赤旗が決して触れない中国人民解放軍の「血に塗られた暗黒史」をまとめておく
衛藤首相補佐官
靖国参拝批判に挑戦
「米国は中国にものもいえない」
衛藤晟一首相補佐官がネット上の動画で、安倍晋三首相の靖国神社参拝(昨年12月)に対する米国政府の「失望」表明について、「われわれの方がディサポインテッド(失望)だ。アメリカは同盟関係の日本をなんでこんなに大事にしないのか」と批判していたことが分かりました。米国をはじめ国際社会に広がる首相参拝批判への挑戦です。
発言は「約束を果たした総理の靖国参拝」と題する動画で行ったもの。動画は同氏が17日までに自身の「ユーチューブ」サイトに投稿していました。
動画で衛藤氏は「アメリカがちゃんと中国にものが言えないようになりつつある」と批判。米国の「失望」は日本にではなく、「中国に対する言い訳として言ったにしかすぎない、という具合に理解している」などと発言。安倍首相の靖国参拝は「慰霊」「不戦の誓い」のためのもので「当たり前」だと擁護しています。
衛藤氏の発言は、日本の過去の侵略戦争を「正義の戦争」と美化する施設となっている靖国神社を「不戦を誓う場」であるかのようにごまかすものです。
菅義偉官房長官は同日の記者会見で「(衛藤氏の)個人的な見解であって、日本政府の見解ではない」と発言。会見後、電話で衛藤氏に「(発言を)抑えてくれ」と注意し、衛藤氏は問題の動画を自身の「ユーチューブ」サイトから削除し、発言も取り消しました。
一方で衛藤氏は記者団に、「(発言の)何が問題なのか分からない。(批判するのは)ばかじゃないか」などと開き直りました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-20/2014022001_07_1.html
うむ、アメリカのオバマ外交の特に安全保障上の優柔不断さは、シリア問題などで米国内のみならずサウジアラビアが安保理理事国を辞退するなど国際的にも大「失望」されているわけですが、それはさておき、さすがしんぶん赤旗です、記事の中で「われわれの方がディサポインテッド(失望)だ。アメリカは同盟関係の日本をなんでこんなに大事にしないのか」との衛藤晟一首相補佐官の発言を「米国をはじめ国際社会に広がる首相参拝批判への挑戦」と決めつけています。
そもそも日本共産党機関紙に客観的な報道など読者は期待してませんから、記事を装い自己主張するのは大いに結構なことです、我々読者はその事象に対する日本共産党の主張も含めて赤旗記事は愛でるように愛を持ってリテラシーすべきであります。
メディアウォッチャーとして当ブログではしんぶん赤旗記事もよくネットで読むことがありますが、日本の「軍国主義化」には声たかに批判しますが、中国の「軍事大国化」には驚く程沈黙を守ります、共産主義同士ですからね、「同志諸君」という感じで大目に見るのかしらん。
冷静に考えてみれば、戦後日本は69年間、一度も他国に侵攻したことも交戦したこともありません、当たり前ですが日本の自衛隊は一人も殺害したことはありません、他国の人も自国の人も一人も傷付けていません。
また日本の軍備費もGDP比1%が守られ今年度予算は久しぶりに微増しますが何年も減額されてきています。
戦後69年間、平和国家としての道を歩んできています。
そんな日本で軍国主義が復活するわけがありません。
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今回はこんなときにこそ、しんぶん赤旗が決して取り上げないだろう中国人民解放軍の「血に塗られた暗黒史」をまとめておきましょう。
戦後中国では朝鮮戦争、ベトナム戦争(これは間接的支援に留まります)、ベトナムとの中越紛争と他国との戦いは公式的には3つであり、それぞれでアメリカ人や朝鮮人やベトナム人を殺戮しています。
手元に正式な資料はありませんので各戦いで何名の命が双方で失われたのか定かではありませんが、中国人民解放軍が直接手を染めた殺戮はそれほど多くはないことでしょう。
中国人民解放軍の「血に塗られた暗黒史」、実は人民解放軍の銃口による最大の犠牲者は中国人、チベット人、ウイグル人、現在の中国の「国内」に集中しています。
人民解放軍による犠牲者は数千万人という数であります。
まず「チベット大虐殺」です。
