木走日記

場末の時事評論

「小役人のセクハラ騒動もすべて安倍政権のせい」(朝日社説)〜社説で執拗に呪詛のように安倍政権批判する朝日新聞の報道姿勢に本当に社会正義はあるのか?

 さて週刊新潮で女性記者に対する財務省福田淳一事務次官のセクハラ発言が報じられた問題です。

 週刊新潮がスクープしたセクハラ疑惑のネットで公開されている音声はこちらです。

財務省トップ」福田淳一事務次官のセクハラ音源公開!
政治週刊新潮 2018年4月19日号掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2018/04131400/

 これに対し、財務省は16日、次官からの聴取結果を発表、福田次官は「週刊誌報道で記載されているようなやりとりをしたことはなく、心当たりを問われても答えようがない」と事実関係を否定。新潮社に対し、名誉毀損(きそん)で提訴を準備していることを明らかにしました。

(関連記事)

財務省
福田次官、セクハラ否定「事実と相違、提訴準備」
毎日新聞2018年4月16日 13時22分(最終更新 4月17日 11時19分)
https://mainichi.jp/articles/20180416/k00/00e/010/241000c

 しかしこの段階で財務省は、事実関係を明らかにするため、弁護士に調査を委託し、報道各社の女性記者にも調査への協力を呼びかけるのですが、これが高慢で被害者への思慮に欠けると、身内の政府・与党からも批判を浴びます。

(関連記事)

セクハラ報道 財務省の対応に政府・与党からも批判
4月18日 4時11分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180418/k10011407631000.html

 事ここに至っては、保守派の産経新聞も18日付け社説にて、財務省の対応を痛烈に批判します。

次官のセクハラ 財務省は醜聞の擁護者か
http://www.sankei.com/column/news/180418/clm1804180001-n2.html

 産経社説は、福田氏は「問題の根幹を理解していない」と突き放し、「決断は早ければ早いほどいい」と強く辞任をうながして結ばれています。

 福田氏は、問題とされるやりとりについて、自身の関与をぼかしながら「悪ふざけ」「言葉遊び」と表現した。問題の根幹を理解していないらしい。官僚には常識や徳目も求められる。決断は早ければ早いほどいい。

 ・・・

 さて事の真偽は今だ明らかにはなってはいないのですが、財務省の対応の悪さもあり世論の空気は激しくアゲンストでありメディアも財務省批判一色であります。

 一旦は逃げ切りを計った財務省ですが、事務次官更迭やむなしとの空気が与党内で支配的になってきた模様です。

(関連記事)

セクハラ疑惑
「逃げ切れず」福田次官更迭論、与党で拡大
https://mainichi.jp/articles/20180418/k00/00m/010/100000c

 ・・・

 財務省が危機的なこの局面で、事務方トップの事務次官があの内容のセクハラ報道をされること自体、ご本人も認めているように「不徳のいたすところ」でありましょう。

 産経社説も主張するとおり、事ここに至っては「決断は早ければ早いほどいい」のでしょう。 

 財務事務次官更迭やむを得ずでしょう。

 しかしこの財務次官のセクハラ疑惑をもって、安倍政権批判に結びつける朝日新聞の報道姿勢はいかがなものなのでしょうか。

 朝日新聞は、財務省のセクハラ調査、これは「恫喝に等しい」と報じます。

財務省のセクハラ調査に批判相次ぐ 「恫喝に等しい」
2018年4月17日21時45分
https://www.asahi.com/articles/ASL4K578TL4KULFA01W.html

 さらに17日付けで朝日新聞は今回のセクハラ問題を安倍政権批判に結びつける政府批判論説を社説にて掲げます。

(社説)財務次官問題 混乱は深まるばかりだ
2018年4月17日05時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S13454113.html?ref=editorial_backnumber

 社説は冒頭から「政権の統治能力が疑われる事態」だと決めつけます。

 政権の統治能力が疑われる事態である。

 このセクハラ問題をもって安倍政権批判に「昇華」させているのです、社説の最後には、「このありさまでは、政権自体が立ちゆかない」と、ついに安倍政権崩壊をほのめかし論を結んでおります。

 森友問題ですでに財務省の信頼は地に落ちている。国の予算と税制を差配する要の役所がこのありさまでは、政権自体が立ちゆかない。

 ・・・

 この局面ですべての公務員の問題は行政の長である安倍晋三の責任であると、言わんばかりの暴力的な批判ではありますまいか。

 事務次官という要職です、任命責任は問われるとすれば、財務相の責任は上がる可能性があるでしょう。

 しかし役人のセクハラ疑惑ひとつひとつでいちいち「政権の統治能力が疑われる」(朝日社説)などしていたら、どの政権も長らくは持ちませんでしょう。

 朝日は「このありさまでは、政権自体が立ちゆかない」とこの小役人の情けないセクハラ疑惑をときの権力者、安倍政権の問題に拡大解釈して大袈裟に「昇華」させて論じているわけであります。

 森羅万象この世で発生するあらゆる不届きな現象は全て安倍晋三が悪いのだ。

 まるで朝日社説にかかっては悪い事象の因果、全ての責任が安倍政権にかかっているようです。

 社説で執拗に呪詛のように安倍政権批判する朝日新聞なのです。

 朝日新聞の報道姿勢に本当に社会正義はあるのでしょうか。

 朝日新聞は自称しているとおり本当に「社会の公器」なのでしょうか。

 私にはその報道姿勢はひどく偏向し「公正」さを欠いてしまっているとしか思えません。

 朝日新聞の報道姿勢、読者のみなさんはどうお考えでしょうか。



(木走まさみず)