あの朝日新聞からもさじを投げられた「たそがれ」民主党〜あーあ、まったく情けないこの国の野党第一党の体たらく
●へたれ自民党政権に変わるべき野党第一党民主党の体たらくはなんとしたことか
不肖・木走はプチリベラルのナショナリストを自称しておりますが、政治的スタンスはここの読者はよくご承知の通りあっちへふらふらこっちへふらふらまったく定まっておりません(苦笑。
しかしながらアンチ・マスメディア、アンチ・官僚は一貫しておると自負しておりますし、基本的には「権力」に対しては批判的に対峙することを心掛けております。
当然ながら時の政権、つまり自民党政権には批判的です。
「権力は腐敗する。絶対権力は絶対腐敗する」
へなちょこ自民党が絶対権力などとは思ってもいませんが、戦後60年の民主主義国家平和日本の歩みを基本的には全面肯定する私ですが、唯一といってもいい不満は政権交代のない日本の成熟していない政治体制にあります。
民主主義国家として真に成熟した政治体制は健全な政権交代が不可欠であると考えるからであります。
「たまった水」は必ず腐るのであり放っておけばボウフラのような私利私欲をまさぐる魑魅魍魎たちが沸き出すのは日々の報道でさんざん見せつけられているのでありまして、時々「水」を入れ替えなければならないのは自明なのであります。
ここの読者は御陰様でリベラル派から保守派までけっこう幅広くご意見をいただくのですが、保守派のみなさんにしても今の自民党に満足している方は少数であろうと感じております。
しかしです。
へたれ自民党政権に変わるべき野党第一党民主党の体たらくはなんとしたことでしょう。
ここへきて自民党・安倍政権の支持率低下が顕著ですが、それが必ずしも民主党支持に繋がってはいない(むしろ支持政党無し層だけが増えている)のは、郵政造反組復党など敵失があるにも関わらず、多くの国民にとってそんな自民党でもまだ民主党よりはましと考えている証左なのでありましょう。
まったく情けない・・・
自民党政権に変わる受け皿がこの国にはないことは国民にとって悲劇であります、その意味で民主党の体たらく、その罪は極めて大きいのであります。
・・・
ふう。
最近の主要メディアの社説においても民主党に期待する論説は皆無であります。
民主党に冷たい保守派の産経・読売、まったく関心のない(失笑)日経は、民主党のことを社説に取り上げることもありません(苦笑
例えば昨日(17日)の産経社説などは、民主党が提出した安倍内閣不信任決議案が否決されたことを受けて社説を掲げてはおりますが・・・
【産経社説】内閣不信任案否決 首相は統治力強化を図れ
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/061217/shc061217001.htm
民主党のことなどまったくふれていません。
産経社説の結語より・・・
一方、問題は、取り組むべき政策課題の優先順位をどう付けるかだ。北朝鮮の核・ミサイル脅威への対応、憲法改正、教育問題、年金などの社会保障制度改革に重きを置き、具体的成果を一つでも多くあげるべきだ。政策の意図を国民の心に響く「言葉」で語りかけることではないか。
そのためには首相官邸の機能を強化し、総力を挙げて首相を支える態勢を固め直すことが必要だ。政権内の不協和音を放置してはなるまい。首相の統治力が問われているのである。
もうね論説全体が自民党・安倍政権への叱咤激励でありまして民主党など眼中にない産経社説なのであります(苦笑
で、リベラル派と目される朝日、毎日だけが最近民主党を社説で取り上げているのですが、その論説も民主党の体たらくを批判することに主眼があり、両紙ともなかばあきらめ口調で嘆いているのであります。
【朝日社説】民主党の政策 気迫が伝わってこない
http://www.asahi.com/paper/editorial20061216.html
【毎日社説】国会閉会へ 民主党の顔も見えなかった
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/archive/news/2006/12/20061217ddm005070097000c.html
朝日社説の結語から。
実際、朝日新聞の世論調査によると、安倍内閣の発足以来、内閣支持率は急落しているのに、民主党の支持率は一貫して14%にとどまっている。民意の受け皿になり得ていないのだ。
民主党として、最も訴えたいものは何なのか。そこが明確に、説得力のある形で伝わらなくては基本政策の価値がない。他党との連携への配慮は、基本を定めたうえで考えればいい。
