木走日記

場末の時事評論

「難しい決断を下した日本の首相に拍手を送りたい!(アメリカ)」〜海外から安倍首相の臨時休校要請に称賛が殺到

安倍総理大臣は27日、来月2日から全国すべての小学校・中学校、それに高校などについて、春休みに入るまで臨時休校とするよう要請いたしました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、政府は安倍総理大臣が29日午後6時ごろから総理大臣官邸で記者会見を行うことを発表しました。

全国すべての小中学校や高校などを臨時休校とするよう要請するに至った経緯や、今後の政府対応などについて説明するものとみられます。

安倍首相 29日午後6時 記者会見 休校要請の経緯など説明へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200228/k10012306621000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001

この安倍首相の決断に対して、唐突感は否めないものの苦渋の「英断」と肯定するのか、世紀の「愚策」と批判するのか、ネット上でもその評価は二分、ほぼ真二つに割れています。

今回の首相による、日本の全ての学校休校要請は海外でも大きく取り上げられて、話題を呼んでいます。

米ニューヨークタイムス記事。

Japan Shocks Parents by Moving to Close All Schools Over Coronavirus
The country, unlike others, has not experienced a sharp increase in reported cases, but it is under pressure to act decisively to preserve the Tokyo Olympics.
https://www.nytimes.com/2020/02/27/world/asia/japan-schools-coronavirus.html?searchResultPosition=3

NYTは基本的に、日本・安倍政権の対応に批判的ですが、本記事も"Japan Shocks Parents by Moving to Close All Schools Over Coronavirus"と、タイトルからして「日本のすべての学校休校(要請)が親に衝撃を与えている」と負の側面を報じています。

他にもABCやBBCなど欧米主要メディアが本件を速報しています。

ABCニュース記事。

Japan to close schools nationwide to control spread of virus
https://abcnews.go.com/Health/wireStory/japan-close-schools-nationwide-control-spread-virus-69251720?cid=social_fb_abcn&fbclid=IwAR3M6ebehu8KROjAfMGn1m2vO8ifWP9jYkeU0MO3no8Sb1DasP_qpC88eNM

BBCニュース記事。

Coronavirus: Japan to close all schools to halt spread
https://www.bbc.com/news/world-asia-51663182?ns_campaign=bbcnews&ocid=socialflow_facebook&ns_source=facebook&ns_mchannel=social&fbclid=IwAR1kuMpxoTYgE0uq29pAyCV2YGiM791k5hmVDnmlHB1xwR6rkbAKXrazWa4

概ね客観報道なのですが、共通するのは今回の安倍首相の決断に驚きを隠していないことです。

興味深いのはこれらの報道に対するコメント欄の反応です。

日本政府が下した決断に肯定的評価が殺到しているのです。

次のサイトが邦訳してまとめておられるのです。

海外「世界は日本に続こう!」 日本政府が下した決断に世界から称賛の声が殺到
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-3370.html

失礼して反応の大きいコメントなどを抜粋してご紹介。

■ この要請による影響は考えるだけでも恐ろしい。
  仕事に行けない親が出てくるだろうし、経済にも影響が及ぶ。
  日本政府としてはかなり苦渋の決断だったよね😔
  とは言え、正しい判断を下したと思います。 +22 イギリス

   ■ 難しい判断じゃないさ。当然経済より命が大事だ。 +9 アメリ

■ 日本の学校は3月で終わるからね。
  新たなシーズンが始まる4月までに、
  何とかしたいという意思の表れなんだろう。 +70 日本在住

■ この決断をした日本はかなり、かなり勇敢だ。 +37 イギリス

■ 今回の要請は理解できる。
  インフルもそうだけど、子供とお年寄りが一番リスクあるから。
  もちろん極端に恐れる必要はないけど、
  中国が発信する情報なんて誰も信じてないもんね。
  今はホワイトハウスの情報だって信じられないし。 +34 アメリ