中華人民共和国が建国した1949年に同時に開始されたチベット併合以来、酒井信彦氏は、ガンデンポタン(チベット亡命政府)や西側諸国政府による調査の結果、チベット動乱前後の中国によるチベット侵攻および併合政策の過程で、チベット全域で120万人にのぼる犠牲者が出たとしています。
犠牲者120万人という数は、ガンデンポタンが統治していた中央チベットだけではなく、アムド、カムをも含んだチベット全域の数字であり、また当時のチベット地域の人口は600万人といわれるため、総人口の5分の1が虐殺または行方不明となったのです。
次に「大躍進政策(1958年 - 1960年)」です。
中華人民共和国が施行した農業・工業の大増産政策であります。
毛沢東は数年間で経済的にアメリカ合衆国・イギリスを追い越すことを夢見て実施しましたが、結果は推計2000万人から5000万人の餓死者を出す大失敗に終わり、毛沢東は国家主席の座を追われます。
まあこれは人民解放軍が直接殺戮したわけではないのですが、「大躍進政策」そのものが共産党主導、すなわち党直属の軍隊である人民解放軍による農地破壊の大失策であり、推計2000万人から5000万人の餓死者も人民解放軍の暗黒史に含めてもよろしいでしょう。
次に「プロレタリア文化大革命(1966年から1977年)」です。
「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」という名目で行われた改革運動、その実態は大量殺戮です。
文化大革命中、各地で大量の殺戮が行われ、その犠牲者の合計数は数百万人から1000万人以上ともいわれています。
マルクス主義に基づいて宗教が徹底的に否定され、教会や寺院・宗教的な文化財が破壊されました。
特にチベット・ウイグル・内モンゴル自治区ではその影響が大きく、仏像が溶かされたり僧侶が投獄・殺害されたり、一般人を弾圧、徹底的な殺戮が繰り返されました。
この「文化大革命」における人民解放軍による大殺戮は、中国政府の徹底的な情報統制により今でも正確な犠牲者数の把握はできていません。
そして1989年の「天安門事件」です。
中国共産党の発表では、「事件による死者は319人」となっているが、この事件による死傷者については中国共産党による報道規制により客観的な確定が不可能であり、数百人から数万人に及ぶなど、複数の説があり定かではありません。
米外交公電の1990年3月の内容には、軍兵士は下された「無差別発砲」命令を受けて、1000人以上の学生を死亡させたことが記されています。
またソ連の公文書に収められているソ連共産党政治局が受け取った情報報告では、「3000人の抗議者が殺された」と見積もられていますが、正確な犠牲者数は把握できていません。
<参考サイト>
チベット問題
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E5%95%8F%E9%A1%8C
大躍進政策
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%BA%8D%E9%80%B2%E6%94%BF%E7%AD%96
文化大革命
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96%E5%A4%A7%E9%9D%A9%E5%91%BD
六四天安門事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E5%9B%9B%E5%A4%A9%E5%AE%89%E9%96%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6
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まとめです。
戦後69年間、他国と一回も交戦したことがなく外国人も自国人も一人も殺戮したことがない自衛隊に比べて、中国人民解放軍は戦後だけで自国人などを中心に数千万人の殺戮を行ってきた「血に塗られた暗黒史」を有しているのです。
現代人類文明史において、日本の自衛隊と中国の人民解放軍、どちらが暗黒の殺戮を刻んできたのか、将来も含めてどちらが世界の脅威となりうるのか、こんな自明なことはないでしょう。
安倍首相の靖国参拝などかわいいものです。
(木走まさみず)