木走日記

場末の時事評論

ホリエモン・マスコミスキャン〜トンデモ編

 インターネット新聞JANJANで私が最も尊敬している記者は中国人記者の曾理記者であります。彼女の中国マスコミスキャンシリーズはかかざず読んでおりますが、実によくまとめてあり、中国語が全くわからない木走にとっては、ときに大手メディアでは入手不可能な情報もあり、とても参考になります。すばらしいのは、その文章のよく推敲された美しさ・わかりやすさもさることながらなのですが、記事がかもし出すイデオロギー論にも偏狭なナショナリズムにも陥っていない透明感であります。
今日のJANJANにも載っていますよ。是非、ご一読下さいませ。

中国マスコミスキャン〜TVドラマの「帝王ブーム」 2005/03/19
http://www.janjan.jp/media/0503/0503174742/1.php

 そこで不肖・木走も尊敬する曾理記者のまねをして、木走が目にしたホリエモン報道を縦横無尽にご報告してみせましょう。 曾理記者のようなクリティカルなテキストを一応狙ってみますが、企画そのものがパクリでありますので、いちおうパロディ版ということで。(汗

ホリエモン・マスコミスキャン〜トンデモ編


最近目にしたホリエモン関連の報道で、本流ではない、周辺のどうでもいいトンデモない報道を本日は覗いてみよう。


●『辛坊治郎 ホリエモン注視』(デイリースポーツ)
http://www.daily.co.jp/gossip/2005/03/19/165629.shtml

 辛坊治郎氏はズームイン朝(日テレ系)でおなじみの、読売テレビ解説委員であるが、その発言「ホリエモンは“フジサン”の頂点に立つのか、それとも樹海に消えてしまうのか」には、読売グループの「関わりたくないけどフジには同情するよん」路線がこんな末端人にも反映されているのかがわかって興味深い。というか、フジサンケイグループを「フジサン」と呼称したのが目新しかっただけである。


●『スポーツ紙1面:待ってましたナベツネ ホリエモンを斬る』(毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/pro/news/20050315k0000e050011000c.html

 読売グループといえば、ナベツネさんに登場願おう。
 15日読売系の報知で、「マネーゲーム的に利益をあげようとするのは大間違いだ」と“ホリエモン批判”のオンパレード、ナベツネさんが吠えまくったそうだ。で、毎日さん、記事の結語で強烈なさいごっぺ。

 「ところで、渡辺氏。自分がナベツネと呼ばれると立腹することで知られているが、堀江社長を「ホリエモン」呼ばわりすることはオーケーなんですね、ナベツネさん。」


 またしても、読売流ダブルスタンダード?(爆)


●『ホリエモン 乗っ取り資金で何が買えた!?』(日刊ゲンダイ
http://gendai.net/contents.asp?c=051&id=15749

  お次は、ホリエモンニッポン放送株で800億円もの大金を投じたけど、その金があればこんなものも買えるのにと列挙している。

 1.近鉄、西武どころか、ドジャース級が2球団
 「“世界のメディア王”ルパート・マードックは97年、人気球団のドジャースを420億円で買収し、昨シーズン開幕前に460億円で売却した」そうな。
 2.フジは無理だが、テレ東なら買えちゃう
 「時価総額5700億円強のフジテレビはさすがに入手困難だが、テレ東なら楽勝だ。時価総額は722億円。子会社化には51%の株式保有で十分だから360億円程度で乗っ取れる」らしい。
 それにしてもテレビ東京って、安すぎ・・・
 3.ゴーンクラスのCEOが200人
 「米国の大手企業200社のCEOの平均報酬(現金給与)は「3億円」。ちなみに日産のゴーン氏の年間報酬は「4億円」(推定)」
 4.仏の三ツ星レストランで平均寿命まで毎日食事  「オンナ好きで食い道楽のホリエモン。“史上最高額”のチリ人妻・アニータが貢がせたカネは総額14億円。彼女を57人分も囲えるゾ」って、すごい計算した上で、「三ツ星レストランは26軒。1日1軒ペースなら1カ月で全店のディナーを食べ歩ける。ウワサの恋人と2人で飲んで騒いでも1食20万円あれば十分。年間7300万円。32歳のホリエモンが日本人男性の平均寿命(78歳)まで食べ続けたって33億5800万円だ」というわけ。


 日刊ゲンダイといえば夕刊フジの永遠のライバルであり、反体制メディアの夜の雄である。しかるに当記事はみょうにフジ側に肩入れしてるというかホリエモンに批判的であるのだが、何のことはない、発行元の講談社ニッポン放送株でフジサンケイグループに協力してTOBに応募しているんだから、ぶざまなことにホリエモンを肯定できないのである。

トホホな感じである。


●『エモやん、ホリエモン社長なら解説できん』(日刊スポーツ)
http://www.asahi.com/culture/nikkan/NIK200503180029.html

 野球評論家の江本孟紀氏(57)が17日、ライブドアニッポン放送の経営権を握った場合に「『ショウアップナイター』の解説を降りる」と話したそうだ。

「江本氏は81年に『ベンチがアホやから野球がでけへん』発言の責任を取る形で阪神を退団し『ショウアップ−』の専属解説者になった。江本氏は『23年前にニッポン放送に拾われて、長い付き合いをしてきた。いろんなことがあっても、ずっと使ってくれた』と同放送に強い“恩義”を感じている。それだけに『人間関係でつながっているんだよ。それがいきなり経営者が全部変わっちゃったら…』と戸惑いを隠せなかった。既に番組関係者とも『そうなった(ライブドア参画)場合について話している』とも続けた。」そうである。


 「社長がアホやから放送がでけへん」ですと。



●『ホリエモン製作、あびる優主演という凄い映画が今週公開』(エイガドットコム)
http://www.eiga.com/buzz/050315/02.shtml

ホリエモンとあのあびる優である。本日、無事公開だそうである。
 ・・・・・・・。



 本当に、どうでもいい話題ばかりであった。

(木走まさみず)

 い、いかがでしたでしょうか?
 なにやら、いかに手法が正しくても発信側のリテラシーが低いとトンデモない内容になるか、の実験テキストになってしまいました。
 まあ、今日は与太話として楽しんでいただければ、幸いでございます。(汗