木走日記

場末の時事評論

尖閣では毅然としていればいい〜固唾をのんで日本の対中国対応をアツく見守っている諸国がいることを忘れるなかれ

 17日付け産経新聞電子版記事より。

漁船1000隻が尖閣海域へ 中国報道、北京では7日連続デモ
2012.9.17 16:02

 中国中央人民放送(電子版)は17日、中国の漁船千隻が同日中にも沖縄県尖閣諸島付近の海域に到着する見込みだと報じた。日本政府による尖閣諸島国有化に対する対抗措置の可能性があり、日中間の緊張が高まりそうだ。

 一方、北京の日本大使館前では17日午前、尖閣国有化に抗議する反日デモが行われた。北京のデモは11日の国有化以降、7日連続。平日のため、参加者は約100人と15、16両日に比べて激減したが、中国当局は引き続き厳重な警戒態勢をとった。上海の日本総領事館周辺でも警戒が続いている。この日のデモは、インターネット上での呼び掛けがほとんどなかったが、上海などほかの大都市でも自発的なデモが起きる可能性がある。

 反日デモ日系企業が放火された山東省青島や北京の日本人学校はデモを警戒し、17、18両日を臨時休校にすると決めた。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120917/chn12091716030003-n1.htm

 うむ、「中国の漁船千隻が同日中にも沖縄県尖閣諸島付近の海域に到着する見込み」ですか、巨大台風が過ぎるのを待っての行動らしいですが、平成の『元寇』を彷彿させる愚挙であります。

 また北京の日本大使館前では7日連続の反日デモが起きている模様、私の友人も現在中国にいる人がいますが、どうか現地の邦人のみなさんはしっかりと身の安全を確保してください。

 さて中国政府が扇動して大規模化している今回の反日デモでありますが、ついに漁船1000隻投入と言う対抗措置までエスカレートしてきました。

 日本料理店や日系企業やスーパーが派手に暴徒に襲われ、どうも国内の一部の論者から浮き足立った「これ以上中国を刺激するな」論が出始めているようですが、この程度の対抗措置を中国がしてくることは十分想定内のことです。

 浮き足立ってはいけません。

 尖閣は日本が実効支配しています。

 毅然としていればいいのです。

 海保の能力を向上させつつ、米軍と島嶼防衛の訓練を繰り返し、島嶼防衛能力をしっかりと確実に向上させていけばよろしいのです。

 中国の暴徒化した反日デモは世界中に報道されています、投石、放火、略奪、今世界で外交的にダメージをくらっているのは明らかに、中国のほうです。

 暴力行為が繰り返されればされるほど国際世論から孤立するのは中国のほうです。

 世界各国で顰蹙を買った北京オリンピック聖火リレーを思い出します。

 尖閣では日本から騒ぎを起こすことは必要ありません。

 ・・・

 もしここで、日本が中国を恐れて屈してしまい、尖閣諸島国有化中止だとか日和り見的妥協をしたとすれば、日本は経済的損失を遥かに凌駕するほどの外交的敗北となるのは必定です。

 日本以外で中国と領土・領海問題を抱えている国はベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイブータン、インド、パキスタン、韓国と8カ国を数えます。

 それらの国が尖閣における中国からのプレッシャーに日本がどう対応するのか、固唾をのんで日本の対応をアツく見守っていることを忘れてはなりません。

 経済大国である日本が尖閣において、中国のプレッシャーで腰砕けの弱腰となるならば、ベトナムやフィリピンなど弱小国ながら中国の高圧的な領土政策に必死で対抗してきた彼らの落胆はいかばかりでしょう。

 またチベットウイグル中華民族に占拠され国土を失った人達も日本と中国のこの紛争を注視しています。

 ・・・

 実効支配している日本には、公式には尖閣には領土問題などないのです。

 暴徒による暴力に屈しては絶対にいけません。

 毅然としていればいいのです。

 ベトナムやフィリピンなど大国中国に領土問題で圧力を受けている国々のためにも、日本は堂々と毅然とした振舞いを維持し続けるのです。



(木走まさみず)