ブログとはブログ主とオーディエンス(視聴者)との合作だと思う〜ネガコメをあえて擁護、肯定してみる
不肖・木走オヤジは、あんまりブログ論とか好んでするほうじゃないのですが、今日はちょっと考えさせられるエントリーを読んだので私見をまとめておきたくなりました。
興味深かったエントリーはこれ。
はてなブックマークが何故?
http://minminsroom.cocolog-nifty.com/webdiary/2008/04/post_ea97.html
このブログ主はココログを利用しているのでありますが、なぜかある日突然Bマークがついていてびっくり、そこからはてなのブクマの存在を知り、正直な感想を述べています。
はてなの愛好家には悪いが、私ははてなの仕組みが嫌いだ。はてなダイアリーでも、ごくごく普通のブログと同じように使っている分にはなにも思わないが、ブックマークとか、変な線がついちゃうのとか、なんとかマークとか色んな仕組みがあって、このあたりが好きになれない。
一番の違和感が、妙にブログ論とかネット論とか議論系が多い感じがする。勝手にそういうことを好きな人同士でやっている分には自分には危害?がないけど、勝手にブックマークとか付けられたりして、それも、本人に分からない形でこっそりコメントされて、それが別の人はてなユーザーからも読める形なのにはむっとした。
なるほど、「勝手にブックマークとか付けられたりして、それも、本人に分からない形でこっそりコメントされて、それが別の人はてなユーザーからも読める形」なことに不快感を抱かれているようですね。
ある意味でこの感覚はとても理解できます。
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自己のエントリーに批判的な意見についてどう考えるべきか。
これね、私としては、ブログっていったい何なんだってとこから議論したい興味深いテーマなんですよね。
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そもそも、ブログとは日記なのか媒体なのか?
もし個人的に非公開を前提に書いている日記を本人の知らないウチに勝手に第三者が読んで、その批評を公開したとしたら、それはとっても気分のよろしくないことでありましょう。
上記のブログ主さんの不快感もそのような観点でブログを個人的日記と解釈するならば、その点はとても共有できますね。
そのような用途のために多くのブログ運営サイトでは、プライベートモードとか閲覧許可制を選択できるようなサービスも用意されているのであります。
私はそのような個人的運用を否定するつもりはありません。
ただ、プライベートモードでなく広く一般に公開するとなれば、否が応でも、第三者の目に晒されてしまうわけで、知らない人からのコメントやブクマやリンクが張られることも、その中には必ずしもポジコメだけじゃなく批判的なネガコメも含まれることは、ネットの持つ媒体としての最大の特性、インタラクティブな双方向の情報発信性が機能してしまうことは、ある程度避けられないと考えたほうがいいでしょう。
情報媒体・メディアとしてのネットの最大の特徴は、例えば新聞やTVなどの既存のメディアでは情報がメディア(情報発信者)からオーディエンス(視聴者)へと一方通行に垂れ流されるだけですが、ネットでは、ブログ主(情報発信者)がエントリーを起こして公開すれば、オーディエンス(視聴者)はコメ欄やブクマやあるいは自身もブログやサイトを持っていればトラバやリンクなどで、あたかも会話するようにインタラクティブにオーディエンス(視聴者)から自由に情報返しが起こるわけです。
そのオーディエンス(視聴者)からの自由な情報返しこそ、既存メディアは有さないネットが持つメディアとしての最大の特性、双方向の情報発信性なのであります。
もちろん、オーディエンス(視聴者)からの情報返しは、必ずしもエントリーを肯定評価してくれるわけではなく、ときにかなりきつめのネガコメもかえって来たりします。
当「木走日記」もときにコメント欄やブクマやトラバで批判のサンドバック状態(苦笑)に晒されるわけですが、私ぐらい面の皮が厚くなると、うーむ、今回のエントリーはかなり恣意的に朝日を批判したからきっとあの辺の人達から怒られるだろうなあ、とか、今回はかなり狭量な視座で公務員批判しちゃったからこの辺の人からたしなめられるだろうなあ、とかオーディエンス(視聴者)からの情報返しを逆に楽しみにしていたり(苦笑)していますが。
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私も「木走日記」ってタイトル付けているので自己矛盾に聞こえるかも知れませんが、ネットで広く第三者に公開しているブログっちゅうのは、残念(?)ながら個人的「日記」ではないと思うわけです。
そして、オーディエンス(視聴者)からの自由な情報返しこそ、既存メディアは有さないネットが持つメディアとしての最大の特性であるわけですから、そこは私は最大にその特性を肯定的に捉えたいです。
ブログとはブログ主がエントリーして、それをオーディエンス(視聴者)がコメ欄とかブクマとかで肯定したり、否定したりして、コミュニケーションするようにできてるわけです。
で、さらに検索してきた来訪者などは、そのブログのエントリーの主張だけでなく、それに対する、オーディエンス(視聴者)の反応まで含めて、考えることができるわけですね。
ブログは日記か媒体か?と問われれば、それは私は実にユニークな媒体と評価したい、そしてその媒体の担い手はエントリーを書いたブログ主だけではない、オーディエンス(視聴者)との合作なのであると考えたいです。
その意味でブクマコメントも、ネットメディアの貴重な立派な参加者なのであります。
ネガコメもエントリーとは別の貴重な視座を与えてくれるわけで、あえて擁護、肯定したいです。(←あ、でも誹謗・中傷はだめですよ、もちろん、お手柔らかにネ(苦笑))
(木走まさみず)