■ インターネットを通じた授業という手もありだよね。
  進取の気性に富んでる日本人なら、
  どんな方法で対処していっても驚かないよ。 +48 アメリ

■ この日本政府の判断は素晴らしいと思います。
  どうか新型肺炎の迅速な解決策が出てきますように。 +142 アメリ

■ かなり賢明な判断だと思う。
  欲を言えばもう少し早く実行するべきだったけど、
  遅くてもやらないよりはいいに決まってる。 +25 イギリス

■ 素晴らしい。
  本当は大人も仕事を休めればいいんだけどなぁ。 +22 イタリア

■ 積極的な対応をしてる国があることを知れて嬉しい。
  これは感染の拡大を防ぐベストな方法だろうね。
  アメリカもいい加減インフルエンザによる不幸を食い止めようよ。
  新型肺炎による死者よりはるかに多いんだから。 +18 アメリ
(※今シーズンは約2900万人が感染し、1万6000人が命を落としている。
  なお、2017年〜2018年シーズンには6万人以上が亡くなった)

■ しばらく日本の子供たちの勉強が止まる。
  ようやく欧米各国は科学で日本に追いつけるな。 +16 イギリス

■ このハンデがあっても俺達は数学と科学で日本に負ける。 +11 アメリ

■ 難しい決断を下した日本の首相に拍手を送りたい! +55 アメリ

・・・

今回の安倍首相の要請が、日本におけるウイルス感染抑制にどのくらい効果があるのかわかりません。

ひと月後、努力のかいなくウイルス感染者が爆発的に増えている最悪のケースも想定しておく必要はあるでしょう。

しかし、結果がどう出ようと安倍首相がその責任においてとった要請です。

日本のリーダーとして発信したそのシグナルは、海外にて広く評価されています。



(木走まさみず)

4日以上発熱の場合正しく必要な診察と検査が受けられるべき〜肺炎は死因第三位で月一万人以上死亡している現実

医師の中村ゆきつぐ氏が検査のために病院に行くのはわざわざ感染しに行く愚の骨頂であるとのエントリーをしています。

新型コロナウイルスPCR検査の意味 もう今の時期には無駄な仕事を増やすだけ 検査のために病院に行くのはわざわざ感染しに行く愚の骨頂
https://blogos.com/article/438799/

これは医師の立場での冷静な意見です、賛同します。

私は医療関係者ではありませんが、素人の感染者(仮定)の立場で、少し補足させていただきたいです。

私事で恐縮ですが読者の参考になればと、私自身の数年前の「肺炎」経験をお話します。

肺炎は素人判断で放置していると怖いという話です。

当時、小さな会社の経営と学校の外来講師とダブルワークをしていました私は一週間のうち、3日は学校、2日は会社、といった形態で働いておりました。

あるとき、37.5°ぐらいの微熱が出ましたが、市販の風邪薬を飲みつつ働き続けました。

無理した理由はタイトなスケジュールで休むわけにもいかず、特に学校の講義は、ご存知の読者も多いでしょうが、現在は休講した分は必ず補講を入れなければなりません、受講している学生にも迷惑をかけるし、スケジュール調整も面倒だったので休みづらかったのです。

その時点の学校のスケジュールではあと10日ほどで定期試験になり、正規の授業は終了します、試験期間になれば、試験監督(これは辞退できます)と担当科目の採点だけになります。さらに試験が終われば、学校は1ヶ月半の長い休みに入ります。

しかし、一週間しても市販の風邪薬では一向に治らず、私は市販の解熱剤を飲み続けました。ここで私は自分の体力に関して過信がありました、それまでに大病した経験は皆無でした。やがて解熱剤も効かなくなりました、38°前後の発熱が続きました。

学校のスケジュールが休みに入り、私は息苦しくてフラフラの状態で病院に行きました、発熱してから実に一ヶ月近くがたっていました。素人ながらこれはただの風邪ではないことは確信していました。

病院で診断を受けますと、私の説明(一ヶ月発熱が続いていること)や状態を見て医師は、なぜ早く病院に来なかったのかとたしなめつつ、すぐに私を車椅子に乗せました、おそらく歩行もフラフラであったのしょう。

検査の結果、私は肺炎と診断されました。長い間放置していたこともあり症状は重くで、即入院となりました。

肺炎にはさまざまな種類がありますが、肺炎球菌性肺炎、マイコプラズマ肺炎、レジオネラ肺炎、誤嚥性肺炎、そしてウイルス肺炎などです。

検査の結果、私は日本の肺炎の約40%はこの細菌が原因ですが、肺炎球菌性肺炎と判明しました。レントゲン写真では左の肺のほぼ全て、右の肺も一部が炎症していました。

医者からは「あと少し遅れていれば両方の肺に炎症が広がり、呼吸困難となり人工呼吸器が必要だっただろう」と脅かされ、もし私が何がしかの既往症を抱えていたならば重篤な状態を招いていた可能性は低くないと言われました。

