木走日記

場末の時事評論

迷走する保守・自民党を嘆く迷走する保守・産経新聞

 産経新聞がお怒りのご様子です。

【迷走・自民党(上)】
参院自民にはキャンディーズがおる!」 危機感足りず…支持率「低空飛行」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111018/stt11101811270001-n5.htm

 記事は今の自民党保守政党としての気概が薄れ弛緩仕切っているとこう嘆きます。

 10月14日夜、東京・六本木ヒルズ51階の会員制レストランに総裁の谷垣禎一は新旧役員十数人を集めた。党執行部と参院役員人事が一段落し、引き継ぎと慰労を兼ねた会合だった。副総裁の大島理森はワイングラスを傾けながら上機嫌にこう語った。

 「何と言っても参院自民党にはキャンディーズがおる! ランちゃんは片山さつき、ミキちゃんは佐藤ゆかり、スーちゃんは猪口邦子じゃ。わしはやっぱりぽっちゃりしたスーちゃんが好みじゃな…」

 一同爆笑。20日召集の次期臨時国会民主党とどう対(たい)峙(じ)するか。復興増税選挙制度は−。課題は山積するが、ほとんど話題に上らなかった。やはり何か決定的に危機感が足りない。

 「ランちゃんは片山さつき、ミキちゃんは佐藤ゆかり、スーちゃんは猪口邦子じゃ」との副総裁大島の軽口がよほどお気に召さなかったのでしょう。

 民主党政権が失政を続けているにも関わらず、「民主党への失望は、自民党への期待に転じていない」と嘆きます。

 民主党政権は2年余り失政を続け、首相は鳩山由紀夫菅直人に続き3人目の野田佳彦となった。政権交代への期待はほぼ裏切られたと言ってよい。

 ところが、産経新聞とFNNの合同世論調査を振り返ると、民主党支持率が急上昇急下降を繰り返すのに対し、自民党支持率は20%前後の低空飛行を続ける。民主党への失望は、自民党への期待に転じていないのだ。半世紀以上政権の座をほぼ独占してきた自民党はなぜあえぎ続けるのか。その理由を追った。(敬称略)

 うむ、自他共に認める保守・産経新聞がこのように保守・自民党を批判的に報じるのは極めて珍しいことではありますが、それほど産経新聞として現状の自民党の体たらくに我慢がならないということなのでしょうか。

 私は、自民党復活の鍵は一にも二にも国民の信頼を取り戻すこと、これにつきると思うのですが、そのためには「半世紀以上政権の座をほぼ独占してきた自民党」政権の総括が何より必要なのだと思います。

 累積債務がもはや1000兆を越さんとする財政赤字問題、制度自体が破綻寸前の社会保障の問題、国策として推進してきた原子力発電推進を柱としたエネルギー問題、農業改革問題、今民主党政権があがいているこれらの問題の多くは、50年にわたる自民党政権の政策の後始末である側面、すなわち自民党政権時代の失策あるいは無策により問題が雪だるまのように脹らんでしまった事実を国民は熟知しております。

 民主党政権の失政がなぜ自民党支持に結びつかないのかといえば、過去の自民党のこれらの政策に対する自らの総括ができていないことが大きな要因であると、私は考えます。

 「ジミンガー」「ジミンガー」とすべてを過去の自民党政権の責任に押し付けるような議論を求めてはいません。

 しかし、過去の政策の是是非非をしっかり党内で統括し、現民主党政権がまったく描いていない日本の将来への力強いビジョン責任ある保守政党として提言する、自民党が政権に復帰したら、何が過去の自民党の政策と違うのか、明確に国民に政治的メッセージを送る必要があります。

 いずれにせよ、保守産経が【迷走・自民党】との「迷走」気味の特集を組むほど、野党に落ちた保守・自民党の危機感のない現状は、保守派から見ても嘆かわしいということなのでしょう。

 まずは、大森副総裁には、私の持っているキャンディーズのベストアルバムを贈呈いたしますので、どうかとっとと引退していただき、存分にご自宅でキャンディーズを堪能してください。

 新生自民党に古い政治家はいらないでしょう、河野太郎さんあたりにがんばってもらいたいです。


(木走まさみず)