木走日記

場末の時事評論

今こそ「100年に一度」の好機とは言えないか!?

 約四ヶ月の「沈黙」を経ての久しぶりのエントリーでございます。
( トリルさん、木走は恥ずかしながら生きています(苦笑))



東証終値は7162円 バブル後最安値、26年ぶり水準

 本日(27日)の朝日新聞電子版速報記事から。

東証終値は7162円 バブル後最安値、26年ぶり水準
2008年10月27日15時6分

 27日の東京株式市場は、世界的な景気減速が長期化するとの不安が高まり、日経平均株価は03年4月28日につけたバブル後の最安値7607円88銭を大きく割り込んで取引を終えた。終値は、前週末比486円18銭安い7162円90銭。82年以来、約26年ぶりの安値水準まで落ち込んだ。

 東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同59・65ポイント低い746・46で、TOPIXも03年3月に記録したバブル後最安値の770・62を下回った。出来高は30億9千万株。

 増資の検討が報道された大手銀行など、金融株が大きく下落。為替相場で引き続き円高が進んでいることから、業績悪化の懸念が広がった自動車や機械などにも売り注文が相次ぎ、日経平均株価の下げ幅は一時500円に達した。

http://www.asahi.com/business/update/1027/TKY200810270240.html

 いやはや終値で7162円ですか、26年ぶり水準だそうですが、どうなっているのでしょう、こうあっさりと「03年4月28日につけたバブル後の最安値7607円88銭」を大きく割り込むとは予想の外なのであります。

 うーん、日経平均株価ですが、去年の6月に1万8240円の値を付けてから今日の終値7162円と、60.73%も下落してしまったわけですね、しかもわずか1年4ヶ月で。

 今回の場合、たちが悪いのは世界同時恐慌というか世界規模で金融不安・株安が進行していることでありまして、専門家によっては1929年の世界大恐慌と比較し「100年に一度」の恐慌であると表現されているようですが、「100年に一度」かどうかはさておき、震源地であるアメリカが金融機関への公金投入など目に見える大胆な策を講じない限り、他力本願の日本としては打つ手が乏しいのでありますよね、実際の話。

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 世界経済が萎縮する中でドル・ユーロに対して急速に円高も進行しており、日本の輸出産業への打撃は避けられそうもなく、そもそも内需に期待できない日本経済にとって、いよいよけん引役が見あたらない極めて不透明な状況になってきたようです。

 ふう。

 先行きの良い材料がまったく見あたらないわけですが、まあだからこそ株価が暴落しているわけですが、こういう状況だからこそ、私は景気のいいことを言いたいです。

 災い転じて福となす、ピンチは最大のチャンスなり、であります。

 「100年に一度」の恐慌だかしりませんが、ならば、今こそ「100年に一度」の好機とも言えないでしょうか?

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●株価純資産倍率(PBR)で見ると日本株は異常な割安水準〜日経記事から

 そもそも、欧米に比べ日本経済のファンダメンタルズはそう悪くはないわけで、日本に限って言えば、今回の東証株価暴落は、ファンダメンタルズとはかい離した動きになっている、と専門家は具体的数値で指摘しています。

 24日付けの日経電子版記事から抜粋。

【記録で読む市場】PERは53倍と11倍、バブル後安値時からは異常な割安(08/10/24)

 日経平均株価は24日、7649円08銭(前日比811円90銭安)まで下落し、2003年4月28日につけたバブル後安値の7607円88銭まであと42円に迫った。03年4月の投資環境と比べると、今回がいかに異常な水準に置かれているかがうかがえる。たとえば東証1部全体の株価純資産倍率(PBR)は0.9倍で解散価値を完全に割り込んでいる。世界トップの自動車メーカー、トヨタ自動車すら0.9倍台で、今すぐ事業を停止して、会社を清算したほうが得という状況になっている。予想PER(株価収益率)もしかりで、現在は11倍という歴史的な低水準にある。ちなみに2003年4月は東証平均で50倍を超えていた。どの企業も雇用、設備、負債の3つの過剰を抱えてリストラに追われ、デフレ環境に苦しんでいた。それが株価の低迷につながっていたわけで投資指標面からも7607円は合理的に説明がついた。今回はファンダメンタルズとはかい離した動きになっている。経験則が正しいとの前提にたてば、相場は短期的に需給に振られれても、長期的にはファンダメンタルズに収束することになる。

