木走日記

場末の時事評論

日本の持つ最高の英知を結集して強力なオールジャパン復興政府を樹立すべき〜大震災で顕在化した日本の持つ二面性

 16日付けサーチナ記事から。

災害時でも整然と並ぶ日本人の冷静さに中国が感動
【社会ニュース】 2011/03/16(水) 10:51  

  並び始めて10分もしないうちに、割り込み、クレーム、そして小競り合い。中国人は長時間並ぶことが苦手というのは度々報じられているが、そんな中国メディアが日本人の災害時の冷静な対応に賞賛の声を寄せている。

  避難中の渋滞でも、誰一人クラクションを鳴らす人もいない、それどころかむしろお互い気を遣い合っている。避難所では物資の支給に大人も子どもも整然と列をなして順番を待っている。こういった被災者の様子が、中国版ツイッターミニブログ」で公開され、驚きと共に中国に広がっている。

  ともすれば日本バッシングに走りがちな中国ネットユーザー達もこの件に関しては「感動した!」「日本は民度の高い国民のいる国だってわかった」「中国ではこうはいかない、正直羨ましい」等、非常に肯定的だ。日本人の公共マナーの良さは、中国でも有名であるが「まさかこんな非常事態のときまで、マナーがいいなんて」と感嘆の声が鳴り止まない。

  突然やってきた未曾有の災害に直面しても尚、日本人はどうやって冷静さを保っているのか、日本華人教授会議・支援防災委員会会員で神戸大学大学院教授の王柯氏は「個人の自衛意識、市民・企業・ボランティア・専門家そして行政職員同士の協力、そして公的機関の援助、この三者有機的結合が作用しているためだ」としている。

  災害発生時の原則は「自分の身は自分で守ること」だ。日頃からの防災意識がパニックを未然に防ぐ。そして同時に「自分達のコミュニティは自分達で守る」という意識も大切である。

  中国では、組織や団体で協力する、という意識が日本と比べて薄いとされている。実際に今回被災した日本在住のネットユーザーは「日本の周りに合わせないといけない文化は窮屈だと思っていたけど、被災してこれは日本文化の長所なんだって気がついた」と感想を漏らしている。

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0316&f=national_0316_083.shtml

 「感動した!」

 「日本は民度の高い国民のいる国だってわかった」

 「中国ではこうはいかない、正直羨ましい」

 「まさかこんな非常事態のときまで、マナーがいいなんて

 「日本の周りに合わせないといけない文化は窮屈だと思っていたけど、被災してこれは日本文化の長所なんだって気がついた」

 震災当初、被災地東北で、そして計画停電で大混乱の首都圏で、日本人は実によく秩序を守り他者をいたわり冷静な対応をしております、暴動や略奪もない、この日本人の非常事態のときもいささかも動じない我慢強さ・冷静さ・マナーの良さは、中国だけでなく世界から賞賛されております。

 私のアメリカ人の友人(夫人が日本人である大の親日家)も13日にアメリカからメールをくれましたが、「多くのアメリカ市民は、自国なら間違いなく暴動や略奪が起こる悲惨な無秩序の大災害の中で、多くの死者を出した被災地でけなげにも礼儀正しく振る舞う被災した日本人を、信じられないと驚きを持って受け止めているようだ、日本人の高潔なスピリットに対して尊敬の念がメディアに溢れているよ」と伝えています。

 震災当初、日本人大衆の被統治能力・ガバナビリティ【governability】の高さに世界は驚嘆し讃辞を惜しみませんでした。

 日本人のガバナビリティ(=統治される能力)が国際的に高いのはかねてから指摘されてきたことですが、今回の大震災でこれが証明され、TV報道あるいはネットにより世界中に「日本人はすごい」という認識が広まりました。

 日本人大衆の被統治能力が賞賛される中でしかし、もたつく対応に日本政府・東京電力に対しその統治能力のレベルの低さに、痛烈な批判が日を追って海外で広まっています。

 24日付けJCASTニュース記事から。

政府・東電「甘すぎる対応」 海外メディアが激辛報道
掲載日: 2011/3/24 19:34

「万事うまくいっている、はもう信じない」

欧州のメディアも辛らつだ。仏主要紙のルモンド電子版は3月16日、東京電力の企業体質を取り上げた。電力業界最大手で、世界的にも最も安いとされる電気料金を実現するなど実力を誇っていた東電が、福島第1で起きた一連の事故の対応は「みじめな例」と手厳しい。情報収集が後手に回り、情報開示も遅れ、記者会見で不手際を見せた末に菅直人首相から「一体どうなっているんだ」と批判された様子を伝えている。さらに、過去に原発の検査漏れを起こしていた点や、2007年の新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発の事故では、放射性物質漏れに関する正確な情報提供が遅れたことで多くの非難を浴びたことを挙げ、「今回、東電の対応は多くの日本人の信頼を失うはめになった」と結んだ。

英フィナンシャルタイムズ紙電子版も3月20日の社説で、東電を「原発当局となれ合いだった」と指弾。「今回(福島)の件が解決したら、日本政府は原発政策を再考する必要があるだろう。日本人はもう、『万事うまくいっている』という聞こえのいい言葉は信じないはずだ」とした。英BBC電子版は3月18日に「フクシマ−−天災か不注意か」との記事を配信。「チェルノブイリ原発の事故のようにはならない」としながらも、事故の深刻度を示す国際原子力事象評価尺度(INES)が米スリーマイル原発事故と並ぶ「レベル5」となった福島第1について厳しい見通しを示した。

独テレビ局「N24」のウェブ版では、「最悪への道?」と題した写真特集を掲載。「唯一の被爆国でありながら、米、仏に続く世界3位の原発大国の日本」と紹介し、長崎に投下された原爆や廃墟の中の広島原爆ドームの写真から始まり、日本が歩んできた「原発の歴史」を追っている。

(後略)

http://www.j-cast.com/2011/03/24091258.html?p=2

 情報収集が後手に回り、情報開示も遅れ、記者会見で不手際を見せ、作業手順も右往左往している、いっこうに統治能力を発揮できない日本政府と東京電力に対しては、海外メディアは痛烈に批判しています。

 世界が賞賛する被統治能力・ガバナビリティ【governability】を示す日本。

 世界が酷評する統治能力・リーダーシップ【leadership】を示す日本。

 日本の持つ二面性が顕在化したということです。

 ならば日本が復興する条件は被統治能力が高い大衆側ではなく、統治能力が低い指導層をテコ入れする事だと思います。

 強力な復興政府樹立、私たち国民一人一人が真剣に考えるべき問題だと思います。

 下らない政局はもうたくさんです。

 政界にいないならば広く在野の優秀な人材をあつめればよい、日本の持つ最高の英知を結集して強力な復興政府を樹立すべきです。

 事態が落ち着いたらば速やかに菅政権は総辞職し政界再編をし広く優秀な人材を在野からあつめオールジャパンの復興政府を樹立すべきです。

 この国の復興には強力な統治能力・リーダーシップが必要なのです。



(木走まさみず)