木走日記

場末の時事評論

連帯保証人制度見直し検討〜中小零細企業にとって亀井氏こそ政策実現力を備えた真の「友愛」政治家である

 9日付け朝日新聞記事から。

連帯保証人制、見直し検討 中小企業融資時 亀井金融相

2009年12月9日20時11分

 亀井静香金融相は9日の会見で、金融機関が中小企業に融資する際に経営者の連帯保証を求めることについて、「非常に弊害が出てきているので、金融庁で対応を検討している」と述べた。企業の借金返済が滞れば経営者の個人資産も差し押さえられ、生活が難しくなる問題があるため、連帯保証のない融資を広げる考えだ。

 連帯保証は日本特有の制度とされ、金融機関が融資の焦げ付きリスクを個人に転嫁しているといった指摘がある。民主党も「政策集」で「中小企業経営者らの自殺の大きな要因ともなっており、あり方を検討する」と見直しを求めていた。

 また亀井氏は、企業からの債権回収を巡り、政府系の整理回収機構が「貸しはがしの先頭をいくようなことをした」と批判。同機構は金融庁からの要請もあり、返済条件の緩和に積極的に応じるなど債務者に配慮する改善計画を11月にまとめている。

http://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY200912090375.html

 これぞ魂胆ある政治家の政治力というものでしょう。

 亀井静香金融相の連帯保証人制、見直し検討を断固支持いたします。

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 当ブログでは再三に渡って、この日本独自の悪弊である連帯保証制度についてふれてまいりました。

■[経済]亀井モラトリアムとメディアスクラム〜マスメディア社説は取り上げない、日本の企業家が「再チャレンジ」できない理由
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20091012
■[コラム]不況の中倒産するまで雇用を維持し続ける中小零細企業の矜持
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20090104

 日本の場合、起業家たちが借金の連帯保証人になっている限り、多くの場合「会社の倒産=代表者の自己破産」が成立し、「再チャレンジ」どころか家庭崩壊、最悪の場合代表者の自殺などの悲劇が起こっています。

 日本の起業家が「再チャレンジ」できない理由に、この過酷な連帯保証制度があります。

 「クラッシュ アンド ビルド」、破壊して創造する、失敗した起業家・企業家たちが「再チャレンジ」するためには、今のこの国の制度はペナルテイが重過ぎると考えます。

 この日本独自の連帯保証制度は日本のメガバンクの眼力の無さに根ざした、悪質な融資の焦げ付きリスクの個人転嫁に他なりません。

 経済活性化のためにも、多くの新しい企業家を生むためにも、連帯保証制度を全面的に見直していただきたいです。

 しかし、この亀井静香という政治家ですが、物騒な発言や物腰で賛否評価の分かれる男でありますが、過日ある会合でTVでもお馴染みの著名ジャーナリストの話をうかがう機会があったのですが、彼は亀井氏についてこう評価していました。

 「実は亀井さんと言う人はある点でブレがない政治家である。それは常に「弱いモノの味方」であるということ。彼は警察官僚上がりの強面であるが、その主張は絶えず弱者救済の視点を持ち続けてきた。「弱いモノはみんなで助けなくてはいけないんだ」という視点である」

 うむ、面構えは悪代官(失礼)みたいですが、この男の性根には政治家にとり必須である優しさが宿っているのであると。

 中小零細企業にとって亀井氏こそ政策実現力を備えた真の「友愛」政治家であります。



(木走まさみず)