 (マネー&マーケット編集長 田中彰一)
http://markets.nikkei.co.jp/features/16.aspx?site=MARKET&genre=y6&id=MMMAy6000024102008

 株価の妥当性を計る指標の一つに、株価純資産倍率(PBR)がありますが、その会社の株価時価総額をその会社の純資産総額で割り算する単純な指標ですが、まあ株価時価総額と純資産総額が同じ値ならPBRは1.0なわけですが、株価の方が高いと1.0倍以上に、株価の方が安いと1.0を切ってしまうわけです。

 で、記事によれば、「東証1部全体の株価純資産倍率(PBR)は0.9倍で解散価値を完全に割り込んでいる」という「異常な水準」であり、「世界トップの自動車メーカー、トヨタ自動車すら0.9倍台で、今すぐ事業を停止して、会社を清算したほうが得という状況」であると指摘しています。

 で、ちなみに前回の03年4月28日につけたバブル後の最安値7607円時点での東証1部全体の株価純資産倍率(PBR)でさえ1.20倍であり、今回の0.9倍がいかに日本企業の株価が不当に評価が下がっているか、これはファンダメンタルズとはかい離した動きであるといえます。

 記事は「経験則が正しいとの前提にたてば、相場は短期的に需給に振られれても、長期的にはファンダメンタルズに収束することになる」と結んでいます。

 つまり今が不当に低い株価水準である以上、長期的には日本の株価は必ず上がるというのです。

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●今こそ「100年に一度」の好機とは言えないか!?

 さて、合理的に考えれば株で儲けるには、当然ですが底値で買って高値で売り抜けばいいわけですが、今日の東証終値の7162円が歴史的大底に近いことは論を待たないことでしょう。

 問題は今日の終値が一番下の底なのか、それともあと数百円、もしかすると千円単位でまだ下がるのか、短期的にはその当たりの見極めは難しいことでしょう。

 今日をもって、この値で底を打ったとは言い難いとの見方が多いことも承知しています。

 しかし長期的に考えれば今の水準が前回の03年4月28日につけたバブル後の最安値7607円と同様、このあたりが歴史的大底に近いことは多くの専門家が指摘しております。

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 過去の株式相場の複数年にわたる波動(値動き)を見直しておきましょう。

 日経平均株価のバブル後最安値は、2003年4月の7607円でした。

 これが2007年6月には1万8240円まで上昇します。

 この4年余りの値上がりは約2.4倍に達しました。

 そしてその後、1年余りで60%以上の急落をもって、本日の歴史的終値を付けることになります。

 このように株価は、底値からアップダウンを繰り返しながら上昇していき、ピークを過ぎると上昇期間に比しあっという間の短期間に暴落する傾向にあるようです。

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 しかし、もしピーク付近で売り抜ければ、理論上は7000円台で買って、1万8000円台で売れば、その分の資産は2倍以上に膨らんだ計算で、株式相場の複数年にわたる波動を生かした長期投資のリターン率をあらためて印象付ける数字であります。

 もちろん売るタイミングを間違えてはいけないのでありますが、ロングスパンで投資するのであって、デーリーで株価の変動に一喜一憂する必要はなく数年という長期で判断すればいいのですから、大きく下げる前に売り抜くことは不可能ではないでしょう。

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 災い転じて福となす、ピンチは最大のチャンスなり、であります。

 底値で買って高値で売り抜くこの長期投資は、底値でもって株を買うタイミングがそうそう巡り会えるものではなく、人生のうちでそう何回も投資できるものではありません。

 次の底値が5年先か10年先か20年先なのか誰にも予測できないのであります。

 しかし、現在は数十年に一度あるかの大底付近であるとするならば、最大の投資チャンスとも考えられます。

 「100年に一度」の恐慌だとすれば、ならば、今こそ「100年に一度」の好機とも言えないでしょうか?

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 もちろん、少々の短期的乱高下には目をつぶり数年寝かせるゆとりのある投資スタイルをつらぬけるお金に余裕がある人が対象でありましょう。

 日々の生活に追われて借金返すのが精一杯の、私のように口ばかりで金のない輩(やから)には、縁遠い話ではあります。(トホホ

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 今日は不景気なニュースのただ中でがんばってらっしゃる読者の皆様のために、株の素人が景気のいいことを言ってみましたが、いかが。



(木走まさみず)