木走日記

場末の時事評論

民主党の悲しいまでの低レベルなダブルスタンダード

 15日付けの毎日新聞から。

安倍首相:憲法解釈発言 枝野氏「国辱的」と批判
毎日新聞 2014年02月15日 東京朝刊

 民主党枝野幸男官房長官は14日、党憲法総合調査会の会合で、安倍晋三首相の憲法解釈変更をめぐる国会答弁を「世界のほとんどの国が立憲主義に基づいて国家統治を行っている。こうした発言が外国に出ていくことは非常に恥ずかしく国辱的だ」と批判した。

 会合には、自民党の船田元・憲法改正推進本部長、公明党北側一雄憲法調査会長らが出席し、民主に憲法改正の手続きを定める国民投票法改正案の与党案を説明した。与党案は、施行後4年間は投票年齢を「20歳以上」に据え置き、その後「18歳以上」へ引き下げる内容。与党側は改正案の共同提出に向けて協議を呼びかけた。

 枝野氏は前向きな意向を示した上で「権力による恣意(しい)的な憲法解釈変更は許されないという立憲主義を前提に議論する」とクギを刺した。【阿部亮介】

http://mainichi.jp/shimen/news/20140215ddm005010071000c.html

 うーむ、民主党枝野幸男官房長官「世界のほとんどの国が立憲主義に基づいて国家統治を行っている。こうした発言が外国に出ていくことは非常に恥ずかしく国辱的だ」と批判したそうです。

 さらに「権力による恣意(しい)的な憲法解釈変更は許されないという立憲主義を前提に議論する」とクギを刺したそうです。

 「権力による恣意(しい)的な憲法解釈変更は許されない」ですか。

 「権力による恣意(しい)的な憲法解釈」を国会にて行っていた民主党がよくいうよであります。
 
 3年前の記事から。

法制局長官を特別補佐人から除外、答弁封印

 政府は、これまで国会審議に参加していた内閣法制局長官を政府特別補佐人から外し、通常国会から答弁させない方針を決めた。

 平野官房長官は14日、法制局長官を特別補佐人から外す理由について「国会ではあくまでも政治家同士が答弁する」とだけ述べた。

 与党3党は、民主党小沢幹事長の強い意向の下、官僚の答弁を原則禁止する国会法改正案を通常国会で成立させる方針。政府は、この法案の成立に先立って、法制局長官の国会答弁を封印する格好。

http://www.news24.jp/articles/2010/01/14/04151566.html

 民主党政権時代、「政治主導」の名の下に、法制局長官を国会審議で答弁する「政府特別補佐人」から外し、法令解釈の答弁を官房長官らが一時期とはいえ担っていたわけです。

 そしてこの民主党政権時の政治家による「法令解釈の答弁」には当然ながら憲法解釈も含まれていました。

 これって「権力による恣意(しい)的な憲法解釈」以外の何物でもでもないわけですが、民主党枝野幸男官房長官はもうお忘れか。

 本件ではさまざまな議論があってよろしいですが、自らの政権時代の「権力による恣意(しい)的な憲法解釈」を棚に上げ、自民党政権の「権力による恣意(しい)的な憲法解釈」を安直に「国辱的」と批判する、この民主党の悲しいまでの低レベルなダブルスタンダードには辟易です

 これだから民主党はダメなのです。



(木走まさみず)