肺炎球菌性肺炎は治療には抗生剤を使います。

私の場合、4日間ほど病院のベッドで抗生剤を点滴で打ち続けました。

お陰様で完治でき、結局10日間の入院となりました。

さて前回のエントリーでも触れましたが、厚労省は日本人の死因についてPDFファイルで公表しています。

平成 30 年(2018)
人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/gaikyou30.pdf

これによれば、2018年において、総数136万2482人の中で肺炎は9万4654人と死因第五位、統計上分別されていますが、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は3万8462人で第七位であります。

誤嚥性肺炎は、細菌が唾液や食べ物などと一緒に誤嚥され、気管支や肺に入ることで発症する疾患です。 誤嚥性肺炎を起こすのは、高齢の人や、脳梗塞の後遺症やパーキンソン病などの神経疾患を抱えている人が多いです。

誤嚥性肺炎も含めて肺炎と大きく括れば、日本人の死因の第三位となります。

■主な死因の構成割合(平成 30 年)
f:id:kibashiri:20200227120511p:plain
厚労省資料より『木走日記』作成

平成30年には誤嚥性肺炎も含めて13万3116人が肺炎で死亡しています、一日当たり364,7人の計算になります。

この日本では、一ヶ月で1万人強が肺炎で死亡していると推測できます。

今回の新型コロナウイルスでは、27日午前現在9人の死亡が確認されています。

今回中国では発生から2ヶ月で新型コロナによる死者は2715人になっています。

中国、新型コロナの死者2715人 感染者406人増
新型コロナ 中国・台湾
2020/2/26 11:09
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56059840W0A220C2EAF000/

この先日本の対策が後手に回って中国武漢のような医療崩壊を招いてしまったとして、仮に新型ウイルスで年間1000人の死者を出してしまったと想定しましょう。

繰り返しますが、平成30年には誤嚥性肺炎も含めて年間13万3116人が肺炎で死亡しています、この日本では、一ヶ月で1万人強が肺炎で死亡している現実があります。

つまり統計的には、新型ウイルスで年間1000人の死者を出してもこの国の肺炎の死者数は1%も増えないことになります。

何が申したいかと言えば、新型ウイルスは「正しく恐れよ」ということだと思います。

風邪のような軽度な症状な人や無症状の人がPCR検査を受ける必要性より、4日以上発熱が続くようなケースの人が正しく病院に受診・検査が受けれるような体制を急ぎ確立すべきです。(報道によればこのような人も検査できないケースがあるとか)

肺炎は新型コロナウイルス由来の肺炎だけではありません、その中には肺炎球菌性肺炎のように抗生剤などの治療手段が確立している肺炎も多くあります。

4日以上症状があっても自宅で待機療養というのでは、本来治癒できる患者さんが重症化してしまう可能性があります。

本来検査されるべきは、新型コロナウイルス由来もそうではない患者さんもその症状により同等に扱われるべきなのです。

4日以上の発熱症状がある場合、全員が正しく必要な診察を受け必要な検査を受けられること、そして診察検査の結果に基づき正しい医療行為を受けられること、これが本来治癒できる多くの「肺炎」患者さんを救える方法なのだと思います。

肺炎は死因第三位で月一万人以上死亡している現実があります。

本来治癒できる可能性がある肺炎患者さんの重症化は避けるべきです。



(木走まさみず)

PCR検査体制と感染者死亡数のカウントに関する件

韓国疾病管理本部中央防疫対策本部は26日午前9時現在、新型コロナウイルス感染者が新たに169人確認されたと発表、これにより、韓国国内の感染者数は1146人に増えました。

韓国の感染者数は1000人を突破しクルーズ船の感染者を含めた日本の862人(含むクルーズ船乗船者693人)を超えました。

(関連記事)
韓国、コロナ新規患者169人追加…感染者は計1146人、死亡者は計11人
https://japanese.joins.com/JArticle/262979

