木走日記

場末の時事評論

戦艦大和もビックリの超弩級与党の誕生と壊滅した岡田民主党の致命的失敗

 自民党歴史的大勝利であります。



●自民圧勝、列島のむ 3分の2超、巨大与党 〜 郵政信任、民主完敗

 今朝の産経新聞から・・・

自民圧勝、列島のむ 3分の2超、巨大与党
郵政信任、民主完敗


 小泉純一郎首相が構造改革の是非を国民に呼びかけた第四十四回衆院選は十一日、投開票が行われた。自民党は単独で絶対安定多数(二百六十九)を大きく上回り、公明党と合わせて与党で全議席の三分の二以上を占めた。衆院議席で三分の二を超えたことで、一般の法律案は参院で否決されても衆院で再議決すれば成立することになり、特別国会に再提出される郵政民営化法案は事実上成立が確定した。

 自民党が大勝したケースとしては、池田内閣当時の昭和三十五年衆院選自民党議席占有率が63・4%に達したことがあるが、これにほぼ匹敵する歴史的勝利といえる。これにより小泉政権は継続し、首相自身は否定しているものの、来年九月で総裁任期が切れる首相の任期延長論が党内で強まりそうだ。民主党政権交代を掲げて臨んだが、公示前議席を大きく減らす壊滅的敗北で、岡田克也代表は十二日未明、辞任を表明した。

 今回の衆院選で、首相は徹底して郵政法案反対派に対抗馬を擁立、女性や著名人を多用するなど「劇場型」と呼ばれる選挙戦を自らリードした。また自民、民主の二大政党が直接対決する選挙区が二百八十にのぼり「政権選択」の色彩が強まったが、改革の停滞は許されないと訴えた自民党無党派層への支持を広げ、選挙区、比例代表双方で民主党を圧倒した。

 反対派は自民党公認を受けられず、無所属や新党結成で臨んだが、苦戦を強いられた。

                   ◇

 【絶対安定多数】与党が常任委員長を独占した上に、すべての常任委員会の委員数でも過半数を確保することが可能な議席数で、衆院絶対安定多数は269。

平成17(2005)年9月12日[月] 産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/morning/12iti001.htm

 うーむ、今日の新聞各紙全てこの自民党の歴史的とも言える大勝を取り上げていますが、記事タイトル「自民圧勝、列島のむ 3分の2超、巨大与党 郵政信任、民主完敗」が気に入ったので、取りあえず産経新聞記事をご紹介いたしました。

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 それにしても、自公合わせて327議席ですか、いやすごい結果です。

 衆議院定員480議席に占める割合は68.125%であり、憲法改正法案も可決できるわけですよね。

 しかし、この与党327議席という結果には、ほんと、風が吹いたときの小選挙区選挙の恐ろしさを見た想いがしますよね。

 うーん、戦艦大和もビックリの超弩級与党の誕生なのであります。

 この自民大勝という結果は、郵政民営化選挙と図式を単純化した小泉選挙戦略の勝利とみるべきか、あるいは岡田民主の選挙戦略の大失敗による民主惨敗によりもたらされた結果と見るべきなのか、いろいろ議論を呼びそうであります。



●愚かな岡田民主党は見事に小泉さんの用意した土俵に乗ってしまった

 はっきりいってこの結果を見れば、岡田民主党郵政民営化に対する、戦術ミスは大きいと思います。

 私は、この選挙が施行されることになった時から、民主党は中途半端に郵政民営化反対などと主張せず、堂々と郵政民営化賛成を唱えよと主張してきました。
 以下は、8月10日付けで当ブログにおいて、8月12日付けでインターネット新聞JANJANにおいて、私が主張してきた記事です。

●当ブログでのエントリー
民主党は対立軸として独自の郵政民営化の道筋を示せ!
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050810/1123644149
●インターネット新聞JANJANでの記事
民主党は対立軸として独自の郵政民営化の道筋を示せ!
https://www.janjan.jp/government/0508/0508100667/1.php

 今回の選挙結果ではっきりしたことは、やはり多くの有権者が現状に不満であり、何かしらの具体的改革を熱望していたということです。

 小泉自民党は、今回の選挙そのものを郵政民営化選挙と図式を単純化する選挙戦術に徹したのです。そして、愚かな岡田民主党は見事にその土俵に乗ってしまい、「民営化反対」グループとしての役割を演じてしまったのです。



●壊滅した岡田民主党の致命的失敗

 民主党のベストのやり方はこうだったのでしょう。

 まず郵政民営化は堂々と賛成すると宣言すればよかった。そして骨抜きになった小泉改革案はここここがダメであり民主党案としてはこれこれのやり方を提案すると具体的に対抗案を提示すれば良かった。
 その上で、郵政民営化よりも重要な問題があるでしょと、国民に訴えることで、郵政民営化選挙と図式を単純化する小泉戦略の裏をかくことができたはずです。

 民主党も初期の時から郵政民営化案に賛成しちまえばよかったのです。実際、民主党マニフェストを読んでも、部分的字句の修正をすれば、「民営化賛成」と書き換えることは可能だったはずです。
 そうすれば、自民を選んでも民主を選んでも方法の差こそあれ、「郵政民営化」はされることになり、その時点で「郵政民営化」は今回の選挙の対立軸ではなくなっていたはずです。

 しかし、岡田民主党にはそれができなかった・・・

 それが致命的失敗に至ったのだと思います。

 さらば、岡田さん、あなたはあなたなりにがんばった。

 が、しかし、選挙に入る前にすでに致命的失敗を犯してしまっていたのです。

 ・・・

 以上、木走は今回の結果は、岡田民主党の戦術的失敗による自滅であると考えます。

 そして、戦艦大和もビックリの超弩級与党を誕生させてしまったのです。
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 さて、このブログでも熱く読者の皆様と今回の選挙を総括していきたいと思います。

 みなさまはこの結果をどう評価いたしますですか?

 ご意見を聞かせて下さい。



(木走まさみず)