でならない、小物感が寂しくただよう、若狭勝氏に大いに期待しております。
(木走まさみず)