ここまでの日本と韓国の感染者推移をグラフで確認します。

■日本と韓国の感染者推移(2月26日現在)
f:id:kibashiri:20200226102541p:plain
※『木走日記』作成

さて、前回当ブログでは、「感染者爆発の韓国と日本が実は人口あたり感染者数がほぼ同じという推測」という少しセンセーショナルな推測をエントリーいたしました。

お時間のある未読の読者はご一読あれ。

感染者爆発の韓国と日本が実は人口あたり感染者数がほぼ同じという推測
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/24/133007

このエントリーでは、韓国と日本のPCR検査数累計の差(韓国が2万件、日本が二千件)に着目し、推測したものです。
もし日本と韓国が同様に市中感染していると無根拠に仮定し、日本も検査を韓国並みに現状の10倍にしたら感染数数も10倍になるだろうとアバウトに推測、そうなれば「韓国と日本が実は人口あたり感染者数がほぼ同じ」と乱暴に推測したものです。

このエントリーは、日本のクルーズ船の存在を無視していたり、そもそもPCR検査数と感染者数の相関関係を医療体制も感染状況も違うであろう二つの国に強引に当てはめていたりと、乱暴なものでありました。

日本国として、限られた医療リソースを症状が重い重篤な患者に集中するためにも、軽度な症状や無症状の人たちには、むやみにPCR検査を行わない方針であることは理解しています。

日本のPCR検査数を厚生労働省が公表していますが、25日で1846人とあります。

新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年2月25日版)
f:id:kibashiri:20200226110453p:plain
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09747.html

前回見落としていましたが、次のような注釈が付いています。

なお、国内事例のPCR検査実施人数は、疑似症報告制度の枠組みの中で報告が上がった数を計上しており、各自治体で行った全ての検査結果を反映しているものではない(退院時の確認検査や、疑似症報告に該当しない検査などは含まれていない)。

うむ、「各自治体で行った全ての検査結果を反映しているものではない」とのことですので、1846人という数値は厚生労働省が把握している数値であり、実数はそれ以上のようです。

実数は不明ですが、日本の新型コロナウイルスPCR検査総数を厚労省が把握できていないことは非常に問題です。

さてです。

現段階(26日12:00)において、日本と韓国において判明している死者数は5名と12名です。

厚労省は日本人の死因についてPDFファイルで公表しています。

平成 30 年(2018)
人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/gaikyou30.pdf

これによれば、2018年において、総数136万2482人の中で肺炎は9万4654人と死因第五位であります。

■主な死因の構成割合(平成 30 年)
f:id:kibashiri:20200226102644p:plain
厚労省資料より『木走日記』作成

さて、この国では毎年10万人前後が肺炎により死亡しているわけですが、1日当たりでは、9万4654人を365日で割れば、259.3人となります。

この30日間では260人*30日=7800人ぐらいが肺炎にて死亡していると推測できるのです。

ここまでの感染者死亡例は日本では5名ですが、PCR検査をしていないがために実は新型コロナウイルスにより死亡した感染者は、毎日260人死亡している死因「肺炎」に吸収されていくだけで、感染者死亡数にはカウントされない、ということになります。

これから市中感染が本格化するときに、どうか日本はPCR検査体制を、国民が理解できる説明のもとで、限られた医療リソースを浪費しないように配慮しつつ、効果的運用を心がけていただきたいです



(木走まさみず)

感染者爆発の韓国と日本が実は人口あたり感染者数がほぼ同じという推測

さて韓国の感染者数の増加が止まりません。

前回、前々回のエントリーの続報です。

【前回】
2020-02-22
4日間で11倍超の感染爆発、韓国で今何が起こっているのか検証
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/22/130108
【前々回】
2020-02-21
韓国で感染者数が3日間で5倍増と尋常じゃない件
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/21/170643

韓国では、24日、感染者数は全体で763人に増え、死亡者も1人増え7人になりました

(関連記事)
韓国、新型肺炎患者161人増えて763人に…死亡者は7人に
https://japanese.joins.com/JArticle/262905

これまでの日本と韓国の感染者数の推移の最新グラフです。

■日本と韓国の感染者推移(2月24日現在)
f:id:kibashiri:20200224121719p:plain
※『木走日記』作成

韓国のこの感染者数爆発でありますが、日本と比較してPCR検査数の差に着目したいのです。

厚労省が公式にプレスリリースしている「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」を参照すれば、日本におけるPCR検査実施人数は20日で1432人、21日現在で1522名とあります。

