木走日記

場末の時事評論

五輪エンブレムのことでなんとなくモヤモヤする件を読者と共有したい

 なんとなくモヤモヤすることってあるじゃないですか?

 今回のエントリーは、当ブログが抱えているこのモヤモヤ感を読者の皆さんに共有していただこうと思います。

 そんな暇な時間はないという読者はどうか、読まないでいただいていただきたく・・・

 さてと。

 どこからお話ししましょうかね。

 まずは8年前の日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」の記事。

2007年6月2日(土)「しんぶん赤旗
税金で政党CM
自民・民主とも 100億円超
電通博報堂が受注トップ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-06-02/2007060215_01_0.html

 ネタが古くて申し訳ないのですが、これですね、広告代理店「電通」と自民党、広告代理店「博報堂」と民主党がズブズブの関係にあることをすっぱ抜いた赤旗渾身のスクープ記事なわけです。

政府広報」を二社で六割近く、ほぼ独占的に受注している「電通」(東京・港区)と「博報堂」(同)が、国民の税金である政党助成金を使った自民、民主両党の「宣伝事業」も多額に請け負っていることが、一日、わかりました。日本共産党の吉井英勝衆院議員が「政党交付金使途報告書」で調べたもの。

 当時の二大オバケ代理店と自民・民主の関係は赤旗記事によればこんな図式であります。


赤旗記事より当ブログ作成

 まあ民主と「博報堂」が仲がよろしいのはスクープでも何でもない業界の常識ってやつですが一応押さえておきましょ、ということでこの記事をご紹介いたしました。

 さてと次。

 その頃民主党は党のロゴから「民主くん」というゆるキャラを作りまして、当時当ブログでは「まあ今の民主党の情けない頼りない体たらくをシンボリックに表現したのであれば、これはこれでちょうどいいのかも知れません」とボロクソに酷評していたのでありました。


2007-05-23 とてつもなく情けなく頼りなく弱そうなキャラ「民主くん
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20070523

 で、この民主党のロゴですが、民主党公式サイトによれば、1998年04月15日に発表されていますね。


http://archive.dpj.or.jp/news/?num=6041

 うむ、「浅葉克己さんデザイン」であると。 

 民主党の菅代表と羽田幹事長が国会内で会見し、新しい民主党ロゴマークを発表した。

 今回のマークは、これまでの民主党のマークと同じく、浅葉克己さんデザインによるもの。

 2つの円は、「民の力」の結合の象徴を表している。また、下側の円の輪郭線が曲線でないのは、円がみなぎる力で動いたり、育ったりして、生命体のように成長しつつ、融合して新しい形を生み出す様子を表している。

 菅代表は記者会見で「最初に見たとき、下の丸が手書きのような形だったのでびっくりしたが、ある意味で、生きている形だ。例えば、雪ダルマをころがしている間はまんまるではなく、ころがしているうちにだんだん大きくなっていく」と紹介。

 「民の力」というキャッチフレーズについては、「民主党が目指す方向が、民主主義革命だということ。『官から民へ』という考え方を象徴する。市民とか国民と表現してきたが、『民』はもっとも凝縮された形ではないかと思っている」と述べた。

 で、次。

 昨年、北海道地盤が強い民主党が一押しで開催されたのが、札幌国際芸術祭(Sapporo International Art Festival、略称:SIAFサイアフ)でありました。

 ホームページはこちら。


https://www.sapporo-internationalartfestival.jp/

 で、札幌国際芸術祭開催報告書なるPDFファイルを開けば立派なロゴがありますと。


https://www.sapporo-internationalartfestival.jp/2014/u/2015/03/SIAF2014.pdf

 このロゴですが、さすが民主一押しの芸術祭だけあります、このロゴを選考したのは、反核運動などリベラルな政治活動でも有名な「世界のサカモト」こと音楽家坂本龍一氏(62)でありました。

