アメリカザリガニと昆虫マニア
今日は与太話であります。
●「石神井公園の博士」わいせつで逮捕
●「石神井公園の博士」わいせつで逮捕
小学生の女児にわいせつな行為をしたとして、警視庁捜査1課と石神井署は9日までに、強制わいせつ容疑で元東京工業大大学院助手の警備員中村隆一容疑者(59)を再逮捕した。中村容疑者は容疑を否認し「工学博士号を持っている」などと話している。犯行現場となった石神井公園付近の小学生の間では「博士」と呼ばれる有名人で、ザリガニ釣りや昆虫に詳しく、小学生に声を掛けては一緒に遊んでいたという。捜査1課は、余罪があるとみて調べている。
小学生の間で有名だった「石神井公園の博士」が強制わいせつ容疑で逮捕された。調べでは、中村容疑者は昨年11月10日午後4時ごろ、石神井公園内で遊んでいた小学4年生の女児(10)に「シャツをズボンに入れてやる」などと言い、ジーパンと下着の間をのぞくなどした。さらに20分後にも同じ女児に「シャツを入れてやる」とし、着衣内に手を入れて陰部や尻を触った疑い。中村容疑者は「そのようなわいせつな行為はしていない」と容疑を否認している。
中村容疑者は2日前の11月8日にも、同公園内で10歳の女児の体を触るなどわいせつ行為をしたとして、同容疑で逮捕、起訴されていた。
石神井公園付近の小学生の間では「博士」は有名人だった。同公園内で中村容疑者から声を掛けられたことがあるという小学5年生の男児は「数年前から現れ『ザリガニ釣れたか』と声を掛けられた。エサのスルメをくれたり、釣れる場所を教えてくれた。虫にも詳しく、博士と呼ばれていた」と話した。他の男児は「下校時間の午後3時ごろに自転車で来て『アイスを買ってやろう』とか声を掛ける。女子もお菓子をもらった。仲が良くなると抱き付いたり、スカートの中に手を入れられた子もいる」と話した。
さらに「博士が助手を連れていたこともあった」と話す男児もいた。この男児(11)によると、博士は、黒いコート姿が多かったが、同じような身なりの「助手」を連れていたという。
東京工業大では「同じ名前の人物が2〜3年前まで理工学研究科の職員として在籍していたが、退職している」と明かした。中村容疑者の博士号の有無について「逮捕された人物と、本学に在籍していた人物が同一か確認が取れておらず、お答えできない」と説明した。しかし「もし同一人物なら、大変申し訳ない」とも話した。捜査1課では、余罪が数件あるとみて、調べている。
[2006/2/10/07:52 紙面から]
http://www.nikkansports.com/ns/general/p-so-tp0-060210-0004.html
「犯行現場となった石神井公園付近の小学生の間では「博士」と呼ばれる有名人で、ザリガニ釣りや昆虫に詳しく、小学生に声を掛けては一緒に遊んでいた」そうであります。
この男、小学生の話「数年前から現れ『ザリガニ釣れたか』と声を掛けられた。エサのスルメをくれたり、釣れる場所を教えてくれた。虫にも詳しく、博士と呼ばれていた」から察するに相当の昆虫マニアだと思います。
ふざけた「ザリガニ博士」なのであります。
我が練馬の恥なのであります。
・・・
それはさておき、ザリガニに昆虫マニアかあ・・・
ん?