PCR検査実施人数1432人(2月20日現在)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09670.html
PCR検査実施人数1522人(2月21日現在)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09690.html

1日当たり検査実施数が20日から21日では90件、おそらく今現在(24日)のPCR検査実施件数は累計で2000件には至っていないことでしょう。

一方韓国聯合ニュースによれば 中央防疫対策本部によると、23日午前9時現在、6039件の検査が進められていて、1日約5000件の検査能力を上回る件数だそうです。

さらに「検査能力1日1万3千件を目指す」としています。

(関連記事)
新型コロナ検査能力 1日1万3千件に拡大へ=韓国
記事一覧 2020.02.23 13:23
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200223000700882?section=search

韓国のCDC(疾病管理本部)が発表している検査実施数によると、2/19・16時=11173件  2/20・09時=12161件 2/20・16時=13202件2/21・09時=14816件 2/21・16時=16400件  2/22・09時=19621件。2/23・16時の発表では、2万件を超えています。

(韓国のCDC公式サイト)
KCDC leads the world free of diseasesSNS
https://www.cdc.go.kr/cdc_eng/

ようするに、韓国は少なくとも日本の10倍の検査を実施していることになります。

あらためて23日までの日本の感染者数の推移を細かくグラフ化してみましょう。

■日本の感染者推移(2月23日現在)
f:id:kibashiri:20200224070811p:plain
※『木走日記』作成

韓国の十分の1の検査数を考えると、日本の実態は10倍の1470人と推測することが可能でしょう。

だとすれば、日本の人口が韓国の2倍であることを考慮すると、韓国763人、日本147人*10倍の1470人、あくまでもアバウトな推測値ですが、人口10万人当たりの感染者数は、現状1.2人とほぼ同じであると推測できます。

本エントリーが、読者のみなさまのこの問題を考察する際の参考になれば幸いです。



(木走まさみず)

4日間で11倍超の感染爆発、韓国で今何が起こっているのか検証

昨日21日のエントリーの続報です。

昨日一気に156名にまで急増した韓国の感染者数を取り上げました。

韓国では18日に30人だった感染者数が、19日に51人、20日に104人、21日に156名と、この三日間で30人から156名と実に5倍に増えています。

韓国で感染者数が3日間で5倍増と尋常じゃない件 より
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/21/170643

ところが21日のうちにさらに48人増え204人になります。

新型ウイルス、韓国でさらに48人の感染確認 計204人に
https://www.afpbb.com/articles/-/3269529

さらに22日、速報で朝鮮日報が「新たに142人の感染確認=計346人」と報じます。

新型肺炎 韓国で新たに142人の感染確認=計346人
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/22/2020022280018.html

驚くべきスピードです、わずか一日で156人から346人と倍増以上のペースで感染者数がふえています。
まずは昨日のグラフです。

■日本と韓国の感染者推移(2月21日現在)
f:id:kibashiri:20200221164126p:plain
※『木走日記』作成

次が最新のグラフです。
グラフも縦軸を20人刻み160人MAXから、50人刻み400人MAXに更新しました。

■日本と韓国の感染者推移(2月22日現在)
f:id:kibashiri:20200222114254p:plain
※『木走日記』作成

さすがにNHKなど日本のメディアも報じ始めました。

新型ウイルス 韓国の感染者346人に 死者は2人
2020年2月22日 10時30分

韓国の保健福祉省は22日、新型コロナウイルスの感染者が新たに142人増えたと発表しました。142人のうち126人が、韓国南部テグ(大邱)にある教会と、その周辺にある病院の関係者だということです。
これで韓国で感染が確認されたのは合わせて346人となり、このうち2人の死亡が確認されています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200222/k10012297111000.html

それにしてもです、18日に30人だった感染者数が22日に346人と、わずか4日間で11倍超の急増です。

気になるのは一日当りの感染者増加数で、21人、53人、100人、142人と勢いを増しています。

韓国で何が起こっているのか、検証いたします。

上記グラフでも確認できるとおり2月20日までは感染者数30人と抑えられており、2月13日には、文大統領は「新型コロナは遠からず終息する」と断言し、韓国国民に向かって正常な日常に戻らなければならないと呼びかけていました。

