木走日記

場末の時事評論

胡散臭いぞ!東京電力

こんなニュースが飛び込んできました。

TOB応諾で損害」東電株主が代表訴訟を準備

 フジテレビジョンによるニッポン放送株の公開買い付け(TOB)に応じたことで、東京電力に約1億円の損害が生じたとして、東京都内に住む60代の東電株主の女性が14日、TOB応諾を決めた役員を相手に同額の損害賠償を求める訴訟を起こすよう、書面で東電に求めた。東電が役員を提訴しない場合、女性は株主代表訴訟を起こす方針。

 女性の代理人の弁護士が記者会見し、この日、東電に催告書を送ったことを明らかにした。

 催告書で女性は、フジテレビの買い付け価格(5950円)が市場価格より低いのに、東電がTOBに応じたことを「会社の利益を図るべき取締役の忠実義務に違反する」と指摘。「公益性の高い事業を営む東電には中立性が要請されるが、TOB応諾はそれを損なう」としている。

 損害額は、TOB応募締め切り日の市場価格とフジテレビの買い付け価格の差額(650円)に、東電がTOBに応じた株数約16万株をかけた約1億円と算出している。

 東電は「内容を拝見したうえで、真摯(しんし)に対応したいと考えている」などとの談話を出した。

2005年03月14日19時19分 朝日新聞
http://www.asahi.com/special/050215/TKY200503140169.html


 「公益性の高い事業を営む東電には中立性が要請されるが、TOB応諾はそれを損なう」との指摘はしごく当然であります。

 私は、前にこう指摘しておりました。

 ここで興味深いのは、東京ガス同様同じく地域独占形態の公益会社であるはずの東京電力関西電力の動向である。同じ公益会社である東京ガスが、自社事業の公共性を鑑み、TOBに参画しないという良識を示したのに対し、原発関連問題を抱えている電力会社は既存メディアを守る側に立ったわけである。 胡散臭い話である。

●破壊者ホリエモンが投じた一石〜悪しき秩序は守られたかより
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050308

 東京電力は今回の時価よりも低いレートでのTOB応募に関して、どうのような主旨・目的でフジテレビ側に協力したのか、自社株主に対して説明責任があります。まあしかし、おそらく説得力のある明確な説明は期待できませんでしょう。

 関西電力も含めてですが、電力会社が、放送・新聞界において、無視できない巨大スポンサーであることは衆知のことであります。しかしながら、今回のTOB応募で浮き彫りになったこの胡散臭いメディアと電力会社の馴れ合い関係は、非常に気味が悪く不快であります。
 こんなことで、フジサンケイグループの「報道の中立性」は確保されるのでしょうか?

 フジサンケイグループ原子力施設関連の報道で消極的であることも有名な話でありますが、うがった見方をすればやっぱりこれじゃあまともな批判記事は書けないよなあと納得できるわけであります。

 読者のみなさんはどうお感じになられたでしょうか?