ああ、私の中で遠い記憶がよみがえってきましたよ。
トラウマとも言える小学生の頃のザリガニと昆虫マニアに関わるほろ苦い記憶が・・・
・・・
●無敵のヨシノ兄弟のアメリカザリガニ
以前も何度か書いたことですが、私は東京近郊の小さな商店街で生まれ育ちました。
不肖・木走がまだ小学生だった頃、近所の悪ガキ仲間の間でアメリカザリガニを飼うのが流行ったことがありました。
近くのどぶ川でサキイカなんかを餌にして糸で釣ってとってきたり、お小遣いに余裕があれば商店街の熱帯魚屋あたりで購入したりもしました。
で、みんなで自慢のアメリカザリガニを持ち寄ってはザリガニ品評会をしたり、ケンカさせたりして遊ぶのでした。
で、やはり大物(でかくて黒光りして体もはさみも頑丈で強い)を所有している子供は他のみんなの称賛の的でありかつ羨望の的なのでありました。
近所のヨシノ兄弟の家がたまり場となっていました。
弟は私より1級下の小学生、兄ちゃんはたしか当時もう中学生だったと記憶しております。
その家の小さな裏庭でみんなで持ち寄ったザリガニを戦わせていたのです。
で、そのヨシノ兄弟のザリガニがこれが大きくて強いのであります。
対する不肖・木走のザリガニはと言えば、もう持ち主と同じぐらいたよりないやつぞろいで、そもそも好戦的ではない平和主義者(爆)が多かったらしく、いつ戦わせてもどれを戦わせても完敗なのでありました。
・・・
近所の悪ガキが何度挑戦してもヨシノ兄弟が圧勝するのです。
「ケケケケケ」
兄弟揃ってサザエさんのナカジマ君のような、メガネで坊ちゃん刈りの顔もそっくりなヨシノ兄弟が勝つたびにいやーな勝利の雄叫びをあげるのでした。(爆)
・・・
●おお「ビッグワン」よ、積年の恨み今日こそ晴らさん
そんなある日、小学4年生のある夏の日、不肖・木走についに幸運の女神は微笑んでくれたのです。
いつものようにどぶ川でザリガニ釣りをしてた私に今までに経験のないアタリがきたのであります。
つり上げてみたら、ビックリ超ド級の大物でした。
普通10〜15センチぐらいの体長なのですが、この「ビッグワン」は20センチ超の大物なのでありました。
「よーし、これなら勝てる! まっとれよ、ヨシノブラザーズめ!」
釣ったその足で、積年の恨み今日こそ晴らさんと、意気揚々ヨシノ家と駆け込んだ木走であります。
「オオオオ(驚」
私の「ビッグワン」を見てヨシノ兄弟はじめ悪ガキ達一同は、その大きさに驚いて息を呑んだようでした。
・・・
世紀の対戦であります。
今まで連戦連勝の不敗神話を作り上げてきたヨシノザリガニが小さく見えます。
「フフフ・・・・勝てる」
小学4年生の私はその時勝利を確信したのであります。
案の定みごとなはさみ裁きで「ビッグワン」は、ヨシノザリガニをひっくり返したのです。
「ワー」
悪ガキ達も大騒ぎです。
「すげーや、1秒で勝負ありだね」
悔しそうなヨシノ弟でしたが、さすがに敗北宣言であります。
その時、ヨシノ兄ちゃんの目がメガネの向こうで怪しく光ったことは、小学4年生の木走には知る由もありませんでした。(苦笑
●計ったなあ、ヨシノアーニーキー
しばらくして、ヨシノ兄ちゃんが私に言いました。
「うむ、見事な大物だ。記念に父ちゃんのカメラで写真を撮ってあげるからちょっとかしてくれ」
うかれていた私は喜んで「ビッグワン」をケースごと兄ちゃんに渡しました。
家の奥に去っていった兄ちゃんが戻ってくるのに5分も掛からなかったでしょう。
私に「ビッグワン」を返しながら、兄ちゃんはいいました。
「写真ができたらお前にあげるからな、約束だ。よーしもう一度こいつの強さを見てみたい、戦ってみよう」
「いいとも」
もちろん私は快諾です。
戦いの相手はもちろんヨシノザリガニです。
私の「ビッグワン」が負けるわけがありません。
・・・
「ビッグワン」の様子がおかしいことに気付くのにそう時間は掛かりませんでした。
ザリガニ同士を向かい合わせると互いにはさみを掲げて威嚇しあうのですが、「ビッグワン」はその威嚇のポーズも弱々しく、なんとも動作が鈍いのでした。
さっきは秒殺でうち倒したのに今度は逆にはげしく相手に責められる一方なのです。
そうこうするうちに、なんということでしょう、「ビックワン」は自分からひっくり返ってしまったのであります。
「え? どういうこと????」
しばらくすると「ビックワン」は小刻みに痙攣(けいれん)を繰り返した揚げ句、息絶えてしまったのであります。
「ゲエエ」
ああ、あまりの突然のアクシデントに一同言葉も出ません。
「ケケケケケッケケケケケ」
その時、ヨシノ兄ちゃんの悪魔のような笑い声が響いたのであります。
「ケケケ、防腐液打ってやった」
おお、なんということでしょう、ヨシノ兄ちゃんのその手には、昆虫採集セットについていた防腐液を虫に射す注射器があるではありませんか。
(は、計ったなあ、ヨシノアーニーキー・・・・)
私は「ビックワン」の亡骸(なきがら)を入れたケースを小脇に、泣きながら家に走り去ったのでありました。(苦笑)
・・・
・・・
ふう。
ひどい話でございます(笑
今にして振り返ってみればヨシノ兄は昆虫マニアだったのであります。
あのころの商店街の悪ガキ達はなんともしかし残酷でそしてたくましかったのであり、彼等に鍛えられたお陰で不肖・木走もその後立派な悪ガキとしてたくましく育っていったのであります。(爆
本日は与太話でした。
(木走まさみず)