文政権の経済副総理である洪楠基(ホン・ナムキ)企画財政部長官も、過度な恐怖心と不安が消費者心理を萎縮させているとし、「(自営業者を助ける気持ちで)行事や集まり、昼休みには最大限外部の食堂を利用してほしい」と促します。

さらに19日には、出入国管理の主務部処長官の秋美愛(チュ・ミエ)法務長官が、米国が政治的な理由で中国人たちの入国を遮断したとし、「我が国(韓国)は静かながらもとても合理的かつ客観的な方法で実効的な遮断をした。科学的に対処している」と自画自賛します。

与党の共に民主党は、中国人入国を制限すべきだという医師協会の主張に対し、「政治的な判断」と非難しています。共に民主党からは「わが政府の対応が世界的な模範ケースとして認められている」という出張も出ます。

韓国メディアも、日本や米国などの海外マスコミが韓国の新型コロナ対応態勢を絶賛しているとし、文在寅政権を大いに称えていました。

特に日本の対応に対しては、「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)と嘲笑していました。

関連エントリー
「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)だと?〜これだけ事実を捻じ曲げた反日記事は珍しい、 反日なら何でも許されるのか?
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/08/125127

そんな韓国内の感染が急速に拡大し始めたのは19日、韓国の南東部にある大邱(テグ)地域で国内31番目の感染者が確認されて以降です。

この感染者が新興宗教「新天地イエス教会」の信者で、大邱市の大邱教会で行われた礼拝に参加し、集会の参加者たちを対象に検査を実施したところ、19日当日だけでおよそ14人の感染者が確認されるなど、この感染者が訪れた場所を中心に大邱市内のいたるところで新型コロナの感染者が続出する事態となります。

さらに事態を悪化させているのは、新天地の信徒らは全国の教会を巡りながら礼拝を行っているため、大邱教会を訪れた全国の信徒の間で感染者が続出していることです。

最初の死亡者が発生した慶尚北道・清道(キョンプッド・チョンド)地域の某病院では、新天地幹部の葬式が行われたことが確認されています。

(参考記事)
日本超えた韓国の感染者、背景に新興宗教信者の暴挙
日本を冷笑していた韓国、あっという間に中国に次ぐ感染大国へ
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59456

まとめます。

日本の感染者増加のペースも上記グラフでご覧のとおり日々悪化しており決して油断することができない事態なわけです。

感染ピークをいかに遅らせてその山を低くなだらかなものにするか、それとも対策に後手を踏みピークが早まり高くなってしまうか、今が重大な局面なのです。

専門家はここ半月が勝負どころといいます。

19日までは、「わが政府の対応が世界的な模範ケースとして認められている」(共に民主党)と自画自賛し、その政策に自信を示し「行事や集まり、昼休みには最大限外部の食堂を利用してほしい」(韓国政府高官)と国民に外食を促し、さらには「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)と対策に失敗したと日本を嘲笑。

そこに慢心はなかったか。

今回の韓国の感染爆発が、韓国の「油断」のようなものが招いたとすれば、日本にとってもこれを「他山の石」として、気を引き締めてまいりたいです。



(木走まさみず)

韓国で感染者数が3日間で5倍増と尋常じゃない件

なぜか日本であまり大きく報道されませんのでトピックとして取り上げます。

海外報道によれば、21日、新型コロナウイルスで韓国の感染者156人に急増、中国本土以外で最多となりました。

(関連記事)
新型コロナウイルス、韓国の感染者156人に 中国本土以外で最多
https://www.afpbb.com/articles/-/3269439

AFP通信記事より。

【2月21日 AFP】(更新)韓国当局は21日、新型コロナウイルスによる感染者が新たに52人確認されたと発表した。韓国での感染者は計156人となり、中国本土以外の国・地域別では最多となった。

