【寓話】不二家 ポコちゃんだって泣いている
後段はメルヘン仕立てにしてみました。
●【寓話】不二家 ポコちゃんだって泣いている
ペコちゃんポコちゃんの生まれ故郷は、地球上のどこかにある夢の国です。
その場所は、そこに住む人たち以外は誰も知りません。
だから、どうやって行けばよいのか、どんな景色なのか、私たちにはわかりません。
ただ、ペコちゃんの話によると、そこに住む人々は、みんな仲良しで、いつも夢を語り合い、楽しいことや新しいことを見つけるのが大好きだということです。ペコちゃんは、その夢の国から、みんなに花のような華やかさや、楽しい夢を届けるために、そして日本をはじめ世界中の子供たちと友達になろうと、はるばるやって来ました。
いろんなところへ行ってみたペコちゃんですが、たまたまいい匂いに魅かれてたどり着いたのが、不二家でした。
そして不二家と出会ったとたん、ペコちゃんはすっかり不二家を気に入ってしまいました。
なぜなら、不二家がペコちゃんの大好きなおいしいお菓子や食べ物を作っている会社だったからです。でも・・・
ある日ペコちゃんとポコちゃんは不二家のお菓子工場で信じられない光景の数々を見てしまいました。
埼玉県にある工場では、消費期限の切れた牛乳を使って製造したシュークリームを約1万6千個も出荷していたのです。
別の洋菓子では、国の通知で定められた基準の約10倍の細菌を検出していたのに、そのまま出荷していました。
アップルパイでは賞味期限の切れた材料を使っていました。
この工場では、ネズミが月に50匹も捕れたことがあったそうです。
ネズミが走り回るところで、おいしいお菓子を作っていたなんて。
不二家は、長い間、期限切れ牛乳の使用を繰り返し、賞味期限切れのりんごを使ったり、消費期限を長く表示したプリンもあったのでした。
救い難いのは社内調査でこうした問題を把握しながら、文書で「発覚すれば雪印乳業の二の舞いは避けられない」と“隠ぺい”しようとした疑いが不二家にあることです。
不良品を公表し回収する姿勢すらなかったのです。
ペコちゃんもポコちゃんも、自分達が信じていた不二家がこんなひどいことをしていたことに、とっても悲しくそして寂しくなってしまいました。
・・・
ペコちゃんとポコちゃんは、いつでも、そしていつまでも私たちの友達です。
あなたが不二家のおいしいお菓子を口にした時、ほんのちょっぴりでも幸せを感じたら、それはペコちゃんポコちゃんのしわざかも知れません。
でも不二家の経営者達はもう永遠に私たちの友達ではありません。
あなたが不二家のおいしいお菓子を口にした時、ほんのちょっぴりでも腹痛を感じたら、それはペコちゃんポコちゃんのしわざでは断じてありません。
・・・
ペコちゃんが泣いています。
ポコちゃんだって泣いています。
(木走まさみず)
<参考サイト>
■ペコちゃんポコちゃんのプロフィール
http://members.jcom.home.ne.jp/nisieifuku/html/pekopokohtml.htm
■【1月13日付け朝日新聞社説】不二家 ペコちゃんが泣いてる
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
■【1月13日付け東京新聞社説】不二家 ペコちゃんが泣いてる
http://www.tokyo-np.co.jp/sha/