 でこのロゴが「ジョンソン・エンド・ジョンソンの美容液「レチノックスリンクルフィラー」の容器などに記されているマークと、ほぼ同じ図柄であることが判明した。」報じたのが、我らが孤高の保守メディア・フジサンケイループの雄、夕刊フジでございました。

坂本龍一氏が選考のロゴにパクリ疑惑 作者男性「見たことない」 札幌国際芸術祭 (1/2ページ)
2014.10.22
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141022/dms1410221830010-n1.htm

 で夕刊フジの記事によれば左が坂本氏チョイスのロゴで右がジョンソン・エンド・ジョンソン、拡大してご紹介。


http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141022/dms1410221830010-n1.htm

 素人目ではどうかんがえてもパクリですが、現在も使っていることからおとがめなしみたいですね、いやデザインの世界は奥が深い(苦笑)。

 で、この札幌国際芸術祭のポスターをデザインした長嶋りかこさんが、2014毎日デザイン賞を受賞しましたと。

 毎日新聞の公式サイトはこちら。


http://macs.mainichi.co.jp/design/m/#n02

 でサイトより長嶋りかこさんのプロフィールを失礼してご紹介。

長嶋りかこ
グラフィックデザイナー。1980年11月11日生まれ。
2003年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科卒業後、博報堂を経て2014年デザイン会社「village ®」設立。グラフィックデザインを基軸に、ブランディング、CI、VI、プロダクトデザイン、パッケージデザイン、エディトリアルデザイン、サイン計画、アートディレクションなどを手がける。また2011年からの自身の活動「Human_Nature」では、“人と自然の間”をコンセプトにし、自然との調和や、人の動物的感覚を再認識するような作品やプロダクトを定期的に発表する。
「都市と自然」をテーマにした札幌国際芸術祭では坂本龍一氏のもと全体のデザインを担当した。主な受賞歴に、カンヌデザイン部門銀賞、ニューヨークADC銀賞、アジア太平洋広告祭グランプリ、ワルシャワビエンナーレ銀賞、日本パッケージデザイン大賞金賞、経済産業大臣賞等、東京ADC賞、JAGDA新人賞、国内外の賞を多数受賞。

 なるほど、元博報堂社員であると。

 で、毎日デザイン賞の選考委員・調査委員の名簿を見れば、おお、民主党ロゴの作者である浅葉克己さんと、博報堂社員で長嶋りかこさんの上司だったアートディレクターである佐野研二郎さんのお名前があると。

 さてパクリ疑惑の佐野研二郎さんが事実無根と記者会見をいたしました、と。

東京オリンピックパラリンピック
佐野研二郎氏が会見「事実無根」

8月5日、東京オリンピックパラリンピック公式エンブレムの製作者である佐野研二郎氏が会見を開き、「盗用は事実無根」と述べデザイン盗作疑惑を否定した。会見の中で佐野氏はエンブレムについて「アートディレクターとしてこれまでの知識や経験を集大成して仕上げた作品」と主張し、作品のオリジナリティを強調した。

佐野氏は、製作した公式エンブレムがベルギーで作成された劇場ロゴと酷似していることから、盗作の疑いを指摘されていた。

http://blogos.com/news/olympic-to-japan/

 で、東京五輪のエンブレムデザインの審査員には、日本グラフィックデザイナー協会会長の民主党ロゴ製作者である浅葉克己さん、グラフィックデザイナーの博報堂社員の長嶋りかこさんがおわしますと。

(参考記事)

2020東京五輪 エンブレムデザインの募集開始
2014年09月19日 18:15 JST
http://www.fashionsnap.com/news/2014-09-19/olympic-tokyo-emblem/

 なんか持ち回ってますか、回ってないですか、スミマセン。

 ・・・

 なんとなくモヤモヤすることってあるじゃないですか?

 どうでしょうね。

 え、どうでもいいって。

 失礼いたしました。

 ・・・

 パクリじゃねえの?(ボソ

 ふう。



(木走まさみず)