韓国では18日に30人だった感染者数が、19日に51人、20日に104人、21日に156名と、この三日間で30人から156名と実に5倍に増えています。

(関連記事)
新型コロナウイルス感染者数(COVID-19)推移
https://note.com/entamenodendo/n/n312ffa50f3cf
日本を冷笑する韓国メディア、感謝する米国
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59398
新型コロナウイルス、感染者が確認された国と地域(12日0時30分現在)
https://www.afpbb.com/articles/-/3267819
世界の新型コロナウイルス拡大状況
https://jp.yna.co.kr/view/GYH20200205000900882?section=image/graphics
新型コロナウイルス、これまでの感染状況
https://jp.reuters.com/article/china-health-virus-idJPKBN1ZQ0DZ

20日に日本を抜き21日現在97名の日本の感染者数の1.56倍にまで急増しています。

ここまでの感染者推移をグラフでまとめてみましょう。

■日本と韓国の感染者推移(2月21日現在)
f:id:kibashiri:20200221164126p:plain
※上記関連記事より『木走日記』作成

日本の感染者増加のペースもご覧のとおり日々悪化しており決して油断することができない事態なわけですが、それにしても韓国の増加ペースは、3日間で5倍と尋常ではありません。

つい半月前には「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)と日本を嘲笑していた韓国なのでしたが・・・

関連エントリー
「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)だと?〜これだけ事実を捻じ曲げた反日記事は珍しい、 反日なら何でも許されるのか?
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/08/125127

この感染者急増を受けて韓国メディアの論調は劇的に変化します。

21日朝鮮日報は「中国人を全面入国禁止にしなかった韓日のみ感染者急増」を掲げます。

中国人を全面入国禁止にしなかった韓日のみ感染者急増
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/21/2020022180093.html

記事では、韓国と日本を並べて「中国に次いで新型コロナウイルス感染者数で世界2位と3位になった」と指摘しています。

中国・湖北省からの外国人だけを入国禁止対象にするなど、生ぬるい対処をしたと指摘されている韓国は感染者数が20日現在で106人、日本は同93人と急増しており、中国に次いで新型コロナウイルス感染者数で世界2位と3位になった。中央アジアカザフスタン政府とキルギス政府は20日から韓国または日本に行って戻ってきた人に対しても2週間、自宅隔離措置とすることにした。

今回の感染者急増で、韓国メディアから日本の対応を嘲笑する論調が一瞬にして消え去りました(今のところですが)。

ことは互いの国民の命にかかわることなのです。

この局面で、韓国が冷静になることは有意義でありましょう。

今回は韓国で感染者数が3日間で5倍増と尋常じゃない件を取り上げました。



(木走まさみず)

この局面で新型コロナウイルスで政府批判する一部メディアの報道姿勢に疑問

朝日新聞が20日付けで「クルーズ船対応 ケアと検証を確実に」とのタイトルの社説を掲げます。

(社説)クルーズ船対応 ケアと検証を確実に
https://www.asahi.com/articles/DA3S14372129.html?iref=editorial_backnumber

社説は冒頭「乗客の下船が始まった」ことにふれ、しかし「今月5日以降も、船内で広がった疑いがある」とし、「おととい現場に入った国内の専門家からは、感染防御の対策が取られていなかったという厳しい指摘も出ている」とします。

 新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船で、政府による14日間の留め置き措置が終わり、検査の結果が陰性で、かつ症状のない乗客の下船が始まった。

 感染が確認された乗客・乗員は600人を超えた。乗客に個室での待機を求めた今月5日以降も、船内で広がった疑いがある。おととい現場に入った国内の専門家からは、感染防御の対策が取られていなかったという厳しい指摘も出ている。

ここから「この間、政府の方針は二転三転した」と日本政府批判に論を転じます。

 この間、政府の方針は二転三転した。当初、症状のない人はそのまま下船させる予定だったが、横浜港に入った直後の検疫で感染者が見つかると、方針を変えて船内待機を求めた。その後、感染者がほぼ連日見つかるなか、持病を悪化させて救急搬送される人も出るようになった。14日からは高齢者らの下船を認めることにした。

「無症状で元気な人や、検査で陰性だった人まで船内にとどめる必要があるのか、疑問の声はあった」と指摘、「水際で阻止するという方針にこだわり、事態の悪化を招いた面はないか」と政府のとった方策に疑義を挟みます。

 ウイルスの検査態勢が整わず、対応に一定の制約があったにせよ、無症状で元気な人や、検査で陰性だった人まで船内にとどめる必要があるのか、疑問の声はあった。疑いのある者は上陸させず、水際で阻止するという方針にこだわり、事態の悪化を招いた面はないか。

