木走日記

場末の時事評論

虚業であるバクチ場・カジノを「日本経済の切り札」と宣う大阪府知事のタコ度がひどい件

 大阪府知事のタコ度がひどい件について取り上げたいです。

 産経新聞電子版記事から。

橋下知事「カジノは日本経済の切り札」 マカオの施設を絶賛 平日も客が数万人
2010.12.24 08:07

 中国の香港やマカオを訪問していた大阪府橋下徹知事は23日、帰国した。マカオでは、カジノ「ウィン・マカオ」を視察し、「カジノは日本経済の切り札。これはもういくしかないでしょう。昭和の賭博場ではない。最高級のレジャー施設で、何より、雇用と財源の確保になる」と話した。
 22日深夜から約2時間、カジノ施設を視察。橋下知事は、ゲームを楽しむ観光客の様子や従業員教育などを見学し、「ここだけで7500人の雇用が生み出されている。日本ではこれだけの雇用を生み出すのにバカみたいに税金を使う」とも述べた。
      ◇
 約30カ所以上にカジノがあるマカオ。街一帯が「不夜城」と化し、橋下知事らが視察した22日も、平日の深夜にもかかわらず、香港からの船が着くターミナルに大勢の人があふれた。その活況ぶりに、橋下知事も「都市経営の視点から、カジノは絶対やらないと」と、意を強くした。
 「ウィン・マカオ」は、ラスベガスをモデルに2006年に米国の運営会社が開設したマカオ最大級の施設。中国の富裕層からの収益が約8割を占める。
 橋下知事は「ギャンブルとの批判もあるが、カジノは超効果的な観光施設で大人の社交場。誰もが楽しみたくなる所。反対している人には、一度ウィン・マカオに来てほしい」と述べ、ウィン・マカオの幹部に「ぜひ大阪に進出を」と持ちかける場面もあった。
 この施設だけで1日2万〜3万人、休日には約5万人の客が来るという。従業員の教育場面や、調理場なども見学した橋下知事は「華やかな部分だけでなく、バックヤード部分も見させてもらい、非常によかった。関連の雇用も含めると2万〜3万人ぐらいの雇用が生まれているのでは」と期待を寄せた。
 橋下知事が“絶賛”するカジノだが、周辺自治体の首長からは治安問題などへの懸念も聞かれる。同行した府担当者の一人は「今回視察したのは最高級カジノだが、マカオでも場所によっては治安問題があると聞く。そういった点も検証する必要がある」と話した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/local/101224/lcl1012240811000-n1.htm

 「カジノは日本経済の切り札。これはもういくしかないでしょう。昭和の賭博場ではない。最高級のレジャー施設で、何より、雇用と財源の確保になる」

「ここだけで7500人の雇用が生み出されている。日本ではこれだけの雇用を生み出すのにバカみたいに税金を使う」

「都市経営の視点から、カジノは絶対やらないと」

「ギャンブルとの批判もあるが、カジノは超効果的な観光施設で大人の社交場。誰もが楽しみたくなる所。反対している人には、一度ウィン・マカオに来てほしい」

 (ウィン・マカオの幹部に)「ぜひ大阪に進出を」

「華やかな部分だけでなく、バックヤード部分も見させてもらい、非常によかった。関連の雇用も含めると2万〜3万人ぐらいの雇用が生まれているのでは」

 ・・・

 橋下徹大阪府知事マカオのカジノを視察しエラク興奮している模様であります。

 たまたまですがネット上ではパチンコ業界の話でエラク盛り上がっているところ、なんともタイムリーな話ではありますが、そろそろハッキリ議論を整理したほうがよろしいかと思います。

 何億売り上げようが何人の雇用を確保できようがカジノのようなバクチで大阪府が潤うには、大阪府民からいくらバクチ金を巻き上げてもプラス・マイナスはゼロです、経費の分、明らかにマイナスでしょう。

 虚業であるバクチは本来何も生産しません、国富を浪費するだけなのです。

 それを実業のように崇めたてるのはおかしいのです。

 大阪府がカジノで儲ける唯一の道は、大阪府民以外の隣接県のギャンブラーを集めてその連中から金を巻き上げる場合のみです。

 しかしこの場合も日本国というくくりで考えれば、何も建設的な国富は生まれないでしょう。

 確かに大阪府においては一部雇用が増えるかもですが、全国的には、生活破綻者が増え自殺者が増え治安が悪化するだけでしょう。

 何度でも言いますが自治体が賭博場の経営など虚業でありおのれの足を食らうタコの愚行と同じです。

 大阪府が賭博で益を得ることを真剣に考えるならば、マカオと同様、海外の富裕層をターゲットにすべきです。

 中国などの成金を大量に呼び込んで彼らにお金を落とさせるのです。

 もちろんマカオ同様、大阪は不夜城となり、がらの悪い外国人マフィアや国内暴力団の巣窟となり、昼夜問わずあやしい輩が町中を跋扈することでしょう、治安悪化や不法在留外国人の増加は避けられないでしょうが、外貨が落ちればそれでもよしと覚悟すべきです。

「都市経営の視点から、カジノは絶対やらないと」と力む橋下徹大阪府知事ですが、もし日本人相手を想定してるとすればそうとうタコ度が深いです、はたまたマカオのように国際的不夜城を想定しているとすれば、治安悪化や不法在留外国人の増加は避けられない、そこまでの覚悟がおありなのか。

 日本人相手のカジノならおのれの足を食らうタコ愚策であり、やるならばマカオと同様、海外の富裕層、具体的には中国人成金達を大量に呼び寄せるしかありません。

 ギャンブルをすべて排除する論は採りませんが、日本人はギャンブルの持つ常習性と多くの博打打ちが生活破綻していく地獄についてもう少し真剣に考えることが必要であります。

 もっとも全国の住宅地や駅前に、これほどの数の賭博場・パチンコ屋が堂々と展開している現状の日本なのです。

 パチンコがよくてカジノはなぜダメなのか、と問われるとすれば私には論理的な反論はできません。



(木走まさみず)