“下半身OB”を伝える産経記事も"OB”という与太話
堅い話が続いたので今回は与太話的メディアリテラシーであります。
でお題にさせていただきますのは産経新聞のこの記事。
次から次へ“大女優”まで…ウッズに「第8、第9の女」
http://sankei.jp.msn.com/sports/golf/091208/glf0912080852001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/sports/golf/091208/glf0912080852001-n2.htm
しかしなあ、出だしからして「“ドライバー”の飛距離は果てしなく伸びていく」って格調高い(?)始まり方がいいですなあ(苦笑)。
“ドライバー”の飛距離は果てしなく伸びていく。米メディアは6日から7日(日本時間7日から8日未明)にかけ、“下半身OB”が相次いでいる米ゴルフ界のスーパースター、タイガー・ウッズ選手(33)に「第8の女」と「第9の女」がいることを相次いで報じた。しかも8番目のお相手は米ポルノ界の大女優。アルバトロス級の衝撃の中、あっという間に“前半9ホール”のラウンドを終えた!?
「“下半身OB”が相次いでいる」とか「アルバトロス級の衝撃の中、あっという間に“前半9ホール”のラウンドを終えた!?」って、私は個人的にこういう表現は嫌いじゃないですが、ちょっとデーブ・スペクター氏レベルの品の無さが醸し出されております、よね。
で記事は後段でウッズ選手の愛人9人をリストアップしております。
〔1〕ニューヨークのクラブホステス、レイチェル・ウチテルさん(34)
〔2〕ロサンゼルスのホステス、ジェイミー・グラブスさん(24)
〔3〕ラスベガスの高級クラブマネジャー、カリカ・モーキンさん(27)
〔4〕ラスベガスのモデル、ジェイミー・ユンガースさん(26)
〔5〕フロリダ州のウエートレス、ミンディ・ロートンさん(34)
〔6〕ニューヨークのクラブ勤務、コリ・リストさん(31)
〔7〕匿名(詳細不明、英紙電子版が元愛人としてインタビューを掲載)
〔8〕米ポルノ女優
〔9〕SEX中毒者(詳細不明)
いやもうなんというか壮観というか立派というか、すごい“下半身OB”ぶりではあります。
で、私が注目したのはこの記事で8番目の愛人として取り上げている米ポルノ女優さんの記述です。
クラブホステス、ウエートレスなどに続くウッズ選手の『ホールイン・エイト』は米ポルノ界の看板スターだった。
米ニュースサイト「examiner.com」によると、ウッズ選手「8番目」の最新愛人として、トップポルノ女優、ホリー・サンプソンさん(36)の名を挙げている。交際のきっかけや時期などは分かっていない。
ホリーさんは1980年代に成人向け映画や一般映画に多数出演。官能ポルノ映画「エマニエル夫人 愛と背徳の肖像」(2000年)など同シリーズに主演し、“好き者”たちを魅了した。
「ウッズ選手の『ホールイン・エイト』」って、ホール、ホールってこの記事はしつこいんですが、それはともかく、トップポルノ女優、ホリー・サンプソンさんは1973年生まれなので、1980年は7歳、89年でやっと16歳ですよね、「ホリーさんは1980年代に成人向け映画や一般映画に多数出演」ってこれはロリコン成人映画かなにかなのか・・・
ホリー・サンプソンさんはたしかに80年代に子役として映画デビューしていますが、当時の出演作は当たり前ですが一般映画だけで「1980年代に成人向け映画や一般映画に多数出演」という表現は明らかに誤りですね。
彼女が成人向け映画に出始めたのは1993年以降、つまり90年代です。
7才から16才の少女を成人向け映画に主演させてはいくらアメリカでも違法になります。
いかなる時事報道も当然ですが、このような対象を茶化すような文体で記事をおこす時には特に、関係者の名誉毀損を避けるためにも、事実関係は正確に報じないといけません。
細かい指摘で恐縮ですが、仮にも新聞社なんだから校正は何チェックしてんのかな。
ウッズ選手の“下半身OB”を伝える産経新聞が、肝心の『ホールイン・エイト』記述で誤報しているというちょっと間抜けな図式であります。
“下半身OB”を伝える産経記事も"OB”という与太話でした。
(木走まさみず)