「乗客・乗員への情報提供のあり方にも課題を残した」とし、「今回の政府の一連の措置が、こうした国々の信頼を得られているとは言い難い」と国際的にも日本政府の信頼を失ったと批判します。

 また、持病薬の提供を含む日常生活のサポートや、乗客・乗員への情報提供のあり方にも課題を残した。あわせて検証の対象にしてもらいたい。

 船には、日本以外にも55の国・地域の乗客と乗員が乗っていた。今回の政府の一連の措置が、こうした国々の信頼を得られているとは言い難い。

国際的にチャーター機が「帰国後、改めて14日間の隔離を実施している」ことを挙げ、「今月5日以降新たな感染は起きていないという、厚労省の見解が受け入れられていない証左」だと批判します。

 米国はチャーター機を派遣して自国民を退避させたが、帰国後、改めて14日間の隔離を実施している。今月5日以降新たな感染は起きていないという、厚労省の見解が受け入れられていない証左だ。対策の足並みをそろえるためにも、船内の実態の解明を急ぐ必要がある。

社説は「国境を超えたルールの整備が急がれる」と結ばれています。

 検疫・治療の態勢や費用分担のあり方について、国境を超えたルールの整備が急がれる。

タイトル「クルーズ船対応 ケアと検証を確実に」と結び「国境を超えたルールの整備が急がれる」との建設的な意見ですが、今検証したとおり、その論説の大半は、日本政府の対応ミスの羅列・批判に終始しています。

朝日新聞社説が指摘している日本政府の施策のミス・問題点を列挙します。

・当初、症状のない人はそのまま下船させる予定だったが、横浜港に入った直後の検疫で感染者が見つかると、方針を変えて船内待機を求めたこと
・その後、感染者がほぼ連日見つかるなか、持病を悪化させて救急搬送される人も出るようになったこと
・14日からは高齢者らの下船を認めることにしたこと
・無症状で元気な人や、検査で陰性だった人まで船内にとどめる必要があるのか、疑問の声はあったこと
・疑いのある者は上陸させず、水際で阻止するという方針にこだわり、事態の悪化を招いた面はないのか疑義が残ること
・持病薬の提供を含む日常生活のサポートや、乗客・乗員への情報提供のあり方にも課題を残したこと
・日本以外にも55の国・地域の乗客と乗員が乗っていた。今回の政府の一連の措置が、こうした国々の信頼を得られているとは言い難いこと
・米国はチャーター機を派遣して自国民を退避させたが、帰国後、改めて14日間の隔離を実施している。今月5日以降新たな感染は起きていないという、厚労省の見解が受け入れられていない証左なこと。

これらの指摘に当ブログとして反論はありません、ほぼ事実であると思われます。

ミスはミスとしてしっかり検証して今後の施策に生かすことは重要でしょう。

政府は、とった対策とその過程をしっかり国民に説明する情報開示を徹底し、そして政策のTransparency(透明性)をしっかり確保していただきたいと思います。

しかしです。

このウイルス拡散期を迎えるかどうかの重大局面において、政府の対応のミスを列挙し批判する朝日新聞のその報道姿勢には疑問を持たざるを得ません。

人類が未だ経験したことのない新型ウィルスが襲来したのです。

その対応にミスが伴ったことは必然とも言えましょう。

ミスの無い100%の対応などどの国だって不可能なことです。

ミス・問題点を指摘することは大切なことです。

しかしそのミスをことさら取り上げて政府の策をこまごまと批判するのでは、そのことが現場で苦労されている乗客や乗組員そして医療関係者のマインドにどう影響するか、考えてみていただきたいです。

この局面で、タイトルや結びの文で建設的論説の形をとりつつ、その中身は、日本政府のとった施策ミスや問題点を細部に渡って列挙して批判する朝日新聞社説なのです。

繰り返しますが、現在は日本でウィルス拡散するか否か、この国の新型コロナウイルス防疫対策の重大局面です。

この局面では政府・各自治体・国民、国一丸で対応すべきであります。

朝日新聞だけではないのですが、この問題をいたずらに政府批判などの政局に利用するように報じる一部メディアの報道姿勢には疑問を持たざるを得ません。



(木走まさみず)