木走日記

場末の時事評論

福島瑞穂氏や蓮舫氏が国会で黒服で「#Me Too(私も!!)」と叫ぶ現象の社会学的考察

 今回はハラスメントに関わる小ネタでございます。

 どうかひとつ、どなたかこの興味深い事象を、社会学的見地で考察し、この社会現象の実態や現象の起こる原因に関するメカニズム(因果関係)を解明していただきたいのであります。

 それはある主張をする者がその主張自体は純然たる「正」なのだけれども、主張を唱える者自身がどうしても「偽」りっぽくて申し訳ないけどそこにある種のパラドックスが現出してしまい説得力に欠けてしまう、という事象であります。

 例えば最近では、レスリング女子の伊調馨選手が日本協会の栄和人強化本部長からパワーハラスメントを受けたと認定された事件があるわけです。

 で、元民主党女性国会議員で谷岡至学館大学長が怒りの「パワハラ否定会見」をされました。

 そのあまりのド迫力に場が圧倒されてしまいました、ご記憶の読者も多いでしょう。

 谷岡至学館大学長の「パワハラ否定会見」が、「栄和人など私に比べればパワーなどない、彼はただの小心者だ、パワーのない人間がパワハラなどできるはずがない」とのド迫力発言がよっぽど「パワハラ的」(苦笑)で、さすが元民主党女性国会議員は「筋金入り」のブーメラン体質だと、ネットでも大炎上、個人的にテレビの前で失笑したのはついこの間だったのであります。

 なんだろう、「ハラスメント」を徹底的に否定する人物が猛烈な「ハラスメント」臭をただよわせるのであります。

 これです、この現象なのです。

 うーむ。

 で、もうひとつ。

 本日(20日)午後に飛び込んできたネットの速報記事から。

国会でも#MeToo 野党議員、セクハラ疑惑に抗議
山岸一生2018年4月20日12時51分
https://www.asahi.com/articles/ASL4N3DQJL4NUTFK00C.html?iref=comtop_photo

 うーん、福島瑞穂氏や蓮舫氏などそうそうたる野党女性議員が20日午前、国会内の会合で「#Me Too」と書かれた紙を掲げ、そろって黒い服で抗議の意思を示したのであります。

 これは米国発のセクハラ告発運動のシンボルにならい、財務省事務方トップのセクハラ疑惑と、同省が被害女性に名乗り出ることを求めた対応の問題の深刻さを国内外に訴えたわけであります。

 いやなに、それはそれでそれはある主張をする者がその主張自体は純然たる「正」なのだけれども、でもですね、主張を唱える者自身がどうしても「偽」りっぽくて申し訳ないけどそこにある種のパラドックスが現出してしまい説得力に欠けてしまう、なんというか筋肉質の人が「私たちはか弱い」とのたまうみたいな、という事象ではありますまいか。

 ハラスメント告発運動で福島瑞穂氏や蓮舫氏が国会で黒服で「#Me Too(私も!!)」と叫ぶ。

 なんだろう、この絶望的な違和感は・・・


 パーツパーツは正しい行いなのだろうけれども、発言内容と人物のその組み合わせがかもし出すなんともいえない化学反応的「筋金入り」感、はなんでしょう、あなたたちはハラスメントなんか無縁ですよね、平気で跳ね返しますよねみたいな・・・、それなのに「#Me Too(私も!!)」って(苦笑)・・・ 

 ふう。

 どうかひとつ、どなたかこの興味深い事象を、社会学的見地で考察し、この社会現象の実態や現象の起こる原因に関するメカニズム(因果関係)を解明していただきたいのであります。

 しかしなあ、国会で黒服で集団で「#Me Too(私も!!)」と叫ぶ。

 セクハラ告発している人たちがこれはこれでパワフルで怖いという事象・・・

 このあたりの感覚が私にはいまひとつ理解できないのであります。

 小ネタでありました。 

 はあ。


(木走まさみず)