「これなら自民党の方がましだ」。国民にそう思われたくないなら、小沢氏はマニフェスト作りで、今度こそ踏み込んだ政策論議の先頭に立つべきだ。
「民意の受け皿になり得ていない」
「これなら自民党の方がましだ」
まったく持ってその通り。
こちらも朝日社説より民主党に辛辣な毎日社説の結語から・・・
肝心な点がおろそかになっていないか。国会という表舞台で政府・与党を厳しく追及し、同時に、綿密で魅力のある政策を作っていく。これも大事で、かつ有効な選挙対策ではないのか。
顔が見えないと言われる首相に対し、野党第1党のこの体たらく。今の政治状況は深刻だ。それが見えてきた国会でもあった。
「野党第1党のこの体たらく」
「今の政治状況は深刻だ」
ほんとうにもうどうしようもない不甲斐なさなのであります。
・・・
●政権を奪取するどころか早くも「たそがれ」てしまった民主党
しかし毎日社説が言うところの今国会において「民主党の顔も見えなかった」とはまさに多くの国民の実感でありましょう。
たそがれ 0 【〈黄昏〉】
(1)〔夕方は人の姿が見分けにくく、「誰(た)そ彼(かれ)」とたずねるところから〕夕方の薄暗いとき。夕暮れ。
「―の町」
→かわたれ
(2)人生の盛りをすぎた年代をたとえていう。三省堂提供「大辞林 第二版」より
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A4%BF%A4%BD%A4%AC%A4%EC&search_history=&kind=&kwassist=0&mode=0&jn.x=21&jn.y=11
なるほど「たそがれ」の語源は「夕方は人の姿が見分けにくく、「誰(た)そ彼(かれ)」とたずねるところから」だそうですが、まさに今の民主党も毎日社説タイトル「民主党の顔も見えなかった」にピッタリはまりますね。
皮肉なのは「たそがれ」には夕暮れ時の意味の他に「(2)人生の盛りをすぎた年代をたとえていう」とありますが、民主党にはいったい盛りがあったのかどうか、政権を奪取するどころか早くも「たそがれ」てしまった民主党なのであります(苦笑。
・・・
民主党は、どうすれば支持回復し、自民党に変わる民意の受け皿になり得るのか?
本来、社会派時事系ブログとしては、この国のために野党第一党をどう立て直すべきなのか、健全な議論を提示すべきなのかもしれませんが、なんかここまで書いてきてエントリー自体も「たそがれ」てきちゃった(苦笑)のであります。
あの朝日新聞からもさじを投げられた「たそがれ」民主党なのであります。
・・・
多くの国民にとって今の民主党なんかどうでもいいんでしょうねえ。
・・・
ふう。
●あーあ、まったく情けないこの国の野党第一党の体たらく
「たそがれ」という言葉で思い浮かぶのは、藤沢周平原作の小説で、映画『男はつらいよ』シリーズで全国的に知名度の高い山田洋次監督が10年にわたる構想の末に完成させた、日本アカデミー賞はじめ数々の賞を総なめにした名作「たそがれ清兵衛」であります。
主人公の井口清兵衛は、幕末時代の庄内地方、海坂藩の下級藩士であります。
清兵衛は、労咳により妻を亡くした後、重度の痴呆症を抱える母と幼い二人の娘の世話、そして妻の葬儀などで嵩んだ借金を返済するために、「たそがれ時」に御蔵役の仕事を終えると真っ直ぐ自宅に帰ることから「たそがれ清兵衛」と同僚から揶揄されていたのでした。
そんなある日、かつて清兵衛が思いを寄せていた幼馴染の朋江が酒乱の夫・甲田豊太郎に度々暴力を振るわれ、離縁したことを朋江の兄で清兵衛の親友である倫之丞から聞かされるのであります。
ストーリーの詳細はともかく、山田監督は原作の持つ淡々としたうだつの上がらない下級武士のはかない人生・日常を通じて地味ながらしみじみとした素晴らしい人間模様を、リアルな時代劇として見事に映像化したのであります。
・・・
「たそがれ清兵衛」では、主人公はその幸薄い短い人生の「たそがれ」を迎えた中で一瞬のきらめきのようなその存在感を示します。
しかしそれはろうそくの消えうる前の最後のともしびであったのか、その後あっさり死んでしまいます。
「たそがれ」民主党も「たそがれ」清兵衛のようにあっさり死(解党)んじゃったほうが、後々の語り草としてはよろしいのですかね。
しかるに「たそがれ民主党」のほうはドラマにするほどのきらめきがないのでは、どうしようもありませんが(苦笑。
ふう。
・・・
あーあ、まったく情けないこの国の野党第一党の体たらくなのであります。
自民党政権に変わる受け皿がこの国にはないことは国民にとって悲劇であります、その意味で民主党の体たらく、その罪は極めて大きいのであります。
読者のみなさん、民主党はどうすればいいのでしょうか?
教えてくださいませ。
(木走まさみず)